疲労とは、人間に限らず長時間の継続的使用によって本来の機能が低下する現象を意味しています。
また、疲労は、痛み、発熱と並んで生体の3大アラームと言われていて、生命と健康を維持する上で大変重要な信号の1つなのです。
疲労には、休息を取れば、自然に解消する「生理的疲労」と、休んでも回復しない「病的疲労」の2種類があります。
「生理的疲労」とは、精神あるいは身体に負荷を与えた際に作業効率が一時的に低下している状態と考えられています。
人間が健康を維持するための防御反応が「生理的疲労」として現れるのです。
これには肉体的な疲労と精神的な疲労の両方が含まれます。
「病的疲労」とは、負荷の少ない状態でも慢性的な作業効率の低下や倦怠感が感じられる状態のことで、基礎疾患がはっきりしている疲労と、基礎疾患のない疲労があります。
病気の症状として疲労が現れるもの。基礎疾患としては、心臓病、気管支ぜんそく、肝炎、貧血、代謝性疾患、筋肉疾患、各種の感染症、ガンなど。
「慢性疲労症候群」、精神的な原因によるうつ病、スポーツによる「オーバートレーニング症候群」(過度のトレーニングによる弊害)など。
今回は「生理的疲労」の説明をしましょう!
一般に、「疲労」と「疲労感」とほぼ同義語で使われていることが多いのですが、「疲労」と「疲労感」とは別のものです。
たとえば、楽しいことがあって気分が高揚しているときは、いつもと同じ量の仕事や家事をして体に負担がかかっても、ほとんど疲労を感じないことがあります。
逆に落ち込んでいるときや、無理に仕事をしなくてはならないときなどは、ちょっと働いただけですぐに疲労を感じます。
このように、人間は日常生活において意欲や達成感によって、体に実際に起こっている「疲労」と、疲れたと感じる自覚的な「疲労感」が一致しないという事がおこるのです。
つまり「疲労」は身体や精神に負荷を与えられたときに見られるパフォーマンスの低下現象のことで、一方、「疲労感」は精神的な状態、心の持ちように左右されます。
やりがいのある仕事は達成感を生みますが、この達成感が「疲労感」を隠してしまうのです。
そして、脳が疲労を感知しないまま潜在的に体内に「疲労」が溜まってしまった状態を「疲労感なき疲労」と言います。
これを気付かずにほうっておくと大変危険で、最悪の場合、疲労に気付かずひたすら働いていたのに、「過労死」のような、突然の死を迎えてしまうこともあるのです。
いつもより少し無理したときは、「疲労感」がなくても、体には「疲労」があることを理解してなるべく早い段階で休養をとることが大切です。
主な症状として、
などです。
病的疲労の場合は、発熱、リンパ節の腫れ、記憶障害などの症状を伴うこともあります。
栄養バランスの偏った食事をしているとエネルギーやビタミン、ミネラルが不足してしまいます。ビタミンやミネラルはエネルギーの生産に不可欠な栄養素なので、これらが不足するとエネルギーが生み出せなくなり、疲れやすくなります。
寝不足が続いたり、極端な朝型や夜型の生活などは、体に大きな負担となり、疲れの原因になります。
また、睡眠不足や眠りの質が悪いと、疲労はなかなか回復しません。
普段の仕事や家事、育児での小さなストレスが蓄積し、身も心も疲れてしまうことがあります。
ストレスは、気持ちだけでなく、肉体的にも大きな影響をもたらします。
過酷な仕事や、激しいスポーツなどで体を酷使していると、体のエネルギーをつくるのに必要な栄養素であるビタミンB1、B6、ミネラルなどが不足したり、消耗したりするなどで疲れを引き起こすことがあります。
加齢によって体の代謝機能が低下すると、体の中の老廃物が排出されにくくなります。
それによって、疲れや疲れやすいといった症状がみられます。
体を元気に保つには、ビタミン類やアミノ酸が欠かせません。
食欲がないときでも必要なエネルギーを摂取するために、意識してバランスの整った食事をとりましょう。
栄養素 | 作用 | 主な食材 |
---|---|---|
ビタミンB1 | エネルギー生産の手助け 疲労の蓄積を防ぐ |
豚肉、魚類、ウナギ、レバー、ロースハム、枝豆、豆腐、玄米、胚芽米、大豆、落花生、ごま、牛乳 |
ビタミンC | 抗酸化作用で免疫力を高める | カボチャ、ホウレン草、果物(いちご、グレープフルーツなど全般)、果物、豆、緑茶 |
カリウム | 筋肉を収縮させるはたらき 不足すると脱力感・倦怠感が発生 |
すいか、バナナ、トマト、きゅうり、アボカド、わかめ、海苔 など |
クエン酸 | 新陳代謝を活発にする | レモン、キウイフルーツ、パイナップル、グレープフルーツ、梅干、黒酢 |
アミノ酸 | 疲れにくくなる 筋肉を保持してスタミナを保つ |
肉、魚、大豆製品、卵 |
コエンザイムQ10 | 体内のエネルギー産生を高める | イワシ、サバ、豚肉、牛肉など |
疲れを感じたら、無理をしないでゆっくりと睡眠をとることが大切です。
睡眠時間があまりとれないときも、質の良い睡眠がとれるよう、寝る前に音楽を聞いたり、ハーブの香りでリラックスしたり、自分にあった心地よい寝具を選ぶなどの工夫が必要です。
夏場でもシャワーだけですませないで、湯船(あまり熱くない程度の)につかることで心も体もリラックスさせましょう。
入浴剤や、アロマなども有効です。
ついつい、長湯してしまうと、逆に湯疲れしてしまうので注意が必要です。
半身浴や足湯もリラックスできるのでおすすめですよ。
適度な運動は、筋肉をほぐしたり血行を良くしたりする他、気分転換ができ、ストレスの解消にも繋がります。
1日の終わりに、ストレッチで疲れた体をゆっくりほぐしてリフレッシュさせましょう。
今が旬で、豆と野菜の両方の栄養的特徴をもっている枝豆を使ったカレーをつくってみましょう。
豚挽き肉にもビタミンB1はたっぷり含まれているので、疲労回復に心強いメニューです!
カレーには食欲を増進する効果もあるので、夏バテで辛い思いをしている人にもピッタリのメニューです♪
枝豆の旬は7~8月です。
枝豆は大豆が3カ月ほどたった未熟な時期に収穫した未熟豆で、豆と野菜の両方の栄養的特徴をもっています。
大豆の栄養と、野菜の栄養を両方兼ね備えている優秀な食べ物です!
枝豆を選ぶときは、緑色が濃く、豆が大きく、さやがふくらんでいるものを選んでくださいね♪
材料(4人分) | 分量 |
---|---|
豚ひき肉(赤身) | 240g |
枝豆(さやつき) | 160g(正味80g) |
玉ねぎ | 1個分 |
おろしにんにく | 1かけ |
おろししょうが | 1かけ |
サラダ油 | 大さじ1 |
ごはん | 適量 |
(A) カレー粉 | 大さじ2 |
(A) 小麦粉 | 小さじ2 |
(B) 固形スープの素 | 1個 |
(B) 水 | 2カップ |
(B) 酒 | 大さじ2 |
(B) トマトケチャップ | 大さじ2 |
(B) 塩 | 少々 |
(C) 塩 | 適宜 |
(C) カレー粉 | 適宜 |