はちみつはお好きですか?独特の香りと甘さで幸福感を与えてくれるはちみつ。
実は、1匹のミツバチが一生をかけて集める量はティースプーン1杯程度と言われています。最近では、はちみつ専門店もいくつかあり、自宅用だけでなく、贈り物などにも人気を集めています。貴重なはちみつを上手に食事に取り入れてみませんか?今回は、意外と知らないはちみつのことをご紹介します。
はちみつの色や味は、蜜源になる植物の違いによって異なります。わずかながら含まれるビタミンやミネラルも変わってきます。一般的に、色の濃いものの方がミネラルを多くい含んでいるといわれています。代表的なものをいくつか見てみましょう。
日本を代表するはちみつのひとつです。癖がなく上品な甘味があります。
果糖が多く、冬でも結晶化しにくいため、使用しやすいです。他のはちみつにくらべ低GI食品と言われています。
ニュ―ジーランドにしか自生しない木の花が蜜源です。口内や胃腸の調子を整えるといわれています。
世界的に見ると最もたくさん生産されています。結晶化しやすいですが、フローラルの上品な香りが特徴的です。
フランスでは高級はちみつとして有名です。色が濃く、ミネラルが他のはちみつより多く含まれています。
さわやかでフルーティーな味わいです。ほのかな酸味もあります。
【はちみつ100gあたり】
エネルギー:329kcal
炭水化物81.9g
タンパク質:0.3g
脂質:0g
※日本食品標準成分表2020年版(八訂)
はちみつの主成分は果糖とブドウ糖になります。そのため、私たちのエネルギー源として大変役立つ食品です。はちみつの糖は、ミツバチの酵素によって果糖とブドウ糖がばらばらに分かれて存在しています。このような場合は、温度により甘味度が変わったり、メイラード反応やカラメル化が起こったりしやすいため、焼き目をつけるような調理に向いています。上白糖も果糖とブドウ糖がはちみつと同様に分かれて存在しています。一方、グラニュー糖の主成分も果糖とブドウ糖ですが、果糖とブドウ糖がくっついていて存在しています。そのため、焼き色がつきにくく、焼き色を強調しないケーキや焼き菓子、清涼飲料水、キャンディーなどに使用されています。
はちみつには、ビタミンやミネラルが豊富といわれていますが、実際にはビタミンB₂やカルシウム、鉄が微量しか含まれておらず、糖質以外の栄養素の補給には向いていません。
しかし、上白糖は100gあたり391kcalのため、上白糖の代替としてはちみつを使用することは、少々エネルギーを抑えることができます。使用量の目安は、砂糖の約半分です。砂糖大さじ1が約9gに対し、はちみつは大さじ1で約21gあります。ですから、大さじ1の砂糖をそのまま大さじ1のはちみつに代えてしまうと、エネルギーが逆に増えてしまいます。はちみつの使用料の目安は「砂糖の半分」と覚えておきましょう。
1歳未満の赤ちゃんには、はちみつを与えてはいけません。自然界にはボツリヌス菌という細菌がいたるところに存在し、はちみつは自然の花から採取するために、ごくまれにボツリヌス菌が混入している場合があります。赤ちゃんは腸内細菌が少なく、ボツリヌス菌が増えて毒素を作ってしまうことがあります。大人の場合は、ボツリヌス菌が体内に入っても、他の腸内細菌に負けるため、問題になることはありません。このボツリヌス菌は、熱に強く、100度の温度で数分間加熱しても生き残ることがあります。そのため、1歳未満の赤ちゃんには与えてはいけません。
いかがでしたか?砂糖をはちみつに変えるとエネルギーを少々抑えることができます。また、さまざまな蜜源によって、味や香りが楽しめます。筆者が病院の管理栄養士時代に人気メニューだったのが「さわらのはちみつ照り焼き」です。砂糖の代わりにはちみつにすることで、コクとテリが際立つまろやかな照り焼きになりますよ!ぜひ、お試しください♪