モリブデンは微量ミネラルの一種で体内にごく微量に、主に肝臓や腎臓に多く存在しています。
酵素や補酵素として体内で様々な代謝に関わっていますが、体内で作り出すことができないため、食事から摂取する必要があります。
酵素の働きを助け、糖質や脂質の代謝に重要な役割を果たす。
痛風の原因となるプリン体を分解して尿酸をつくる。尿酸は、最終老廃物として尿とともに体外へ排泄される。
血液を作るために必要な鉄が不足すると、肝臓に蓄えられている鉄の運搬を助け、鉄分の働きを高めて造血を促す。
大豆、内臓類(レバー)、小麦胚芽、グリンピース、豆類、種実類、納豆、玄米、落花生 など
1日の推奨量(ほとんどの人が必要量を満たす1日の目安量)
男性 | 女性 | |
18~64歳 | 30㎍ | 25㎍ |
日本人の食事摂取基準(2020年版)
尿とともに排泄されるため、過剰症になる心配はありません。ただし、人工透析を受けているなど、腎機能が低下している場合には注意が必要です。
また、モリブデンは銅と拮抗する(お互いの効果を打ち消し合う)ため、多量に摂取すると銅の代謝に影響を及ぼし、銅欠乏を引き起こすことがあります。
そのほか、過剰に摂取することで、下痢(胃腸障害)、関節痛などの症状が起こることがあります。
穀物や豆類に多く含まれるため、日本人の通常の食生活では不足することはありません。モリブデンを含まない静脈栄養療法を長期間行った場合には、不足する可能性があるため注意が必要です。
不足した場合には、貧血、疲労、頻脈、多呼吸、夜盲症、尿酸代謝障害などの症状が起こることがあります。
いかがでしたか。モリブデンは微量なミネラルではありますが、健康を維持するために重要な働きをしています。
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