血液中に赤血球の中に含まれる血色素(ヘモグロビン)の量が不足した状態のことをいいます。
ヘモグロビンは酸素と結合して全身の組織まで運ぶ働きがありますが、不足すると十分な量を運ぶことができず、体が酸欠の状態になるのです。貧血には原因によりいくつかの種類がありますが、特に女性に多いのがヘモグロビンをつくる鉄分が不足することによって起こる「鉄欠乏性貧血」です。
血液中には赤血球のほかに、いろいろな働きをもつ成分が含まれています。
水分が91%、あとはタンパク質やミネラルが含まれています。
栄養素や老廃物を運んだり、血圧を保ったりする働きがあります。
顔などの皮膚、粘膜が蒼白になり、息切れやめまいがみられます。
また、冷えや肩こり、頭痛やだるい、疲れやすい、といった症状もみられます。
原因はさまざまですが、ここでは「鉄欠乏性貧血」についてみていきましょう。
ダイエットや偏食などで食事のバランスが乱れると、赤血球をつくるタンパク質やヘモグロビンをつくる鉄が不足してしまいます。
お茶やコーヒーに含まれるタンニンや加工食品に含まれるリン酸塩と一緒に取ると、鉄の吸収が阻害されます。
月経や分娩時には出血があるため、また妊娠、授乳時は胎児、乳児への鉄の放出があるため、大量の鉄を必要とします。
激しい運動は、強い衝撃で赤血球が破壊されたり、酸素を全身にいきわたらせるために鉄が大量に必要となったりするため、赤血球の不足を招きます。
食生活の改善など、生活習慣を変えることで予防することができます。
治療方法としては月経過多や、消化器の疾患などの病気があれば、まずその治療をします。
そして食事で積極的に鉄分を補給するようにします。 鉄分の欠乏がひどい場合には、鉄剤を使用します。
食事で鉄分を十分にとり、赤血球やヘモグロビンを増やすことが重要です。鉄は、タンパク質やビタミンC、クエン酸や酢酸と摂取すると吸収率が上がります。また、鉄には肉・魚に含まれる「ヘム鉄」のほうが、緑黄色野菜や穀類などに含まれる「非ヘム鉄」よりも吸収率が高いのが特徴です。
レバーや肉、赤身の魚、ひじきなどの海藻類に多く含まれます。
鉄を多く含む食品と、タンパク質(肉や魚、大豆など)やビタミンC(ブロッコリーやキャベツなどの緑黄色野菜)を一緒に取ると、鉄の吸収率を上げることができます。
また、ビタミンB12はヘモグロビンの合成に関与しています。多くの食品に含まれるため不足することは少ないですが、動物性食品に主に含まれているため、菜食者は注意が必要です。
葉酸は、DNA合成に不可欠な栄養素です。赤血球をつくる過程で葉酸が足りないと、核のDNA合成に異常が起きて、悪性貧血の原因となる異常な赤血球ができることがあります。レバーやブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれているので、積極的に取りましょう。
適度な運動は内臓機能を回復させて鉄分の吸収を高め、赤血球の生産を活発にする作用があります。
酢に含まれる酢酸やパプリカやピーマンに含まれるビタミンCが、レバーに豊富に含まれる鉄の吸収を助けます。
レバーやにんじんは年間を通して手に入るので、つくりやすい料理です。
ピーマン・パプリカの旬は7~8月です。
レバーは鉄分が豊富に含まれ、貧血対策にはもってこいの食材。一緒に吸収を助けるビタミンC
や酢酸を取れば、さらに鉄を効率よくとることができます♪
材料(2人分) | 分量 |
---|---|
鶏レバー | 120g |
タマネギ | 1/4個 |
ニンジン | 小1/4本 |
ピーマン | 1個 |
パプリカ(赤・黄) | 各1/4個 |
(A) 赤唐辛子の小口切り | 少々 |
(A) 醤油 | 小さじ2 |
(A) みりん | 小さじ2 |
(A) 酢 | 小さじ2 |
(A) だし汁 | 小さじ2 |
今回は、貧血予防にぴったりな「あさり」と「小松菜」の2つの食材を使ったレシピです!
フライパン1つでできる簡単なレシピですのでぜひ試してみてください♪
今回は「あさり」と「小松菜」を使ったレシピです。あさりは貧血予防に欠かせない鉄や、ヘモグロビン合成を促進させるビタミンB12、鉄の吸収率を上げてくれるタンパク質を豊富に含む食材です。あさりは、口が固く閉じているものがオススメです。口が開いているものは鮮度が落ち、身が締まっていない可能性があります。少し触ると口がしっかりと閉じるものを選ぶとよいでしょう。また、小松菜は緑黄色野菜の中でも鉄を多く含む食品の1つであり、また、赤血球の合成に関わる葉酸も豊富に含むため、貧血予防にはぴったりの食材です!
材料(2人分) | 分量 |
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あさり | 200g |
小松菜 | 1束 |
にんにく | 1かけ |
バター | 10g |
酒 | 50cc |
醤油 | 小さじ1 |
エネルギー(1人分):約70kcal