ビタミンDは脂溶性ビタミンの一種で、食事から摂取するほか、紫外線を浴びることにより体内で生成されています。
骨の形成に欠かせないカルシウムは、乳製品で40~50%と吸収率が低い栄養素です。ビタミンDには、腸管からのカルシウム吸収を促進する働きがあり、一緒に摂ることでカルシウムを効率よく吸収することができます。
侵入したウイルスなどの異物を貪食するマクロファージの働きを助けるほか、免疫細胞間の情報を伝達するサイトカインの分泌に影響を与えることで免疫細胞を活性化させたり、過剰な活性を抑えたりするといった免疫機能を調整する働きがあります。
日頃の意識で免疫力を高めよう ~免疫力を高めるための食生活~
筋肉組織の代謝を活性化し、タンパク質合成を刺激することで筋合成が促進されます。
ビタミンDの不足が筋肉量や筋力の低下に関連することが報告されており、日本人の食事摂取基準では、2020年版より18歳以上の男女ともに1日の目安量が5.5㎍から8.5㎍に引き上げられました。
鮭、ぶり、ちりめんじゃこ、きくらげ、干しシイタケ
食事摂取基準
1日の目安量 | 1日の許容上限量 | |
18歳以上(男女) | 8.5㎍ | 100㎍ |
※目安量は、適度に紫外線を浴びることで体内でビタミンDが作られることを考慮
ビタミンDは脂溶性ビタミンのため、過剰に摂取すると体内に蓄積されます。通常の食生活では心配ありませんが、サプリメントを大量に長期的に摂取することによって、高カルシウム血症や腎機能障害を起こす可能性があります。
食事からの摂取のほか、紫外線によって皮膚でも生成されるため、不足することは多くありません。しかし、血液中のカルシウム濃度が低下することで骨の石灰化が障害され、小児ではクル病、成人では骨軟化症が起こります。潜在的に不足すると骨粗しょう症や骨折のリスクも高まるため、注意が必要です。また、筋肉の合成が抑制されることでサルコペニアなどの筋力低下を引き起こすことがあります。
脂溶性ビタミンのため、油と一緒に摂取することで吸収率がアップします。
いかがでしたか。ビタミンDはエネルギーになることはありませんが、カルシウムなど、ほかの栄養素のはたらきをサポートする重要な役割を果たしています。高齢者は皮膚でのビタミンD生成能力が低下するほか、紫外線に当たる機会が少ない場合には、食事から摂取することが必要です。ビタミンDを多く含む食品を意識しながら、食生活を送れるといいですね。健康管理士受験対策講座では、栄養素自体のはたらきはもちろん、ほかの栄養素との関わりについても学ぶことが出来ます。ぜひ勉強してみてください。