離乳完了後の幼児は、消化機能が未熟であり、摂取量も少ないため、発育に応じて食品の選び方や調理法を考慮して与えることが必要です。
幼児期(1~5歳)の目標は、限定された食品や薄味で軟らかい形態から、次第に食品数や硬さを増すとともに味付けを変え、成人食に近い食事形態にまで達成させることです。
乳児に比べて、緩慢化するものの基礎代謝が高く成長発育が旺盛で、体重1kg当たりの幼児が必要とするエネルギー量や各栄養素量は成人に比べてかなり多くなります。
骨格、歯の成長に必要なカルシウムやその吸収を助けるビタミンD、体タンパク質の合成を促す良質のタンパク質、細菌に対する抵抗力をつけるためのビタミンA、鉄などは特に気を付けて不足しないように取らせてあげることが大切です。また、1日3回の食事だけでは必要量が満たせないので、間食が必要となります。
1歳を過ぎると、手指の微細運動が目覚しく発達するため、食物を自分で持って食べることに興味を示します。
手づかみ食べも止めずに、させてあげる方が望ましいです。その後、次第にスプーンやフォークの使用が可能になるので、それぞれの発達状況に応じた調理法と食事の食べさせ方に気を付けましょう。
幼児期には、与える食品の偏りや食物の味、食事の強制、食物アレルギーなど、身体的・心理的要因の影響を受けて偏食、食欲不振が起こりやすくなります。自我の発達により、好き嫌いを示すようにもなります。
嫌いな食物は好きな食物に少しずつ混ぜて少量ずつ与えたり、おなかが減るように間食の量を減らしたり、運動させるなどの工夫をしましょう
アレルギーの反応と関連して、皮膚に炎症を起こすことをアトピー性皮膚炎といいます。アレルギー反応を起こす原因物質のことをアレルゲンといい、特定の食品、ダニやほこり、動物の毛などが挙げられますが、食事や授乳(母乳も含む)の後に皮膚が赤くなったり、湿疹がなかなか治らなかったり、かゆがる場合には、食物アレルギー症状の疑いがあります。
食物アレルギーの場合、アレルゲンを含む食品を控える必要があります。食品によって違いがあるものの、すべての食品においてアレルゲンとなる可能性はあります。アレルゲンになりやすいものとして、乳・乳製品、卵・卵製品、穀物・種実類・魚介類・肉類・果物・野菜などがあり、特にアレルゲンになりやすい食品に対して、食品衛生法により表示が義務付けられたり、奨励されています。
種類 | 主な食品 |
表示の義務があるもの(特定原材料7品目) | えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ) |
表示が推奨されているもの(特定原材料に準ずるもの21品目) | アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフ ルーツ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつ たけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン |