かぜにおすすめのレシピ

かぜにおすすめのレシピ

かぜってどういうもの?

一般的な「かぜ」とは、正式には「かぜ症候群」といい、病名ではありません。
鼻腔、咽頭、喉頭が炎症を起こすさまざまな症状を総称したものです。人類が最もよくかかる病気で、一年間に子供では約7回、大人では約4回かかるといわれています。

どんな症状があるの?

かぜ症候群の主な症状として、

  • 鼻汁
  • 鼻づまり
  • のどの痛み
  • 声枯れ

などの呼吸器系の症状が主にでます。

  • 発熱
  • 頭痛
  • 体のだるさ
  • 寒気
  • 筋肉痛
  • 食欲低下
  • 胃腸炎

などの全身症状がでる場合もあります。

インフルエンザの場合は一般的なかぜとは異なり、40℃前後の高熱と全身症状に続いて呼吸器系の症状が現れ、肺炎を引き起こすなど重症化しやすいので注意が必要です。

かぜ症候群の原因は?

かぜ症候群の原因には、ウイルスや細菌、化学物質などがありますが、ほとんどの場合はウイルスによって引き起こされます。
ウイルスは人から人に感染して、はじめて症状を引き起こします。
以前から住み着いていたウイルスが寒さや疲労によって暴れだすということではありません。
原因のウイルスは約200種類以上あるといわれています。

かぜを引き起こす主なウイルス

  • パラインフルエンザウイルス
  • RSウイルス
  • アデノウイルス
  • ライノウイルス
  • コロナウイルス
  • エンテロウイルス
  • コクサッキーウイルス
  • レオウイルス

など

かぜの感染経路は、病原体が手や体からの直接接触により体内に入り、鼻、のど、気管支の粘膜細胞の中で増殖し感染します。
また、インフルエンザの感染経路は、一般的なかぜと異なり、咳やくしゃみ、会話などから病原体を含むしぶきが約1m~2mの距離を飛散し、空中に浮いた小さな飛沫を気管支の奥に吸い込み感染します。

健康管理士からのワンポイント
『なぜ人は何度もかぜをひくのか?』

かぜの原因のウイルスにはその種類ごとに、さまざまな血清を持った多くのタイプがあります。
ウイルスが人の体内に入った場合、それを見分け、記憶し、次に同じウイルスが入ってきたら追い出そうとするのが『免疫』という働きです。
その免疫の仕組みがウイルスを見分けるときに目印にするのが血清型なのです。

  1. しかし、ライノウイルスの様にしっかりした免疫ができるウイルスは100種類以上の異なった血清型を持っています。
    つまり、100回以上の違った血清型のウイルスにかからないと免疫ができないということになります。
  2. 一方で、RSウイルスの様に血清型の少ないウイルスは、免疫のでき方が弱いために一度かかってもしっかりとした免疫ができず繰り返し感染します。
  3. また、インフルエンザA型ウイルスの様に何十年かに一度変異をし、免疫のないウイルスになって世界的流行するものもあります。

これらの3つの理由により人は何度もかぜをひいてしまうのです。

どうしたら予防・対策ができるの?

かぜの主な原因はウイルスです。まずは、ウイルスが体内に入るのを防ぎ、ウイルスに対する抵抗力を強めることが予防の基本となります。
日頃から不摂生や過労を避け、十分な睡眠と栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。

食事

基礎体力をつけて抵抗力を高めるタンパク質、免疫力を高めるビタミンC・ビタミンE、のどや鼻の粘膜を保護するビタミンAを積極的にとりましょう。

片頭痛を予防する栄養素
栄養素 作用 主な食材
ビタミンA 胃腸や口、鼻の粘膜を正常化し、免疫機能を維持する
皮膚の健康を保ち、病原体の侵入を防ぐ
鶏レバー、豚レバー、あんこうの肝、うなぎ、にんじん、ほうれん草、小松菜、大根の葉、春菊
ビタミンC 免疫細胞の活性化
皮膚のコラーゲンの強度を保ち病原体の侵入を抑える
ブロッコリー、アセロラ、カリフラワー、赤ピーマン、大根の葉、小松菜、柿、レモン、オレンジ、イチゴ
ビタミンE 免疫細胞を直接活性化する かぼちゃ、大根の葉、モロヘイヤ、ほうれん草、ブロッコリー、赤ピーマン、大豆、うなぎ、アボカド
タンパク質 筋肉や臓器など体を構成する
酵素・ホルモン・免疫抗体などの原料になる
牛肉、鶏肉、豚肉、マグロ赤身、カツオ、大豆、豆腐、卵、牛乳

