食生活が飽食ともいわれるほど豊かなものになってきている中で、食べ残しや賞味期限切れに伴う廃棄が食品産業、家庭で発生しています。
食品廃棄というと、食品産業での廃棄が想像されがちですが、実は家庭から廃棄される量も多いのです。家庭からの食品廃棄としては、調理して食べ残した食材、冷蔵庫に入れたまま期限切れになった食品、口に合わなかった食品などがあります。他には、野菜などの皮を厚くむき過ぎるとか、肉の脂分のように、利用できるけれど調理せずに取り除いてしまうなどといった調理中に捨てられる食材もあります。家庭での食品廃棄は、1年間に1人約20kgにもなります。 ごはんを毎食おいしく残さず食べきれば、なんと250万t以上のゴミが減らせます。さらに、そのゴミを燃やすエネルギー、その時に出される二酸化炭素も減らすことができます。
また、油汚れは水を汚す大敵です。マヨネーズ大さじ1杯をそのまま流すと、魚が住める位きれいな水にするためには、浴槽300ℓで13杯も水が必要になります。大切な水を無駄にしないためにも、残さずきれいに食べましょう。
こういった汚れを減らすのに一番良いのが、汚れをふき取ることです。鍋や皿の汚れを小さく切った古布などでふき取るだけで、汚れの80%、水も30%減らすことができます。あくまでも捨てるものでふき取るのがポイントです。
家族で食べる時間がバラバラだったり、違うメニューを食べる事が増えていますが、バラバラに食べると、その都度調理したり、温めなおしたりする手間が増える他、洗い物の回数も増えてしまいます。その結果、エネルギー使用の増加や資源の無駄遣いにつながります。
みんなが同じメニューなら調理時の消費エネルギーの削減にも、また料理する人の労力削減にもつながります。残業で外食したりする際は、早めに連絡すれば無駄がなくなりますので、そのように心掛けましょう。
家族間のコミュニケーションも日々の節約に必要です。
ペットボトルの樹脂生産量は年々増加しています。当初はほとんどの自治体で不燃ゴミとして埋め立てていましたが、収集・埋立コストが膨大になることなどから、今ではペットボトルも法的なリサイクルの対象となっています。
リサイクルされて、Yシャツやフリース、卵パックなどに生まれ変わっているのですが、運搬費用・分別費用などもかなりかかります。ペットボトルの利用を極力減らすために、マイボトルやマイ水筒を持ちましょう。
マイボトルを持って行くとドリンクが割引きになるお店もありますので、探してみましょう。
弁当を持参することは、節約になるのはもちろん、残り物の活用、容器は洗って使うのでゴミを減らすことができます。
お弁当グッズにも便利で環境に優しい商品が登場しています。例えば、おかずを仕切るのに使う小容器のシリコン製カップは洗って何度も使うことができますし、容器に入れて冷凍したおかずを電子レンジで解凍してそのままお弁当に入れることができます。シリコンは柔らかい素材なので弁当箱の形に沿ってしなり、使い勝手は従来のアルミカップと変わりません。
食事時に欠かせないドリンクも、マイボトルやマイ水筒を持参することをおすすめします。ドリンク代が節約できるのはもちろん、ペットボトルなどのゴミの減量に貢献できます。
安売りの時に買い過ぎてしまった食材や、つくり過ぎてしまった料理は冷凍庫で保存しておけば、翌日以降もおいしく食べられます。お肉は使う分ずつフリーザーパックなどの再利用可能な容器に小分けし、冷凍庫で保存しておくと、いざという時に助かります。野菜も冷凍保存できる物があり、シイタケは冷凍するとうまみ成分が増します。
また、忙しい人は冷凍庫をフル活用すると普段の食事にいかせます。例えば、きんぴらごぼうや切り干し大根の煮物などの煮物系は、大体のものが冷凍してもまた美味しく食べることができます。
メインの料理だと、豚肉のしょうが焼きやチキンの照り焼き、揚げ物、成形だけしたハンバーグのタネ等も冷凍保存できます。
使う時は、朝冷凍庫から出しておけば、夕方には自然解凍されており、レンジ解凍は必要ありませんし、下ごしらえは済んでいる為、調理のみですぐ食卓へ出せるので、時短にもなりますよ。
作りすぎたり、残ってしまった料理を別の料理にすることで、翌日もおいしく食べられます。例えば、残ったひじきの煮物を、お米と一緒に炊飯器で炊けば、見た目も豪華な栄養たっぷり、ひじきご飯のでき上がりです。ごはん以外にも、ひじきのだしまき卵や、ひじきサラダ、なんて料理も作れますよ。
他には、肉じゃがをコロッケやグラタンにしたり、かぼちゃの煮つけをパンプキンライスコロッケやかぼちゃのケーキにしたりと、アレンジレシピはたくさんあります。
1つのおかずを、別のおかずにリフォームするという発想をもつと、普段の食卓がより楽しくなります。