おせち(御節)料理とは、節日(季節の変わり目に行うお祝いの日)に食べられる料理のことをいいます。節日の中でも特に重要なのが正月であることから、正月に食べられるものをおせち料理と呼ぶようになりました。その歴史は古く、平安時代から続いているとも言われ、神様に感謝を捧げるための供物として始まりました。
おせち料理は保存が効くように工夫されており、正月の三が日を台所仕事から解放されることにより、家族全員がゆっくりと新年を迎えることができます。そのため、日本では「家族や親しい人たちと新年を祝う料理」として親しまれています。
おせち料理は「祝い肴」「口取り」「焼き物」「酢の物」「煮物」の5種類で構成されています。
おせち料理は、一般的に重箱に詰められ「幸せを重ねる」という意味が込められています。
五段重 | 四段重 | 三段重 | |
一の重 | 「祝い肴」 | 「祝い肴」「口取り」 | 「祝い肴」「口取り」 |
二の重 | 「口取り」「酢の物」 | 「焼き物」 | 「酢の物」「焼き物」 |
三の重 | 「焼き物」 | 「酢の物」 | 「煮物」 |
四の重 | 「煮物」 | 「煮物」 | ― |
五の重 | 空(から)にしておく | ― | ― |
※五段重の五の重は、福を詰めるため、空(から)にしておきます
おせち料理は、豊作や家庭の繁栄、健康を祈るために作られ、それぞれの食材には込められた意味や健康効果があります。
食材 | 意味 | 健康効果 |
黒豆 | まめ(丈夫・勤勉)に働き、まめに生きる | ・タンパク質やビタミンB群が豊富 ・抗酸化作用 |
数の子 | 子孫繁栄 | ・オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)を含む ・心臓や脳の健康に寄与 |
田作り | 豊作 | ・カルシウムが豊富 ・骨の健康をサポート |
昆布巻き | 喜ぶ | ・食物繊維やミネラルを含む ・消化を助ける効果 |
栗きんとん | 金運 | ・ビタミンCや食物繊維が豊富 ・免疫力の向上、便通を良くする効果 |
紅白なます | 平和と調和 | ・ビタミンAやビタミンCが豊富 ・免疫力を高め、肌の健康を保つ効果 |
一般的なおせちの品数は20~30種類あります。多くの食材が使用されていることで、さまざまな栄養素をバランスよく摂取することができます。
黒豆や田作りは、煮詰めて甘く仕上げることで、昆布巻きや数の子は、塩漬けや酢漬けにすることで、保存性が高まります。
12月の中旬から食材の準備等を始め、黒豆や田作りなど冷蔵保存できるものは、食べる2~3日前から調理しておくとよいでしょう。生鮮品は、年末ギリギリに用意することで、品質を保ちながら効率的に準備を進めることができます。
おせち料理の中には、手軽に作れるものもあります。例えば、紅白なますは、大根と人参をスライサーなどで細くスライスし、塩をふって水分を出し、水気をよく絞ってお酢と砂糖を混ぜ合わせれば完成します。また、田作りも、小魚をフライパンで炒り、砂糖、醤油、みりんで味付けする事で作ることができます。忙しい人や初めて作る人向けにアレンジされた簡単で時短なレシピもたくさんありますので、気軽に作ってみてくださいね!
おせち料理には数多くの食材が使用されており、バランスが良く栄養素を摂取することができます。適度な量を摂取することで健康維持に役立ちますが、塩分や糖分が高いものも含まれているため、食べ過ぎには注意が必要です。
健康管理士受験対策講座では、食材に含まれる栄養素についての知識や、塩分(ナトリウム)の吸収を抑制する食事法など生活習慣のポイントについて学ぶことができます。興味がありましたら、ぜひ勉強してみてください。