日本各地のスーパーで一年中手軽に手に入る「バナナ」。
身近な存在のバナナですが、その万能ぶりをご存じでしょうか。今回は、改めてバナナについてご紹介したいと思います。
主に炭水化物からなるバナナですが、甘みがあるからといってカロリーが高いわけではありません。バナナ1本(100g程度)のカロリーは86kcalなので、白米茶碗一杯分(150gほど)のカロリー約250kcalと比べても、半分程度にしかならないのです。
そして、次のようなさまざまな栄養素が含まれています。
カリウムは、ナトリウムを排出し、血圧を正常に保つ作用があり、むくみ解消にも役立ちます。カリウムはにんじんやごぼうにも多く含まれますが、茹でるなどの調理によって減ってしまうため、そのまま食べられるバナナはカリウムを摂りやすい食品です。
バナナに含まれる糖は、ブドウ糖、果糖、ショ糖、でんぷんなど、さまざまです。糖の種類によって体内でエネルギーに変わる速さが違うため、即効性と持続性をあわせ持つ優れたエネルギー源です。糖質(炭水化物から食物繊維を除いたもの)は比較的多めですが、食物繊維によって糖質の消化吸収速度が緩やかになるため、血糖値が急激に上昇することはなく、腹持ちもいいのが特徴です。
ビタミンB類では、糖質の代謝に関わり、むくみ対策や疲労回復にも役立つビタミンB1や、脂質の代謝に関わり、身体の成長や、髪・皮膚・爪の健康維持に必要なビタミンB2が含まれています。そのほか、脂質やアミノ酸の代謝に関わるナイアシン(ビタミンB3)や、たんぱく質の代謝に関わり、髪・皮膚・歯の健康維持や神経の働きを正常に保つビタミンB6も含まれます。また、赤血球の生成をサポートし、妊活中または妊娠中・授乳中の方に特に必要な葉酸も摂ることができます。
必須アミノ酸のひとつであるトリプトファンは、脳内の神経伝達物質で、幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンの材料です。トリプトファンを摂ることで、心が落ち着く、睡眠の質が向上するなどの効果があり、果物のなかでは多めに含まれています。
強い抗酸化作用のあるポリフェノールというと、緑茶や赤ワインなどが有名ですが、実はバナナにも含まれています。シュガースポットができるくらいに熟した状態のものほど、多く含まれることがわかっています。ちなみに、白いスジの部分にも抗酸化成分が含まれているので、スジを取らずに食べるのがおすすめです。
このほかにも、マグネシウムやカルシウム、鉄などのミネラル類や食物繊維も含まれています。
バナナにはこれらの栄養素がバランスよく含まれており、「完全栄養食」と呼ばれるほど優れた食品であることがわかります。
驚くことに、その種類は300ほどもあるのではないかといわれています。
大きく分けて、甘みの強い生食用と、揚げたり、煮たり、焼いたりしてからいただく調理用のバナナがあります。日本で売られているのはほとんどが生食用ですが、世界では調理用のバナナもたくさん栽培されています。
日本で多く流通している品種で、世界シェアの50%を占める品種です。なめらかでさっぱりとした味わいや、厚い皮に覆われていて輸送に強く、日持ちすることが特徴です。
日本で多く流通している品種で、主にエクアドルやコスタリカで生産されています。ジャイアント・キャベンディッシュに比べ、濃厚でコクのある甘みを楽しめます。
流通量は非常に少ないですが、国産のバナナです。沖縄県や鹿児島県などの島で栽培され、キャベンディッシュと比べて短くずんぐりとした形をしています。もっちりとした食感で、濃厚な甘みとほのかな酸味が特徴です。
フィリピンでは最も一般的に食べられていて、小ぶりでずんぐりした見た目やクエン酸を多く含むことによるほのかな酸味と強い甘みが特徴です。
種類が多く見た目もさまざまで、大きくなるものでは30cm以上育つものもあるようです。皮が分厚くて硬いため手でむくのは困難で、早熟から完熟までのすべての過程で調理加工されて食べられています。緑色の早熟の状態では、果肉は白くて硬く、でんぷん質が多いため生食できません。一度蒸して熱いうちにつぶし再度加熱して食べるのが一般的で、いも類のようなほくほくした食感です。また、黒色の完熟時には果肉が濃い黄色になり生食も可能になります。
ほかに、調理用の品種にはサバ種やクラレ種、ツンドク種といった品種があり、これらを主食としている地域もあります。
ちなみに、厳密な分類上は、バナナは一年で枯れてしまう「草」なので、果物ではなく「野菜」であり、いちごやスイカも同じ理由で野菜に分類されます。
基本的には常温保存で大丈夫です。14度から20度くらいの温度で、風通しの良い場所が保存に適しています。夏場は新聞紙などでくるみ冷蔵庫の野菜室に入れ、逆に冬場は低温にならないよう、新聞紙のほか布などで包んで保存しておくとよいでしょう。
また、バナナはエチレンガスを発生させて追熟が進むので、好みの状態まで追熟させてから、1本1本切り離した状態で保存すると、長持ちさせることができます。
今回おすすめするレシピは、グリルドバナナ(焼きバナナ)です。バナナは加熱することで、腸内の善玉菌のえさとなるオリゴ糖が増加するため、腸内環境の改善などに効果があります。また、加熱することでお腹を冷やさずに食べられるので、より消化吸収しやすくなります。
バナナを使用したレシピはこちらもおすすめです。
【手作りスイーツ】砂糖不使用!3分で出来る「バナナソフトクリーム」レシピ
以上、バナナの優秀さについてご紹介しました。
身近にあるだけに存在を忘れがちですが、とても優秀な食材です!
子供の成長に、お肌などやダイエットなどの美容に、運動後の回復に、そして、ご年配の方の栄養補助などにも幅広く役立ちます。これを機に、朝食や間食に加えてみてはいかがですか?