健康診断で肥満気味と診断が…。運動不足は自覚しているけど、
食生活はどのように改善すればよいのでしょうか?
人の体は水分と筋肉に多い糖質、タンパク質、骨に多いミネラル、そして脂肪でできており、脂肪の割合が多過ぎる状態を肥満といいます。ただし、肥満と判定された全ての人が医学的に問題が起きるとは限りません。
肥満の判定には、身長と体重から割り出すBMIという指標を用います。男女ともBMI指数がほぼ22のとき病気にかかりにくく、25以上になると有病率が高まります。そこで、22を標準値とし、25以上を肥満としています。
肥満は食べ過ぎや運動不足により摂取エネルギーが消費エネルギーを上回って起こる「単純性肥満」と病気などなんらかの原因で起こる「症候性肥満」があります。
糖尿病や脂質異常症などの代謝異常や、高血圧などの循環器疾患など、多くの疾病を発症させたり悪化させたりする要因になります。問題なのは脂肪のついている部位で、内臓についている内臓脂肪型肥満の場合には代謝異常発生の引き金になって徐々に疾病に進行していく危険性があります。
症候性肥満は内分泌性肥満、遺伝性肥満、視床下部肥満、薬物性肥満といった原因による分類があります。症候性肥満の疑いがある場合には、医療機関で精密検査が行われ、肥満の原因となる病気に応じた治療が行われます。病気を抱えている人で肥満気味の場合には、医療機関で受診するとよいでしょう。
単純性肥満は摂取エネルギーの取り過ぎ、消費エネルギーの減少の2つが原因です。ここでは単純性肥満について、具体的な原因をみていきましょう。
インスリンが過剰に分泌されることで、ブドウ糖が中性脂肪として蓄積され、結果肥満になります。
膵臓から分泌されるインスリンは糖尿病のところで触れた通り、ブドウ糖を肝臓で中性脂肪にして蓄積するのを助ける働きがあります。
また血液中のブドウ糖を全身の筋肉や細胞へ送り込む働きも持っています。
たくさん食べることで急に血液中の糖の濃度が上がると、インスリンがそれを下げるよう分泌され、ブドウ糖が中性脂肪に作り変えられてしまうのです。
小児のころに栄養過多により細胞数が増大して、肥大することによって肥満になります。
ドカ食いやまとめ食い、不規則な時間に取る、夜のまとめ食い、早食いなどの食生活の乱れは自律神経を乱し、肥満を招きます
運動不足により筋肉の量が減ると、基礎代謝が低下して消費エネルギーを減らしてしまいます。
また、インスリンなどのホルモン分泌や酵素の生成などさまざまな部分に障害が起きて肥満を引き起こします。
年を取ると筋肉量が減り、それに伴い基礎代謝も減ってしまいます。消費エネルギーが減っているのに、摂取エネルギーはそのままだと、その過剰なエネルギー分が肥満になります。また閉経後の女性はホルモンの分泌がアンバランスになるため自律神経に乱れが起こり肥満になりやすくなります。
肥満は摂取エネルギーの取り過ぎと、消費エネルギーの減少が主な原因です。食べ過ぎなどの食生活や運動不足などの運動習慣の見直しをすれば、肥満を予防解消することができます。
肥満になり治療を行う場合にも、食事療法と運動療法を併用して治療に当たります。
肥満を予防するには、食事の内容と取り方に注意することが大切です。
まずは食べ過ぎや飲みすぎ、高カロリーの食事に気を付け、適正摂取量を心掛けましょう。
ただし、急激に食事量を減らすと、貧血や拒食症などを引き起こし体に悪影響を及ぼすので注意しましょう。
脂質は中性脂肪になりやすい動物性油脂ではなく、コレステロールを低下させる不飽和脂肪酸を含むオリーブ油やなたね油といった植物油を取るようにしましょう。
タンパク質は脂質代謝に関与するため、十分に取りましょう。良質で脂質分の少ない豆類や赤みの肉などがよいでしょう。
摂取量ばかりでなく、栄養バランスにも気を付けましょう。食事量を制限すると代謝を助けるビタミン、ミネラル、食物繊維が不足しがちです。野菜や海藻など積極的に取りましょう。砂糖を使った甘い食品はエネルギーが高く、中性脂肪になりやすいので、控えるようにしましょう。
肥満は食生活だけでは解消できません。
適度な運動を取り入れて、消費エネルギー量を増やすようにしましょう。
ジョギングやウォーキングといった有酸素運動は脂肪を燃やし、エネルギーを消費するのに最適です。
また、筋肉トレーニングなどの無酸素運動は筋肉量を増やすので、基礎代謝を増やすことができる運動です。
運動習慣のない人は、日常生活の中で、階段を使ったりこまめに体を動かしたりすることから運動量を増やしていきましょう。
低エネルギーで良質なタンパク質を含むイカと豚肉、余分な栄養素の排泄を促したり、血糖値の上昇を抑制したりする食物繊維たっぷりのタケノコやシイタケ、ビタミンDや鉄分、カルシウムなどミネラルたっぷりのキクラゲなど、野菜をたっぷり使い、油を控えめにした低カロリーレシピです。
タケノコの旬は4~5月です。
生のタケノコはほうっておくとえぐみが増すので、すぐにぬかを入れた湯で下ゆでして、えぐみを取り除きましょう。
えぐみはシュウ酸やホモゲンチジン酸と呼ばれる成分がほとんど。
ぬかに含まれるカルシウムはそのえぐみ成分を中和するのです。
旬のタケノコと野菜をたっぷり使い、上手に肥満を予防しましょう♪
材料(2人分) | 分量 |
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豚もも肉(薄切り) | 80g |
イカ | 30g |
タケノコ(ゆで) | 30g |
長ネギ | 1/2本 |
ピーマン | 1/2個 |
ニンジン | 1/3本 |
シイタケ | 2枚 |
白菜 | 20g |
キクラゲ(乾燥) | 1g |
A 水 | 1/2カップ |
A 中華だしの素 | 小さじ1/4 |
A 酒 | 大さじ1 |
A 砂糖 | 小さじ1 |
A 塩・こしょう | 少々 |
サラダ油 | 小さじ2 |
水溶き片栗粉 | 適量 |
うずらの卵(ゆで) | 4個 |
今回は「高野豆腐」を使ったレシピです。いつものお味噌汁の具材を豆腐から高野豆腐に代えるだけの簡単レシピです。豆腐よりもタンパク質、食物繊維ともに多く摂取することが可能であり、栄養価の高いお味噌汁が出来上がります!ぜひ試してみてください♪
高野豆腐には、タンパク質が豊富に含まれており、筋肉量の増加につながるほか、タンパク質を摂ることで満腹感が得られるため間食を抑えることができます。また、レジスタントプロテインという消化酵素による分解を受けにくいタンパク質が含まれているため、コレステロールの吸収を抑制する働きなどもあります。さらに、食物繊維も多く含むため、糖や脂肪の吸収を抑えるほか、腸内環境を整えて便秘の改善につながるなどの効果も期待できる優秀食材です。
材料(4人分) | 分量 |
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高野豆腐 | 2枚 |
カットわかめ | 大さじ1 |
だし汁 | 800㏄ |
みそ | 大さじ2 |
エネルギー(1人分):約70kcal