近年、食とテクノロジーを掛け合わせた「フードテック」という技術が、世界的に深刻化する食糧問題を解決するのではないかと日本でも注目を集めています。
そして、日本の伝統的な食文化にもその可能性を秘めていると考えられています。今回は、日本古来の伝統技術である乾物とフードテックの関係についてご紹介します♪
フードテックとは、最新のテクノロジーを駆使することによって、全く新しい形で食品を開発したり、調理法を発見する技術のことです。
たとえば、近年の日本では健康意識の高まりや動物愛護、環境保護の考え方から大豆ミートなどの代替肉といった代替食品やグルテンフリー食材の技術開発などが挙げられます。
フードテックが注目されるのには、様々な理由が考えられます。中でも食糧問題や飢餓問題の解決に繋がるのではないかということから大きく脚光を浴びています。
具体的には、AI技術などにより無人でも効率的に農作物を安定して生産することが可能となることや、食材の長期保存技術によって、世界規模でみた食糧バランスを均等にできる可能性が大いに見込まれていることにあります。
この食糧バランスの均等とは、先進国ではフードロスの問題が進む一方で、食糧不足による飢餓に苦しむ国が存在するというアンバランスさを減らすということにあります。
私たちはテクノロジーと聞くと、最先端の技術ばかりに目が行きがちです。ところが、日本の食文化にこそ古くて新しい未来の食に繋がる可能性を秘めた伝統技術があるのです。
日本には、昔から保存食として各地で作られてきた「乾物」があります。乾物とは、食材の水分をカラカラになるまで抜き、細菌やカビなどの微生物の繁殖を抑え、長期保存をできるようにしたものです。代表的なものには、昆布やわかめ、海苔、ひじき、高野豆腐、干し椎茸などがあります。
こうした乾物には、長期保存が可能なことに加えて、乾燥によって栄養価やうまみ成分が増すことや凝縮する点というメリットがあります。
また、その物自体だけでなく戻し汁まで無駄なく使用できることから廃棄量の低下にも繋がり、環境面にも配慮することができるという点も魅力です。
乾物には先にご説明した魅力やメリットがある一方で、簡単で時短で手軽さが好まれる現代社会ではデメリットとして敬遠されてしまうこともあります。
それは、乾物は戻すのにかなりの時間を要する点です。しかしながら、乾物の持つ生のものにはないうまみや香りは、手間ひまやたくさんの時間をかけたからこそ生まれたものでもあります。
そのため、乾物を戻す『時間』を楽しむこともまた、魅力の一つとして考えることができるのではないでしょうか。
今回は高野豆腐を使った簡単スイーツアレンジレシピをご紹介します♪
材料名 | 分量 |
高野豆腐 | 3~4枚 |
有塩バター | 30g |
メープルシロップ(きび糖) | 60g(40g) |
チョコレート | 50g |
(事前準備)オーブンを160℃に設定し予熱しておく。
昔ながらの伝統的な食文化である乾物は、現在の食の問題の解決に繋がる可能性を秘めていることが分かったのではないでしょうか。
乾物は料理だけでなく、今回ご紹介したようなスイーツアレンジにも幅広く活用することができます。
古くて新しい食文化をあらためて深掘りすることで、その良さを最大限に引き出し、これからの食の未来に繋げるフードテックとして活用してみませんか?