排せつとは、代謝によって体内で不要になったものや有害な物質を体の外に排出することを言います。私たちの排せつ物には、尿や便のほか、汗や呼気などがあります。
尿 | 血液中に溶け込んでいた老廃物を輩出 |
便 | 食べ物の残りかすを輩出 |
汗 | 体内の熱や老廃物を毛穴から排出 |
呼気 | 呼吸によって体内の二酸化炭素を排出 |
今回は、主な排せつ物である便や尿についてみていきましょう。
水分のほとんどは小腸で吸収され、残りの水分と消化されなかった食物繊維が大腸へ送られます。水分は大腸で少しずつ吸収され、消化されなかった物はだんだん固形状になって直腸に入り、便として排せつされます。
栄養素は小腸でほぼ吸収されますが、食物繊維は人の消化酵素で分解できないため、大腸へ送られて便の主成分になります。大腸に消化酵素はありませんが、腸内細菌がいて一部の食物繊維を分解します。
タンパク質は一部未消化のまま大腸に送られ、腸内細菌によって分解されます。分解物質にはアンモニアなどの有害なものが多く、便やおならが臭くなります。また、十二指腸に分泌される胆汁の一部が大腸に送られ、排せつされます。
栄養素は体内で利用された後、余分な栄養素や老廃物が血液によって腎臓に運ばれます。腎臓では糸球体で血液中の物質や水をろ過します。ろ過されたものの99%は尿細管で再吸収され、残りが尿として排せつされます。取りすぎた水溶性ビタミンや不要になったミネラルも尿とともに排せつされます。
便が排せつされないと「便秘」や「大腸がん」、尿が排せつされないと「尿毒症」を引き起こすなどの問題が生じます。
排せつには、大腸や腎臓など体のさまざまな働きが関わっています。健康管理士受験対策講座では、栄養素のほか、体の仕組みや生活習慣病など健康に欠かせない知識を幅広く学ぶことができます。ぜひ勉強してみてください。