コロナ禍でストレスが溜まり外出も禁止され、ついついお家で毎日晩酌…それ習慣になってきてはいませんか?
今回の食DO!では、正しいアルコールの知識を身に付けられるよう解説を行っていきます!
お酒との上手なお付き合いが出来るよう学んでいきましょう!
厚生労働省は「節度ある適度な飲酒」を、通常のアルコール代謝を有する日本人において、1日平均純アルコールで20g程度としています。
男性よりも肝臓が小さい女性や、肝機能が低下している高齢者は、アルコール代謝は低くなるため、20gよりも少ない量のほうが良いとされます。
また、生活習慣病のリスクを上げる純アルコール量は1日平均男性は40g、女性は20gで、アルコール依存症の予備軍や疑いがあるのは、1日約60gを超える多量飲酒としています。
摂取したアルコールは、消化されずにそのまま消化管内で飲酒量のほとんどが吸収されます。
そのうち約20%が胃で、約80%が小腸で吸収されます。飲酒後1~2時間程度で吸収されるため、アルコールは吸収スピードが速いのが特徴といえます。
そのため、空きっ腹に飲むと血中アルコール濃度が急上昇するため、食事をしながらゆっくりとお酒を飲むようにしましょう。
肝臓へ運ばれたアルコールは、肝臓を通過する間に2段階に分けて酵素によって分解されていきます。
まず、「アルコール脱水素酵素」がアルコールの主成分であるエタノールを分解し、アセトアルデヒドへ代謝します。アセトアルデヒドは非常に毒性の強い物質で顔が赤くなったり、吐き気や頭痛、動悸を起こす原因となります。
肝臓ではさらに、アセトアルデヒドを「アセトアルデヒド脱水素酵素」によって分解し、無害な酢酸へ代謝します。そして、他の臓器で炭酸ガスと水に分解され呼気や尿として体外へ排出されていきます。
お酒の強さは生まれつきの体質です。具体的には、アルコールの分解過程で上記に記載した「アセトアルデヒド脱水素酵素」の働きによります。
日本人の約1割はまったく働かない「非活性型」であり、どんなに訓練しても飲めるようにはなりません。そして、約3割は酵素がわずかに働く「低活性型」で訓練すれば顔が赤くなりながらも多少は飲めるようになります。しかし、アセトアルデヒドの分解能力が弱いため、肝臓などの臓器が害を受けやすいタイプです。
残りの約6割は、酵素がよく働く「活性型」で、アセトアルデヒドの分解能力が高いため、顔が赤くなったり不快な症状をあまり受けることなく飲み続けることができます。それだけに、飲み過ぎてしまい肝機能障害を起こしたり、アルコール依存症になってしまうリスクもあるため注意が必要です。
2021年3月厚生労働省は、消費者に摂取量を意識してもらうため、缶ビールやチューハイなどに含まれるアルコールについて容器にアルコール度数以外に、アルコールの含有量をグラム単位でも表示するように酒類業界に求める方針を決めました。酒類メーカーは、容器への表示やホームページでの記載を進めています。「節度ある適度な飲酒量=純アルコール20g」を意識して購入・飲酒するように心掛けましょう!
いかがでしたか?ストレスが多い毎日ではありますが、正しいアルコールの知識をもち上手にお酒と付き合っていきたいですね!