くる病予防におすすめのレシピ

くる病予防におすすめのレシピ

今回は、主に子どもの時に発症し、骨の変形などが起こる「くる病」について取り上げます。くる病とはいったいどのような病気なのか解説し、くる病を予防するために積極的に取り入れたい栄養素と日光浴のメリットについてもご紹介します。

 

くる病とはどんな病気?

骨は一度作られたらおしまいではなく、古くなった骨を壊し、新しく作り替える作業が繰り返し行われています。この新たな骨を形成していく過程で、コラーゲン線維にカルシウムとリンを中心としたミネラルから作られた結晶が蓄積することで石灰化が行われ、骨は硬く丈夫な状態になっていきます。

しかし、子どもの時にカルシウムやリンが十分に沈着せず、軟らかく弱い骨ができてしまい、変形や成長障害を引き起こす病気がくる病です。歩き始める1、2歳ごろに発覚することが多く、成人でみられる場合は骨軟化症と呼びます。

くる病はどんな症状があるの?

子どもよく見られる症状には、乳歯が生えるのが遅い、虫歯になりやすい、足がO脚やX脚になる、身長が伸びない、転びやすいなどが挙げられます。成人の場合は、関節の痛みや骨折、筋力の低下などがあります。

症状
くる病の状態
体重の加重に耐えられずに
骨が湾曲した状態

くる病の主な原因は?

くる病の原因は遺伝性の場合もありますが、主に3つの栄養素の不足よるものが大半を占めます。

カルシウム不足

一般的に、日本人全体で摂取量が不足しているといわれています。

リン不足

リンは様々な食品に入っているため、不足する可能性は低い栄養素です。しかし、遺伝子の異常によって起こる低リン血性くる病(指定難病:ビタミンD抵抗性くる病)の場合には、リンが尿中に漏れ出てしまい、血液中のリンが不足することによって起こります。

ビタミンD不足

ビタミンDは骨の形成に欠かせない栄養素です。食事から取り入れたり、日光を浴びたりすることで生成されます。

食べ物から摂取したカルシウムやリンは、ビタミンDの働きによって腸から体内に吸収されます。そのため、ビタミンDが不足するとカルシウムやリンが吸収されず、弱く軟らかい骨が作られてしまいます。また、腸からのカルシウムの吸収が低下すると、体内のカルシウム濃度を上げるためのホルモンが分泌されて、古い骨が壊される骨吸収が進んでしまいます。その結果、血中にカルシウムが溶け出し、骨がスカスカの状態になってしまいます。

 

くる病の治療法は?

くる病の治療の基本は、食事療法と日光浴です。食事では、カルシウムやビタミンDを含む食品を積極的に食べるようにし、適度に日光浴を行うことでビタミンDの生合成を促します。

積極的に取り入れたい栄養素

作用 多く含む食べ物
カルシウム 骨や歯の形成 牛乳、ヨーグルト、チーズ、小魚、小松菜 など
ビタミンD カルシウムの腸管での吸収促進 サケ、サバ、イワシ、卵黄、きのこ など

 

健康管理士からのワンポイント
日光浴でビタミンDはつくられる?

ビタミンDは、食事から取り入れる以外に、日光浴によっても皮膚で生合成されています。そのため、過度な日光の避けすぎや日焼け止めの過剰な使用はビタミンDの合成の妨げとなります。冬は、30分程度を目安に日光浴をしましょう。春夏は紫外線が強くなるため、木陰などで10~15分程を目安に、手のひら日光浴をしてみましょう。手のひらや足裏は、メラニン色素が少なく日焼けしにくい部分であるだけでなく、ビタミンD生成のためには他の部位に劣らないので、窓から手を出して太陽に向けるだけでも十分です。

予防(くる病)

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おすすめ健康レシピ

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カルシウム・ビタミンDが摂れる!鮭ときのこのクリーム煮

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カルシウムは、いかに効率よく摂ることができるかが大切です。一般的に、カルシウムは吸収率が低いため、ビタミンCやDと一緒に摂ることができる食材を組み合わせましょう。

今回は、カルシウムを多く含む牛乳、ビタミンCを含むほうれん草、ビタミンDを多く含む鮭としめじを使用しています。栄養満点で、おなかも心もほっこりと温まる1品です。栄養素を意識しつつ、具材を変えてお好みのアレンジを見つけてみてはいかがでしょうか?

 

材料(3~4人分) 分量
さけ 3切れ(300g)
ぶなしめじ 1袋(100g)
玉ねぎ 1/2個
ほうれん草 1/4束(50g)
オリーブ油 大さじ2
片栗粉 大さじ2
牛乳 350㏄
100㏄
塩麹 大さじ1
味噌 小さじ1
粗挽き胡椒 少々
パセリ粉 少々

作り方

  1. ほうれん草を5㎝幅に切り、玉ねぎを繊維に沿って薄切りにする
  2. 鮭を4等分に切る
  3. 中火で熱した鍋にオリーブ油を引き、玉ねぎが透き通るまで炒める
  4. ②に薄く片栗粉をまぶして、鍋の玉ねぎを周りによけながら並べて、弱火で両面を焼く
  5. ④に牛乳、水、しめじ、ほうれん草を加えて中火で加熱する
  6. 沸騰したら火を止め、塩麹、味噌を加え、粗挽き胡椒で味を整える
  7. 器に盛り付け、パセリ粉を振って完成

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ささっと1品!水菜とサバ缶のピリ辛サラダ

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管理栄養士・健康管理士からアドバイス

意外と知られていませんが、水菜には小松菜よりもカルシウムが豊富に含まれています。また、カルシウムの吸収を助けるビタミンCも含んでいます。ビタミンCは加熱に弱いため、生食がおすすめです。さらに、サバの水煮缶を使うと加熱の必要もなく、カルシウムの吸収率を高めるビタミンDも一緒に摂ることができます。

材料(3~4人分) 分量
水菜 1/2袋(100g)
サバ水煮缶 2缶(380g)
ポン酢 大さじ2
豆板醤 小さじ1/4
ごま油 大さじ1
白いりごま 大さじ1
刻みのり 適量

作り方

  1. 水菜を5㎝幅に切る
  2. ボウルにポン酢、豆板醤、ごま油を加え、よく混ぜ合わせる
  3. ②に①を加え、サバ缶を汁ごと加え、粗めにほぐしながら全体をなじませる
  4. 器に盛り付け、最後に白いりごまと刻みのりをちらして完成

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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