目はカメラのような構造をしていて、レンズ部分は「水晶体」、フィルムが「網膜(黄斑)」にあたります。
「水晶体」はピントを合わせる働きを持っていますが、老眼とはその「水晶体」が加齢とともに硬くなったり、水晶体の働きを助けている「毛様体」と呼ばれる筋肉の働きが弱まったりすることで、ピントが合わなくなってしまった状態をいいます。
白内障は水晶体のタンパク質が変性して硬くなって、白く濁ってしまった状態をいいます。
タンパク質は多数のアミノ酸がさまざまに結ばれてできています。
熱や紫外線などの刺激を受けると、それぞれ繋がっていた部分が切れて、別の性質を持ちます。これが「変性」です。
例えば、生卵をゆでると、ドロットした状態から固って白く固まりますし、生肉も加熱すると赤い状態から白くなり固くなり弾力性を失います。
これもタンパク質の変性の一種なのです。
視力が低下し、近くのものが見えにくくなります。
白内障の場合は、ピントはあっているのに、ものがかすんでみえたりします。
加齢とともにこうした目の老化の症状が現れますが、白内障の場合は加齢以外で起こることがあります。
糖尿病の合併症として起こるほか、アトピー性皮膚炎でまぶたをかき過ぎて起こることもあります。
眼球を突いたり、強打したりすると水晶体がダメージを受けて白く濁ることがあります。
遺伝や胎児期の感染などによって先天的に濁りがみられる場合があります。
強い紫外線やX線などの放射線を浴び続けることで、水晶体が白く濁ることがあります。
目の健康には環境や生活習慣が大きく関わっています。
それらに気をつけることで、老化のスピードを遅くし、白内障などの目の病気を食い止めることができます。
バランス良く栄養を取ることはいうまでもありませんが、目の疲労を取り、健やかに保つ栄養素を取るとよいでしょう。
特に日ごろ目を酷使している人は積極的に取りましょう。
栄養素 | 作用 | 主な食材 |
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ビタミンA | 視力の保持 皮膚や粘膜、角膜の保護 |
レバー、ウナギ、ニンジン、ピーマン、春菊 |
ビタミンE | 抗酸化作用、血行促進 | 植物油、アーモンド、アボカド |
ビタミンC | 抗酸化作用 | ブロッコリー、ホウレンソウ、ジャガイモ |
ビタミンB2 | 皮膚や毛髪の細胞再生、 炭水化物、タンパク質、脂質の代謝 |
レバー、魚介類、牛乳、納豆、卵など |
ビタミンAは「目のビタミン」と呼ばれ、目表面の角膜を形成するムチン層の成分として乾燥を防ぎ、また目の中の光や色を感受する物質の材料となる重要な成分です。
ビタミンEは細胞の酸化を防ぎ、栄養成分を目に行き届けるように血行をよくします。
どちらも脂溶性ビタミンなので、油と一緒に取ると吸収が高まります。
ビタミンCは活性酸素を除去する抗酸化作用を持つと共に、紫外線の影響を受けやすい水晶体の白濁を防ぐ働きがあります。
ビタミンB2は細胞の成長促進に不可欠なビタミンで、眼精疲労にも役立つといわれています。
こちらの2つは水溶性ビタミンなので、過剰症の心配はありません。
栄養素 | 作用 | 主な食材 |
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亜鉛 | タンパク質やDNA、RNAの合成、新陳代謝 | 牛肉、レバー、卵、カキ、納豆、ゴマ |
セレン | 抗酸化作用、血行促進 | アジ、ホタテ、ネギ、そば |
銅 | 抗酸化作用 | レバー、干しエビ、イカ、タコ、アーモンド、大豆 |
マンガン | 炭水化物、タンパク質、脂質の代謝 | 玄米、クルミ、厚揚げ |
亜鉛は骨や筋肉、皮膚のほか、目の硝子体にも存在しています。
不足すると細胞の増殖や修復に影響を及ぼす、重要なミネラルです。
セレンはビタミンEの抗酸化作用が増すといわれています。
銅は抗酸化作用を持ち、また鉄の吸収を助ける働きがあります。
マンガンは炭水化物、タンパク質、脂質の代謝にかかわる酵素の構成にもなくてはならないミネラルです。
目の健康を保つには目の使い過ぎは厳禁です。
長時間パソコンの画面と向き合ったり読書をしたりする場合には必ず目を休ませる時間をつくりましょう。
20~30分に1回の休憩が目安です。
白内障など、目の病気には紫外線が要注意です。
外出するときは日差しが強い日だけでなく、曇りの日もサングラスを利用して、紫外線をカットしましょう。
老化によって老眼の症状が現れることが多いですが、白内障や緑内障など、他の原因で目の病気にかかっている場合もあります。
みえづらいな、と思ったら眼科医で検査をすることも大切です。
ニンジンは目のビタミンであるビタミンAをたっぷり含んでいます。
鉄や銅のミネラル、ポリフェノールなど抗酸化物質を含むレーズンをトッピングして、老化や白内障を防ぎましょう!!
ニンジンは年間を通して手に入りますが、
2月の露地栽培の時期と、5月~6月の新ニンジンの季節が本来の旬です。
ビタミンCを壊す酵素を持っているため、調理の際は加熱するか、レモンや酢などを加えて作用を抑えましょう。
材料(2人分) | 分量 |
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にんじん | 2本 |
レーズン | 大さじ2 |
塩 | 小さじ1 |
レモン汁 | 大さじ2 |
オリーブ油 | 大さじ2 |
こしょう | 少々 |