嗅覚障害の予防!「岩ガキの白ワイン蒸し」

嗅覚障害の予防!「岩ガキの白ワイン蒸し」

嗅覚障害とはどんなもの?

嗅覚とは、生き物が持っている「におい」を感じるしくみのこと指します。
嗅覚障害は、においが分からないなどの嗅覚の減退や欠如 、反対に過敏や錯覚などの異常な状態、もしくは今までと異なるにおいに感じるなどの状態のことです。
視覚や聴覚に比べて、嗅覚の変化はあまり知られていませんが、実は65歳以上の約半数に、さらに80歳以上では約4分の3もの人が嗅覚障害となっていると言われています。

こんなにも多くの方に味覚障害が起きているにも関わらず、嗅覚の異常に気づきにくい理由は、脳が持つ「においの記憶」によって、減退した嗅覚を補っているからだと考えられています。

 

その他、嗅覚の異常があると味の感じ方にも変化が起きてしまいます。味覚障害については、こちらの記事をチェックしてみてください。

どんな症状があるの?

症状の大半は嗅覚機能の低下ですが、他にも下記のような症状が見られます。

嗅覚機能の低下

  • 嗅覚減退
  • 嗅覚脱失(欠如)

嗅覚過敏

軽い悪臭にも耐えられない

嗅覚錯誤(異臭症)

本来、良いにおいを悪臭と感じる

などがあります。

味覚障害の症状

健康管理士からのワンポイント
『においを感知する嗅覚受容体』

我々が感じているにおいは、におい分子という化学物質のことで、そのにおい分子は鼻の奥の嗅上皮にある嗅細胞の嗅覚受容体によって感知され、より分けられています。
受容体は300~400存在し、1つの匂いに対し複数の受容体が反応することで数十万種類にもおよぶ匂いを嗅ぎ分けています。
においにはよいにおいと、悪いにおいがあります。刺激臭や、腐敗臭のように有害な悪いにおいを嗅ぐと人は不快感を覚えそれを避けようとします。
嗅覚は、火事やガス漏れなどの危険を察知して安全を確保するための大切な感覚でもあるということを忘れないようにしましょう!

嗅覚障害の原因は?

嗅覚障害は障害部位によって、呼吸性、嗅粘膜性、呼吸性と嗅粘膜性が合わさった混合性、中枢性嗅覚障害の4つに分けられます。
それぞれの原因と考えられるものをまとめておきましょう。

呼吸性嗅覚障害

アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、鼻中隔彎曲症などが原因となります。
鼻腔内気流の異常のため、吸い込んだにおいがにおいを感じる部位まで到達しないことによる嗅覚障害です。

嗅粘膜性嗅覚障害

風邪やインフルエンザなどのウイルスによって、嗅粘膜に異常が起こることが原因となります。

混合性嗅覚障害

呼吸性と嗅粘膜性が合わさった嗅覚障害で、慢性副鼻腔炎や通年性アレルギー性鼻炎はこれにあたります。
難治性の嗅覚障害に進行することが多くなるので注意が必要です。

中枢性嗅覚障害

脳挫傷を伴う頭部外傷などが主な原因ですが、脳腫瘍や加齢が原因の場合もあります。
この他、アルツハイマー病やパーキンソン病の初期症状で嗅覚障害がおこる場合もあります。

嗅覚障害の予防・対策は?

嗅覚障害を予防するためにいちばん大切なのは、風邪を引かないことです。もしも、引いてしまった時は、出来るだけこじらせないように注意することです。
風邪は、嗅粘膜に炎症を起こすことがあり、副鼻腔炎の原因にもなります。
嗅覚障害は治療の開始が早いほど症状が回復しやすいと言われています。風邪が治った後にも、鼻詰りや鼻水などが長引く場合は、副鼻腔炎を起こしている可能性や、大きな病気が潜んでいる場合もありますので、早めに耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。

食事

風邪を引かないようにするためには、日頃から不摂生をせず、生活リズムを整える必要があります。十分な睡眠と栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。
特に、嗅覚や味覚を整えるのに欠かせない亜鉛ビタミンB12を積極的に摂るようにしましょう!

栄養素 作用 主な食材
亜鉛 味覚・嗅覚を正常に保つ
細胞の新生を促進する
牡蠣、うなぎ、牛肉、レバー、たらこ、ホタテ、たけのこ、納豆、ごま、カシューナッツ、アーモンドなど
ビタミンB12 神経の働きを正常に保つ
細胞の合成や修復を助ける
レバー、牡蠣、サンマ、しじみ、赤貝、すじこ、あさり、ほっき貝、イクラ、あんこうの肝

おすすめ健康レシピ

岩ガキの白ワイン蒸し

岩ガキの白ワイン蒸し

牡蠣は嗅覚を正常に保つ亜鉛や、神経の働きを正常に保つビタミンB12も豊富に含んでいるため、嗅覚障害が気になる方には、オススメの食材です。
貴重な天然の岩牡蠣が手に入ったら、お好きな方には生でいただくのが一番だと思いますが、今回は生が苦手な人や、フライには飽きてしまったという方用に、簡単で美味しいワイン蒸しをご紹介します!
これからますます暑くなる夜に、白ワインにぴったりのワイン蒸しを肴に乾杯してみてはいかがですか♪

管理栄養士・健康管理士からアドバイス

牡蠣の旬は冬ということで知られていますが、これは真牡蠣の場合です。
岩牡蠣の旬は6~8月で、別名「夏牡蠣」とも言われています。
流通している牡蠣は、ほとんどが養殖もので、天然の岩牡蠣は捕獲量に制限があるため、非常に高価になっています。
選ぶときに失敗しないようにするためにも、持ってみて貝殻から体液がもれてこないものや、貝殻がだらしなく口を開けていないものを選ぶようにしましょう!

材料(2人分) 分量
岩牡蠣 4個
白ワイン 1/2カップ
バター 大さじ4
にんにく 1片
パセリ 少々
少々
こしょう 少々

エネルギー(1人分):246kcal

作り方

  1. 岩牡蠣は殻をブラシ等でよく洗う。
  2. にんにくをみじん切りにする。
  3. フライパンにバターを入れて、2.を透き通るまで炒める。
  4. ③に塩、こしょうを加え、一度小皿などに取り出す。
  5. 先ほどのフライパンに岩牡蠣を並べ、白ワインを加えて蓋をして強火で蒸す。
  6. 煮立ってきたら中火にしてさらに5~8分ほど蒸し焼きにする。
  7. 口が開いたら、殻を開き、岩牡蠣の身に④をかける。
  8. パセリをかけたら出来上がり♪

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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