最近、なんだか尿が近い、トイレの回数が多い気がするという場合は、『頻尿』と呼ばれる症状の可能性があります。今回は、頻尿を起こしやすい原因や症状、そして、予防法や解消法について解説します。さらに、頻尿改善におすすめの健康レシピもご紹介します。
一般的には、朝起床してから就寝までの排尿回数が8回以上の場合を頻尿といいます。しかし、7回以下であっても日常生活に支障があると感じる場合に頻尿といえます。
例えば、お酒を飲んだ時や水分を多量に飲んだときには、当然排尿回数は増えます。これは水分を排出する自然な生理反応であるため、頻尿ではありません。
夜間頻尿とは、就寝後に排尿のために1回以上起きなければならない症状をいいます。加齢とともにその頻度は高くなります。男女差はあまりなく、夜間の排尿回数が増えると慢性的な睡眠不足が生じるなど、日常生活にも影響が起きやすい症状の1つです。
頻尿の症状は個人差がありますが、以下のような症状が挙げられます。
頻尿の原因はさまざまありますが、膀胱の機能的な問題やストレス、加齢、水分や利尿作用のある飲み物などの過剰摂取などが挙げられます。
膀胱の容量は、平均して300~500ml程度で、150mlほど溜まると軽い尿意を感じます。しかし、膀胱が過敏となることで、膀胱の容量が減少し、少量の尿(150~200ml)しか溜められなくなる状態です。
膀胱に尿が少量しか溜まっていないにも関わらず、尿意を感じてしまったり、膀胱が過敏反応を起こし、意志とは関係なく収縮をしてしまい、急な尿意が起こって我慢ができない状態です。
過剰なストレスによって不安を感じたり、緊張状態が続き、心が不安定になることで生じる頻尿を『心因性頻尿』といいます。膀胱の機能に異常がないにも関わらず、不安や緊張によって自律神経のバランスを保つことができなくなったり、トイレに行けない状況ほど急な強い尿意を感じることがあります。
加齢とともに膀胱の弾力性が徐々に失われると、夜間に溜められる尿量が少なくなります。その他、膀胱の収縮力が低下し、残尿量が増えてしまうことなどがあります。また、男性の場合70歳頃に多くみられる前立腺肥大症により生じやすくなります。
通常、日中は尿を多く作り、夜間は抗利尿ホルモンが分泌され、尿中の水分を減らして尿を濃縮する働きがあり、夜間はあまり尿が作られないように調節されています。しかし、加齢とともに夜間のホルモン分泌が減ることで、尿の濃縮ができず、尿量が増えやすくなります。
水分を多量に摂取したり、利尿作用のあるアルコールやコーヒー、紅茶、エナジードリンクなどを飲むことで尿量が増加し、トイレに行く回数が増えます。
膀胱炎や前立腺炎などの尿路感染が起こると、膀胱の知覚神経が刺激され頻尿になります。尿路感染は、主に細菌が原因となりますが、原因不明の病気の場合もあります。その他、稀に膀胱がんによるものの可能性もあります。
1日の飲水量の目安は体重の2~2.5%程度とされています。成人が1日に必要な水分量は2.5Lといわれていますが、摂りすぎても摂らなすぎても、体に害を及ぼしてしまいます。カフェインやアルコールは利尿作用があるため控え、カフェインを含まない水やお茶などを飲むようにしましょう。
適度にストレス発散ができるように、心や体をリラックスさせて、緊張を和らげる時間を作りましょう。趣味や運動を取り入れ、ゆったりと休養を取り入れましょう。
多くの頻尿や尿もれなどの悩みは、骨盤底筋の弱まりから起きています。骨盤底筋とは、骨盤の底にあり、直腸や膀胱などが正しい位置に収まるように支え、尿道や肛門を締めて排泄をコントロールしています。
寝起きや、就寝前に数回ずつから行ってみましょう。
①仰向けに寝て、足を肩幅に開き、両足を軽く曲げて立てる。
②その姿勢のまま肩やお腹の力は抜き、肛門と膣をギューッと締める。
息は止めず、息を吐きながら引き締め、2~3秒ほどしたら息を吸いながら緩める。
膀胱に柔軟性を与えて伸縮する力を保ち、血流改善効果が期待される栄養素を取り入れてみましょう。
栄養素 | 働き | 食べ物 |
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アルギニン(アミノ酸) | 血管内皮で一酸化窒素の産生を高める、 血管の柔軟性を高る、血流を促進 |
魚介類(海老、ホタテ、イワシ、サバ、アジなど)、 肉類(鶏ムネ、豚ヒレ、牛ももなど)、 豆類(豆腐、高野豆腐、納豆、ひよこ豆、そら豆など)、 種実類(かぼちゃの種、落花生、ごま、アーモンド、くるみなど) |
ビタミンE | 血流改善 | 卵、ナッツ類(アーモンドなど) |
マグネシウム | 筋肉の伸縮調整、体温調整 | きのこ類、山芋、海藻類(ひじきなど) |
ショウガオール アリシン |
冷えや血流改善 | 生姜、にんにく、ニラ、ネギなど |
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山芋を使って今回は簡単ほくほくステーキを作りましょう♪
旬の山芋をたくさん食べて頻尿を改善しましょう!味付けの醤油は少な目にすると、食塩が抑えられて、より頻尿対策につながりますね!
あと一品ほしいときにオススメのレシピです!ぜひ作ってみてください!
今回は山芋を使った料理をご紹介します!山芋の旬は11~1月です。
山芋はカリウムとマグネシウムを豊富に含む食材であり、カリウムは腎臓による尿の濃縮作用に関わるため、不足すると薄い尿となり頻尿となります。
また、マグネシウムは筋肉の収縮に関与し、尿道括約筋の働きを促すことができます。
美味しい山芋の選び方は、断面が白くみずみずしいものを選ぶことです。
また、皮が茶色く、ひげ根が少ないずっしりと重みのあるものを選ぶとよいでしょう。
材料(2人分) | 分量 |
---|---|
山芋 | 15cm位 |
塩コショウ | 少々 |
マヨネーズ | 大さじ1 |
醤油 | 少々 |
かつお節 | お好みで |
ごま油 | 適量 |
エネルギー(1人分):110kcal
海老は血流を促進させるアルギニンを含むだけでなく、食養生では腎臓の働きを補うといわれている食材の1つです。そして、体の内側から温めるニラや生姜を使用し血流を促し、冷えの解消にもつながります。つけダレにナッツを加えることで食感も楽しく食べることができます。
材料(2~3人分(20個分)) | 分量 |
---|---|
餃子の皮(大判) | 20枚 |
水(のり付用) | 適量 |
むきえび(粗みじん) | 150g |
豚挽き肉 | 100g |
ニラ | 50g(1/2束) |
長ネギ | 5㎝ |
★生姜(すりおろし) | 1/2片 |
★酒 | 大さじ1/2 |
★しょうゆ | 大さじ1/2 |
★ごま油 | 大さじ1/2 |
★片栗粉 | 小さじ2 |
サラダ油(米油) | 大さじ1 |
水 | 1/2カップ(100ml) |
◆アーモンド(みじんぎり) | 3粒 |
◆酢 | 大さじ1~2 |
◆しょうゆ | 大さじ1 |
◆胡椒 | 少々 |