便秘におすすめのレシピ

便秘におすすめのレシピ

便秘ってどういうもの?

食べ物は口、食道、胃から小腸に送られ、消化が行われて栄養素吸収されます。
吸収されずに残った食べ物の残りかすや水分が大腸に送られると、水分やミネラル分を吸収して残りを排せつするため、大腸はミミズが動くときと同じように腸壁の筋肉が順次収縮して送り出す蠕動(ぜんどう)運動を行い、残渣(ざんさ)=便を少しずつ肛門のほうへ送り出します。
この蠕動運動が弱かったり、上手く働かなくなったりすると、便は大腸で長時間とどまって便が硬くなって便がすっきり出なくなった状態を「便秘」といいます。

どんな症状があるの?

お腹の張りや痛み、おならが頻繁に出ます。
また、便秘によって自律神経が乱れて、にきびや肌荒れ、頭痛、肩こり、食欲不振といった症状も現れます。
イライラする、怒りっぽくなる、眠れないといった精神的な症状がでる場合もあります。

症状(便秘)

便秘の原因は?

便秘の原因はさまざまですが、大きく分けると器質性便秘と機能性便秘の2つがあります。

器質性便秘

器質性便秘は病気が原因で起きる便秘で、急性のものと慢性のものとがあります。
慢性の場合は、大腸がんや大腸ポリープ、膵臓がん、子宮筋腫といった病気が原因となる場合があります。お腹がいつも張っている、便に血液が混じる、腹痛、食欲不振が続く、体重が減っているなどの症状がある場合には、医療機関に相談しましょう。

機能性便秘

機能性便秘はなんらかの原因で腸の機能が低下したことで起きる便秘です。
大きな要因としては、食物繊維の不足、不規則な食生活、運動不足、便意を我慢する、ストレスなどといったものが挙げられます。機能性便秘はさらにその原因によって3つに分けられます。

弛緩性便秘

腹圧の力がないために大腸全体の動きが鈍くなり、便を送り出す力がないために起こります。

けいれん性便秘

大腸が過敏になり、大腸の蠕動運動が強過ぎるため、腸がけいれんして便が分断され、通過がスムースにいかなくなったために起こります。心因的なものが原因の場合が多いため、過敏性腸症候群の一種として位置づけられています。

直腸性便秘

普通、直腸に便がたまると、反射的に便意が起こります。朝時間がないなどといってトイレを我慢していると、次第に便意を感じにくくなってしまうために起こります。

どうしたら予防・対策ができるの?

器質性便秘の場合は原因になっている病気の治療が大切です。
機能性便秘の場合には、食生活、運動などの生活習慣の改善により十分に予防、解消することは可能です。
治療は薬物療法で行いますが、原因のタイプにより薬の種類も異なります。市販の薬を服用する場合には注意しましょう。

食事

偏った食生活は便秘を起こしやすくします。暴飲暴食や刺激物、高タンパク・高カロリーの食事は避け、栄養のバランスを考えた食事を心掛けましょう。

また、食事は時間通りに取りましょう。食事は生活リズムに大きな影響を与えるので、規則正しく取ることは排便のリズムを整えることになります。特に朝食は空腹に食べ物が入ることで腸の働きが活発になるため、きちんと取りましょう。

便秘によい 栄養素
栄養素 作用 主な食材
ビタミンE 血行促進
自律神経の調整
植物油、アーモンド、うなぎ
ビタミンC 腸内の善玉菌を増やす ブロッコリー、ほうれん草、じゃがいも
食物繊維 水溶性:便を軟らかくする
不溶性:便の量を増やし、腸壁を刺激して蠕動運動を促進
水溶性:こんにゃく、海藻
不溶性:玄米、ごぼう、いも類

ビタミンEは全身の血液循環を良くするので、腸の運動を活発にします。
ビタミンCは腸内の善玉菌である乳酸菌のえさとなるため、同じく腸の動きを活発にする働きがあります。またどちらのビタミンも、腸の動きを調整する自律神経にも働きかけるので、便秘によいビタミンとされています。

食物繊維は2種類あり、水溶性食物繊維は保水性が高く、便を軟らかくして、便通改善を促します。不溶性食物繊維は便のかさを増やし、有害物質を体外に排出する働きがあると同時に腸壁を刺激して蠕動運動を促進します。けいれん性の便秘の場合には腸への刺激が強いため、不溶性食物繊維は避け、水溶性食物繊維を取るようにしましょう。

