甘いだけではない! 美容や健康によい ”ローチョコレート” の魅力とは?

甘いだけではない! 美容や健康によい ”ローチョコレート” の魅力とは?

2月14日のバレンタインデーは毎年、雑誌などで特集が組まれるほど盛り上がります。

今回は、甘くておいしいだけではなく、美容や健康によい魔法のようなチョコレートともいわれる“ローチョコレート”の魅力についてご紹介します♪

甘いチョコレート

ローチョコレートとは?

ローチョコレートとは、簡潔に説明すると英語の「ロー(Raw)」、つまり直訳すると“加熱されていないチョコレート”という意味になります。実際には、原材料を48℃以下の低温で処理、あるいは天日干しでゆっくりと乾燥させたカカオ豆から作られたもののことをいいます。

また、出来上がるまでの全工程を48℃以上の熱をかけずに作ることで、ビタミン、ミネラル、酵素や食物繊維などカカオ豆に含まれる栄養素をあますことなく摂取することができます。

通常、チョコレートはカカオ豆を発酵させた後、香ばしさなどを引き出すために100℃以上の高温で焙煎して作るのが一般的です。そのため、熱に弱いデリケートな栄養成分は失われやすくなります。

普通のチョコレートとどこが違うの?

普通のチョコレートとの違いは、先ほど記述した加熱処理のほか原材料にあります。通常、チョコレートはカカオに白砂糖やカカオバター、粉乳などを加え練って固めるのが定番の製法です。

一方で、ローチョコレートは体に負担のかかりにくいシンプルな材料で、極力、白砂糖や粉乳、また、香料や保存料といった食品添加物は使用せずにつくられるのが特徴です。

例えば、甘みには低GIの天然甘味料であるメイプルシロップやアガベシロップなどが使用されることが多いです。そのため、白砂糖に比べるとミネラルやビタミンが多く含まれるため、糖質控えめの上品な味わいとなり、糖分が気になる方や健康や美容を気遣う方にもおすすめです。メイプルシロップ、アガベシロップ

ローチョコレートだからこそ、摂りやすい栄養成分!

抗酸化物質が豊富

ローカカオには、カカオポリフェノールやカテキン、エピカテキンなど抗酸化物質が多く含まれていることが特徴です。

「ポリフェノール」と聞くとワインやブルーベリーがすぐに思い浮かぶかもしれませんが、それよりも多くの抗酸化物質が含まれています。そのため、「アンチエイジング効果」が期待されます♪

ビタミン・ミネラルが豊富

抗酸化力の非常に強い作用を持つビタミンEや鉄分、マグネシウム、亜鉛などが豊富に含まれます。鉄分は、赤血球のもととなるため貧血予防や冷え性対策につながります。

ビタミンB群や亜鉛は、タンパク質やホルモンの合成、造血作用、さらに肌のターンオーバーも助けてくれる栄養素です。

生きたままの酵素

酵素は、特性も様々ですが50℃以上なると働きが失われるものがあります。そのため、48℃以下で加工されたローチョコレートでは、酵素がほぼ失われません。酵素の働きは、血液循環を促し、栄養素をスムーズに吸収されるのを助けます。

その結果、代謝UPにも繋がるため、お肌の新陳代謝も促されやすくなります。

<抗酸化物質と活性酸素>

抗酸化物質は、果物や野菜の皮などに多く含まれる栄養素で、全身の血管やお肌の細胞などが老化するのを防ぐ助けとなります。

老化の大きな原因には「酸化」があります。

酸化と聞くと少し難しく感じるかもしれませんが、りんごをイメージしてみて下さい。りんごを切ってしばらく置いておくと、茶色に変色してしまいます。それと似たような現象が私たちの体内で起きています。

リンゴの酸化

酸化には様々な要因が考えられますが、体内で発生する過剰な活性酸素が大きく関係しているといわれています。

活性酸素とは、私たちの体をウイルスや細菌などから強い酸化力によって守ってくれる働きがあります。

しかし、ストレスや喫煙、お酒の飲みすぎ、激しすぎる運動や紫外線などによって活性酸素が過剰に発生してしまうので注意が必要です。過剰な活性酸素は、肌荒れや動脈硬化など細胞の老化、がんなどの生活習慣病を引き起こす要因となるといわれています。

この時に重要な役割を果たしているのが「抗酸化物質」の存在です。抗酸化物質には、活性酸素を消去する働きがあります。

しかし、ひとつの抗酸化物質が全ての活性酸素を除去できるわけではないため、様々な抗酸化物質を組み合わせて取り入れることが重要となります。

 

カカオは ”神様の食べ物”

ココアやチョコレートの原料であるカカオは、その栄養価の高さから貴重な食べ物とされていました。神様の食べ物といわれる理由と由来についてご紹介します♪

今では比較的簡単に手に入るようになったカカオですが、歴史をさかのぼると「貨幣」として利用されるほど高価で貴重だったため、王様や貴族の間で愛されている特別な食べ物だったといわれています。

また、カカオの樹の学術名は「テオブロマ・カカオ」といいます。このテオブロマというのはギリシャ語で“神様の食べ物”という意味があり、その栄養価の高さからも貴重な食べ物といわれていたと考えられます。

カカオ

 

カカオに含まれる素晴らしい栄養成分をあますことなく摂れ、甘くておいしいだけではない‟ローチョコレート”の魅力は伝わったでしょうか?

こんな魅力たっぷりのローチョコレートなのですが、実はチョコレート専門店などで取り扱われていることが多く値段はお高めです。

「ホッと一息つきたい」「甘いもので癒されたい!」そんな時に、せっかく選ぶなら健康や美容に嬉しいものがいいですね。これからの選択肢のひとつに取り入れてみてはいかがでしょうか?

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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