寒さが本格的になってくると、暖かくしたお部屋とこたつで食べたくなるのは、キンキンに冷えたアイスや瑞々しい果汁たっぷりの旬を迎えたみかんと答える方も多いのではないでしょうか。
手軽にビタミンCが摂れる果物として、冬になると箱買いをするご家庭も少なくないのでは。
今回は、日本人が昔から食べている冬の味覚「みかん」について調べてみました。
元々はインドが原産とされ、中国を経由して日本にやってきたと言われています。
主に温暖な気候の地域で栽培されており、和歌山、愛媛、静岡での生産量が国内では群を抜いて多く、代表的なみかんの産地として有名になっています。
最近では、熊本や長崎、佐賀などの九州地方で独自のブランドみかんを生産し、出荷量を増やしているそう。
みかんの栄養素と聞くと、ビタミンCが真っ先に思い浮かぶ方も多いのでは?
ビタミンCはもちろんですが、実はβ-クリプトキサンチンとクエン酸も豊富に含まれているのです。
強い抗酸化力作用を持つβ-クリプトキサンチンは、血中濃度が高い人ほど肝機能障害や動脈効果などの生活習慣病リスクが低くなることが分かってきました。
とうがらしやパプリカなどにも含まれている栄養素で、必要な時にビタミンAに変換されて体内で使われます。
この栄養素を恒常的に摂取することで、病気の予防や抑制につながることが期待されています。
また、骨芽細胞を活性化することで、骨量を増やしてくれる働きもあり、骨粗鬆症の予防にもつながる女性にはうれしい成分です。
「みかん」を含む柑橘類と呼ばれるものは世界中で数多くの品種があります。
日本国内だけでも100種類を超える品種が栽培されており、その味や大きさ、見た目は本当に多種多様です。
今回は、その中でも人気があり、よく見かける品種3つをご紹介します。
みかんと言えばこれ!と言われるほど広く栽培され、流通している種類です。
名前に使われている「温州」は、柑橘類の産地として名高い中国の地名にあやかって名付けられたと言われています。
しかし、温州みかんの生まれは鹿児島県の長島地域です。中国から持ち帰った種からできた偶発実生とされており、日本国内で誕生した種無しの品種なのだそう。
「青島みかん」や「小原紅早生」など、産地によって様々なブランドみかんが生まれています。
「紀州」という名からもわかる通り、和歌山で古くから栽培されているみかんですが、元々は中国から熊本に渡った小みかんが、和歌山に伝わったとも言われています。
鹿児島県の桜島みかんも、この紀州みかんと同じ品種になるよう。
温州みかんが広がる以前より、栽培がされ、食べられていたそうです。
紀州みかんの特徴は、温州みかんに比べて実が少し小さく、種があること。
小粒ではありますが、その甘さは他の種類のみかんに比べても甘いのだそう。
「有田みかん」が代表的なブランドとして知られています。
温州みかんとオレンジを掛け合わせた、静岡県の清見潟周辺で1979年に生まれた品種です。
Tangerine(タンジェリン(みかん))とOrange(オレンジ)を掛け合わせたことを意味する、Tangore(タンゴール)種とも呼ばれます。
見た目と香りはオレンジに近く、味は温州みかんの味を受け継いでいるのだそう。
国産初のタンゴール種であり、この清見みかんに様々な品種を掛け合わせ、「せとか」や「不知火」などのさらなる新しく美味しい品種がいくつも生み出されています。
以上、みかんについてご紹介しました。
最近では、みかんを丸ごと入れた「みかん大福」や柑橘類と生クリームを味わうパフェ、ケーキなどの新しいお菓子が生みだされており、そのままでいただくだけではなく、さまざまな楽しみ方も生まれています。
また、甘くて美味しいみかんですが、そのほとんどが水分のためカロリーがそんなに高くないこともうれしいところ。
とはいえ、何事も食べ過ぎには注意ですが…。