ビタミンAは、目、口、鼻、のど、消化管、皮膚などの上皮細胞の分化に必要な栄養で、粘膜や皮膚を健康に保つために欠かせないものです。
不足するとバリアーが弱くなり、病原体が侵入しやすい状態になります。
ビタミンCは、細胞と細胞をつなぐコラーゲンの生成に関わっており、不足すると、病原体が侵入しやすくなります。
強力な抗酸化作用を持ち、ビタミンEを再生させる働きもします。
また、免疫機能では、免疫細胞の働きを強化します。
ビタミンEは、活性酸素によって細胞膜の不飽和脂肪酸が酸化し、細胞が壊されるのを防ぐ抗酸化の働きをします。
あらゆる細胞を酸化による破壊から守るだけでなく、ビタミンAやホルモン、必須アミノ酸などの栄養素も酸化から守ります。
タンパク質は、合成されて筋肉や、血液、内臓などの体の組織になるほか、ホルモンや酵素、抗体、神経伝達物質などの材料になり体の機能を維持する働きがあります。
タンパク質が不足すると、人体を構成するタンパク質が分解されて不足分を補うために体力や免疫力が低下してしまいますので注意が必要です。

食事以外の予防方法

食事以外に考えられる予防方法をまとめておきます。

手洗い

かぜの感染経路は手などからの接触感染でうつります。
せっけんをよく泡立ててウイルスや菌を流水でよく洗い流します。
清潔なタオルやペーパータオルなどできれいに手を拭きよく乾かします。
手がぬれたままだと残ったウイルスや菌が付着したまま生存し続けるので注意が必要です。

うがい

のどは、空気や食物の通り道なので、常に清潔にし炎症などが起こらないように粘膜の状態を整えておく必要があります。
うがいをすることにより、口の中やのどの洗浄、痰を除去しやすくする、のどの粘膜の自浄作用の促進などの効果が期待できます。

睡眠

睡眠不足などで不規則な生活を続けていると、体の疲れが取れず、抵抗力が下がります。
十分に睡眠を取り、規則正しい生活を送ることが重要です。

リラックス

精神的なストレスで抵抗力が下がります。
なるべく休養をとるように心がけましょう。

保温

体温が下がると抵抗力も下がります。衣類や室温に気を配り、快適な温度に保てるように工夫しましょう。

保湿

粘膜は粘液によって守られおり、水分が不足して乾燥すると大変もろく、病原体が侵入しやすくなります。
冬は室内も屋外も乾燥しやすいので、部屋の換気をこまめにし、湿度を高くします。
また、屋外ではマスクをするなどして鼻やのどを保護することも効果的です。

おすすめ健康レシピ

ブロッコリーのクリームスープ

ブロッコリーのクリームスープ

ビタミンCの多いブロッコリー、ビタミンAの多いにんじん、タンパク質は牛乳を使って、ポカポカ体が温まる具沢山スープが冷蔵庫にある材料で簡単に作れます。
ブロッコリーが苦手なお子さんもこのスープならおいしく食べられるかも!

管理栄養士・健康管理士からアドバイス

ブロッコリーは一年を通して安定して流通していますが、本来の旬は11月~3月の冬の時期です。
他の野菜と比較して、ビタミンCの含有量が多く、生のブロッコリーでは100g中に120mgも含まれています。
しかし、ビタミンCは水溶性なので茹でると茹で汁に流出してしまいます。ポイントとしては、塩を少量加えた熱湯から短時間で茹でると、ビタミンCの損失を最低限にできます。また、電子レンジでの加熱や、蒸すなどの調理方法でもビタミンCの損失を防ぐことができます。

材料(4人分) 分量
ブロッコリー 120g
にんじん 80g
玉ねぎ 120g
じゃがいも 150g
スライスハム 4枚
牛乳 600ml
コンソメ 2個
小麦粉 大さじ2
塩・こしょう 適宜
サラダ油 大さじ1

作り方

  1. にんじん・じゃがいも・玉ねぎ・ハムは、小さめのさいの目切りにする。ブロッコリーは小房に分けて、塩1つまみ入れたお湯で下茹でする。
  2. 玉ねぎ・ハムをサラダ油で炒める。火が通ったら小麦粉を加えまんべんなく混ぜながら炒める。小麦粉が全体に混ざったら、牛乳を2~3回に分けて加える。
  3. 2に、にんじん、じゃがいも、コンソメを加え火が通るまで煮る。
  4. 火が通ったらブロッコリーを加え、吹きこぼれないように注意してかき混ぜる。
  5. 最後に塩・こしょうで味を整えて出来上がり。

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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