紫外線から体を守る 「カロテノイド」

紫外線から体を守る 「カロテノイド」

カロテノイドは野菜や果物など動植物に含まれる黄色や赤色の天然色素のことで、油に溶けるという性質があります。
代表的なものに「βカロテン」や「リコピン」などがあり、健康維持のためにさまざまな働きをしています。

 

カロテノイドの種類

カロテノイドは、「カロテン類」と「キサントフィル類」の二種類に分けられます。

カロテン類 α-カロテン 緑黄色野菜(にんじん・かぼちゃ)
β-カロテン 緑黄色野菜(にんじん・ほうれん草・春菊・かぼちゃ・トマト)
γ-カロテン 緑黄色野菜(ほうれん草・トマト)
リコピン トマト・スイカ
キサントフィル類 カプサンチン 赤唐辛子・赤ピーマン
ルテイン ほうれん草・キャベツ・ブロッコリー
アスタキサンチン エビ、カニの殻・サケ・いくら
フコキサンチン 海藻類
クリプトキサンチン みかん・とうもろこし・柿

 

主な生理作用

抗酸化作用

抗酸化作用とは、活性酸素の発生や働きを抑制することをいいます。活性酸素は私たちの呼吸に必要な酸素から発生する物質で、必要以上に作られてしまうと疲労や老化の原因につながります。
カロテノイドは植物が紫外線による活性酸素から自らを守るために生成している抗酸化物質であり、私たちの体内においても同様の作用を発揮することで、生活習慣病や免疫機能の低下などから私たちの体を守ってくれています。

ストレス溜まってる?活性酸素による体への影響

肌のトラブルを防ぐ

肌のターンオーバーやヒアルロン酸・コラーゲンの合成を促進する働きがあるため、肌の潤いやハリ、弾力を生み出す効果が期待できます。また、目の粘膜である角膜の細胞の産生を促して傷を修復したりするなど、目のダメージの回復にも携わっています。

目のビタミン 「ビタミンA」

 

多く含む食べ物

緑黄色野菜、果物、エビ・カニなどの甲殻類 など

カロテノイドを多く含む食品

1日の推奨量(ほとんどの人が必要量を満たす1日の目安量) β-カロテン

男性 女性
18~29(歳) 850㎍ 650㎍
30~64(歳) 900㎍ 700㎍
65~74(歳) 850㎍ 700㎍

日本人の食事摂取基準(2020年版)

カロテノイドはプロビタミンAの一種であるため、ビタミンAを摂り過ぎた場合や不足した場合に生じる症状が起こることがあります。

摂り過ぎると

通常の食事では過剰摂取になることはありませんが、サプリメント等で過剰摂取した場合には、頭痛や吐き気、めまい等が引き起こされる可能性があります。また、柑皮症(皮膚が黄色くなる)を招くことがありますが、健康への影響はありません。

不足すると

夜盲症(薄暗いところで物が見にくくなる)や皮膚や粘膜の乾燥が起こることがあります。

カロテノイドを効率よく摂取するために

油に溶ける性質があるため、炒めるなど油と一緒に摂ったり、ゴマやアーモンドなどの種実類と一緒に摂ったりすると、効率よく摂取することができます。

 

いかがでしたか。脂溶性ビタミンは「油」と相性がよいことなど、栄養素の特徴を理解しておくと効率よく摂取することができます。健康管理士一般指導員の通信講座では、各栄養素の特徴についても学ぶことができます。興味がありましたらぜひ勉強してみてください。

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著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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