ダイエットや筋トレの味方として、たびたび話題になる「オートミール」。しかし、なんとなく食べづらそうで手を出せない方も多いのでは?
そこで、今回はオートミールの種類や栄養素、おすすめの食べ方をご紹介します。
オートミールとは、オーツ麦(オート麦)というイネ科の穀類を、食べやすくまたは調理しやすく加工したものです。どう加工するかというと、オーツ麦を蒸したり、挽き割りにしたり、ローラーで平たく伸ばしたりします。オーツ麦は、殻の形が燕(つばめ)に似ていることから、燕麦(えんばく)とも呼ばれています。また、オーツ麦はもち麦や押し麦と混同されることもありますが、これらは大麦からつくられているので、全く別のものです。
オートミールは精製せず、外皮を残したまま加工するため、栄養が豊富で、ダイエットや筋トレに適した食事として注目されています。
オートミールは、オーツ麦の加工方法によって、種類が分かれています。それぞれ、調理方法や調理時間、食感などが異なるため、ご自身の用途にあったものを選んでくださいね。
オートミール初心者は、手間の少なさからクイックオーツかインスタントオーツがおすすめです。ただ、ダイエットや筋トレの効果を重視したい場合はロールドオーツ、よりハードに取り組みたい場合はスティールカットオーツが良いでしょう。
種類 | 製造方法 | 特徴 |
---|---|---|
スティールカットオーツ | 脱穀した麦を2~3つにカットしたもの | 生なので30分以上加熱してから食べる必要がある。弾力があり食感を楽しめる。 |
ロールドオーツ | 脱穀した麦を蒸したあと、ローラーで伸ばしたもの | 平べったいフレーク状の形をしており、歯ごたえがありしっかりした粒が特徴。数分の加熱ですぐに食べることができる |
クイックオーツ | ロールドオーツを細かく砕いたもの | 細かい粒で加熱をすればすぐに柔らかくなり調理しやすい。加熱なしでも食べられる |
インスタントオーツ | ロールドオーツを調理加工したもの | 味がついているので手軽だが、砂糖などがついており、エネルギー摂取量が増える。加熱なしでも食べられる |
オートミールはお米に比べて、炭水化物(糖質)とエネルギーが少ないため、ダイエットや筋トレに適しています。
下記の表は、オートミールとお米の栄養価を比較したものです。
栄養価は主に100g当たりで比べることが多いですが、実際の食事で摂取する量は1食当たりオートミールが30g、お米は茶碗に軽く一杯で150gです。100g当たりで比べてしまうと実際の摂取量とは差が生まれてしまうため、今回は1食分の量で比較します。
食品 | エネルギー | 炭水化物 | タンパク質 | 脂質 | 食物繊維総量 | 鉄分 | カルシウム |
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オートミール(30g) | 105kcal | 20.7g | 4.1g | 1.7g | 2.8g | 1.2mg | 14㎎ |
精白米めし(150g) | 234kcal | 55.7g | 3.8g | 0.5g | 2.3g | 0.2㎎ | 5㎎ |
玄米めし(150g) | 228kcal | 53.4g | 4.2g | 1.5g | 2.1g | 0.9㎎ | 11㎎ |
オートミールの特徴として、お米に比べ1食分の炭水化物(糖質)の量が低く、エネルギーが少ないためダイエットに向いていること。タンパク質や食物繊維が豊富であり満腹感を得られること、また、ミネラルが多く含まれていることも利点です。
オートミールは全粒穀物のため、食物繊維が豊富です。食物繊維は腸内で善玉菌のエサになるため、腸内環境が整い、便秘の改善が期待できます。
食物繊維は水溶性と不溶性の2つに分類されますが、2種類の食物繊維を「水溶性1:不溶性2」の割合で摂ると健康に良いとして推奨されています。しかし、食物繊維と聞いてイメージしやすい野菜などは主に不溶性で、穀物などに多く含まれる水溶性食物繊維は意外にも足りていない人が多いです。例えば、便秘に良いからと野菜をたくさん摂っても水溶性食物繊維が不足していると余計に便が硬くなり、便秘が悪化する可能性もあります。
オートミールは、2種類の食物繊維を、水溶性1:不溶性2の理想的なバランスで含んでいるため、水溶性食物繊維が不足している人や、割合など気にせず食物繊維を摂りたい人には特におすすめの食品です。一方で、オートミールを食べすぎると、食物繊維の摂りすぎによって消化不良を起こす可能性があるので、1食分の量(約30g)は守るようにしましょう。
オートミールは低GI食品です。GI(Glycemic Index)とは、食後血糖値の上がりやすさを表したもので、GI値が低いほど、血糖値が緩やかに上昇するため、肥満や糖尿病のリスクを減らせるといわれています。なぜオートミールはGI値が低いかというと、オートミールに含まれる水溶性食物繊維のβ-グルカンが、糖の吸収をおだやかにしてくれるため、血糖値の急上昇を抑えられるからです(ただし低GI食品はスティールカットオーツとロールドオーツのみで、クイックオーツとインスタントオーツは中GIに分類される)。そのほか、β-グルカンには血中コレステロールを排出する効果もあります。
オートミールには、鉄やカルシウムなどの不足しがちなミネラルが含まれていて、その量は玄米よりも多いです。また、糖質や脂質、タンパク質をエネルギーに変えるサポートをしてくれるビタミンB群も多く含まれています。そのため、ダイエット中で食事量を抑えている人などに特におすすめです。
オートミール1食分(約30g)と、オートミールが浸るくらいの水を鍋に入れて加熱して、ふやかしてお粥のように食べるのが基本の食べ方です。電子レンジを使えばもっと簡単につくることができます。水の代わりに牛乳や豆乳などを使用すると、まろやかになって美味しく召し上がることができます。
オートミールは簡単につくることが出来るため、忙しい朝や、一人暮らしで料理をするのが面倒な方にもピッタリです!ぜひ試してみてくださいね♪