腸内には100種類以上の腸内細菌がいて、善玉菌の乳酸菌には整腸作用があり、腸の蠕動運動を促して便秘の予防、解消に効果的です。ヨーグルトやチーズといった発酵食品に多く含まれているので、積極的に取りましょう。バナナや根菜に含まれるオリゴ糖や牛乳に含まれる乳糖は乳酸菌のえさになります。こちらも併せて取るとよいでしょう。

健康管理士からのワンポイント
『腸内細菌ってどんなものがあるの??』

栄養素が豊富なことから、人の体の中で一番多くの細菌が生息するのが腸内です。
腸内細菌は一人一人、また同じ人でも食生活などの生活習慣や年齢とともに変化します。細菌は栄養素の吸収を助ける乳酸菌など身体にとってよいように働く善玉菌と、悪臭やがんなどの病気をもたらす悪玉菌がいて、一定のバランスを保って生息しています。

腸内細菌のバランスが悪玉菌優位になると腸内の腐敗が進み、がんをもたらす有害物質や悪臭を発生させ、病気を引き起こす原因となります。便秘のみならず病気を予防するためにも、食生活に気を付けて善玉菌を増やす必要があるのです。

水分は十分に取りましょう。便を軟らかくし、排便を促すには水分が欠かせません。朝一番に冷たい水や牛乳を飲むと、腸を刺激して便通を促します。ただし、けいれん性の便秘の場合には刺激となるため、常温で飲みましょう。

運動

運動不足は便秘の大敵。特に排便に大切な腹筋を鍛えることは、便秘の解消にとって重要なポイントです。運動を続けていると全身の血行がよくなるため、腸の動きも活発になります。また、腹式呼吸を行うことは、腹筋を鍛えるとともにリラックスの効果もあるため、ストレス解消にもよいと考えられています。

おすすめ健康レシピ

おすすめレシピ1
サツマイモとプルーンのレモン煮

サツマイモとプルーンのレモン煮

さつまいもやプルーンには、便の量を増やして腸の動きを活発にする食物繊維がたっぷり含まれています。さつまいもは腸内の善玉菌のえさになるビタミンCを豊富に含み、さらに加熱しても壊れにくい特徴を持っています。メープルシロップは果糖の割合が高く、低カロリー。ダイエット中のおやつにもぴったりです。

管理栄養士・健康管理士からアドバイス

さつまいもの旬は9~12月です。
さつまいもはペクチンやセルロースといった食物繊維がたっぷり。
焼いたり蒸したり、加熱すると甘味が増すのは、デンプンが分解されて糖になるため。自然の甘味でカロリーも抑えられ、便秘も解消できるヘルシースイーツです♪

材料(4人分) 分量
さつまいも 2本
ドライプルーン 5~6個
レモン果汁 大さじ2
メープルシロップ 大さじ2

作り方

  1. さつまいもは味がしみこみやすいように皮をところどころむいて、食べやすい大きさに切り、水にさらします
  2. 1.をさっとすすいで鍋にひたひたの水を入れ、軟らかくなるまで火を通します
  3. 2.にプルーンとレモン果汁、メープルシロップを入れ、プルーンが軟らかくなるまで煮ます
  4. そのまま熱を冷まして出来上がりです。お好みで温めて食べてください

おすすめレシピ2
セロリ・オクラの冷製豆乳スープ

セロリ・オクラの冷製豆乳スープ

のレシピは、火を使わず簡単に作ることのできる冷製スープなので暑い夏におすすめです!
今回はセロリ・オクラを使用していますが、旬の食材を使ってみると季節の味を楽しめます!
ぜひ試してみてください♪

管理栄養士・健康管理士からアドバイス

今回は、セロリ・オクラ・豆乳などを使ったレシピです。
食物繊維やビタミンCカリウムを豊富に含むセロリは、香りが良く味にアクセントを付けることができます。また他の野菜に比べて水溶性食物繊維の割合が比較的多く、不溶性・水溶性の両食物繊維をバランス良く摂れることから、便秘解消にはおすすめの野菜です。オクラなどのネバネバ食品は、腸の働きを活性化させて便秘解消に役立ちます。

材料(1人分) 分量
オクラ 5本
セロリ 1本
ミニトマト 6個
大葉 4枚
麺つゆ 20㎖
豆乳 200㎖

エネルギー(1人分):約80kcal

作り方

  1. オクラ・セロリ・ミニトマトを一口大に切り、大葉を細かく刻みます。
  2. 器に切った野菜、豆乳を入れ、麺つゆで味を調えたら完成です。

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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