私たち日本人の定番の主食といえば、ごはん(米)ですね。稲作の発展とともに栄えてきた日本では、米を主食とした食文化がつくられてきました。そして、飛行機や船で世界中を簡単に移動できるようになった現在では、遠い国や地域で作られていたり、日常的に食べられている食材が当たり前のように食卓に並ぶようになってきたのではないでしょうか。
今回は、日本のみならず、世界中で食べられている穀物の種類や今話題の穀物についてご紹介します♪
肉や魚などを除き、世界中で栽培され、よく食べられている食物とはなんでしょうか。
生産量・消費量などから世界三大穀物といわれているのが、米、小麦、トウモロコシです。
どういった加工の仕方や食べ方があるのか、一部をご紹介しましょう。
お米がよく食べられる国は、日本、中国(南部)、タイ、インド、ベトナム、スペイン、イタリアなどです。
まずは、私たち日本人に一番なじみがある主食といえばお米。
炊飯器を使って炊き上げた白米に、お味噌汁とおかずを一緒にいただくのが、日本では一番多い食べ方ではないでしょうか。
中国南部でも同じように、炊いたお米とおかずを組み合わせていただくのが一般的のようです。
また、中国といえばお粥も外せない一品です。
外食の習慣が多いという中国では、屋台で早朝にお粥を食べてから仕事へ向かうという人も多いのだとか。
水分が多く、米がつぶれた状態になるまで煮るため、「食べる」というよりは「飲む」という言葉の方が表現としては近いようです。
日本の米とは種類が異なる、インディカ米が主流のタイ、インド、ベトナムなどの南アジアでは、炊いた米をカレーと一緒に食べたり、ガパオなどの少し味の濃い料理と一緒にワンプレートでいただくことが多いようです。
日本を含めた雨が豊富なアジア地域では稲作が盛んで、お米そのものを味わう食べ方だけではなく、ビーフンやフォーといった麺類や、生春巻きなどに使われるライスペーパーなど、米を加工したものを利用する食べ方もあります。
イタリアやスペインでは、リゾットやパエリアといった料理にお米が使われています。
余談にはなりますが、おせんべいやお団子も、原材料は「米」。そして日本酒の原材料も「米」です。日本では、毎日の食事だけではなく、おやつやお酒にも用いられています。
麦類がよく食べられる国は、ヨーロッパ諸国、中東、中国北部、アメリカなどです。
麦から作られている食べ物で、一番に思い浮かぶのはパンではないでしょうか。日本にもすっかり浸透し、朝ごはんは「パンにヨーグルト」なんて人も多くなってきたのでは。
フランスのバゲットやクロワッサン、イタリアのフォカッチャ、イギリスのイングリッシュマフィン、ドイツの黒パン、東欧のベーグル、インドのナン、中東のホブズ(ピタパン)など、パンと一口に言っても作り方や食べ方は多岐にわたります。
イタリアではパスタ類の加工食品としても利用され、中国北部では、ラーメンや餃子などに。そして日本では、うどんとして食べられていますね。
古代エジプトの時代から小麦が栽培されていたといわれ、それが世界各地に広まり、その土地独自の発展を遂げていった様子がうかがえます。
多種多様な使い方ができる小麦粉は、十分にお腹を満たしてくれ、安価な食べ物として人々に重宝されています。
クレープやクッキー、ケーキのスポンジなど、おいしいお菓子の材料にもなっています。
トウモロコシがよく食べられる国は、中南米、アフリカ地域などです。
トウモロコシは中南米が起源であるという説が有力とされ、15~16世紀頃に世界へ広まったといわれている食物です。日本でも、江戸時代には広まっていたそう。
そのまま茹でたり焼いたりしていただくのはもちろん、メキシコのトルティーヤのように、粉末にしたものを利用して、薄いパン状に焼いたものも食べられています。
また、タンザニアではウガリというトウモロコシの粉を原材料とした料理があります。
つくり方はシンプルで、熱湯にトウモロコシの粉を入れ、木べらで練ったものを蒸します。できあがったモチモチとした固まりを、適当な大きさにし、スープなどに付けて食べるのだそう。
トルティーヤもウガリも、保存性を考えて乾燥させ粉末にしたトウモロコシを利用して作ります。
乾燥させたトウモロコシの粒とバターで作るポップコーンは、ポンポンとはじける、つくる過程のおもしろさもあり、子どもたちが大好きなおやつの定番として、世界中で食べられていますね。
今では、米や小麦を抑えて、世界で一番作られている穀物となっていますが、食べ物としてだけではなく、品種によっては飼料やバイオ燃料としても使われています。
古代米の一種である黒米は、黒や紫色に見える外見からそのまま、黒米、紫米、紫黒米と呼ばれています。色の正体は、皮に含まれるポリフェノールの一種アントシアニンによるもの。
アントシアニンには抗酸化作用があるので、老化防止や血管の保護などの効果が期待できます。
栽培地域としては、主に中国が多く、日本では東北より南の地域で広く栽培されています。
エネルギー | タンパク質 | 脂質 | 糖質 | 食物繊維 | ビタミンE | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
341kcal | 7.8g | 3.2g | 66.4g | 5.6 | 1.3mg | 0.39mg | 0.1mg |
可食部100gあたりの数値(出典:日本食品標準成分表 2020年版)
その他の栄養素:亜鉛、アントシアニン、カリウム、マグネシウム、ナイアシン、鉄分 など
ハトムギとは、イネ科ジュズダマ属の植物で、種の殻を除いて乾燥したものは、別名ヨクイニンと呼ばれ、漢方として活用されています。ハトムギに含まれるコイクセノリドという成分は肌のターンオーバー促進や角層にうるおいを届けるなど女性に嬉しい働きをします。
原産地はインドネシア半島付近ですが、水田での栽培が可能で、土壌適応性が高いため国内では東北地方、次いで中国・四国地方、北陸地方などで作付されています。食べ方として、5gほどのハトムギをシリアルのように加工されたものやご飯と一緒に炊きこむと美味しくいただけます。
エネルギー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | カリウム | マンガン | マグネシウム |
18kcal | 0.67g | 0.07g | 3.61g | 4.25mg | 0.04mg | 0.6mg |
可食部5gあたりの数値(出典:日本食品標準成分表 2020年版)
ハトムギを使ったおすすめレシピ公開中!
その昔、家畜の飼料として栽培され始めたオーツ麦ですが、ダイエットに効果がある食材として、またグルテンフリーの食材として、近年注目を集めています。
βーグルカンという水溶性の食物繊維が、血中の脂肪や糖質の吸収を遅くする働きがあることで、悪玉コレステロールの値を下げる効果があるそう。
セリアック病の人には有害なグルテンが含まれないので、オートミールなどにして食べる人も増えています。目安としては、一食80~100g程度が良いでしょう。栽培地域はロシア・アメリカ・カナダが主な生産地で、ヨーロッパでも広く栽培されています。
栄養素:ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、たんぱく質、亜鉛、ビオチン、カルシウム、鉄分 など
エネルギー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 | ビタミンE | ビタミンB1 | ビオチン |
380kcal | 13.7g | 5.7g | 59.7g | 9.4g | 0.6mg | 0.2mg | 21.7mg |
可食部100gあたりの数値(出典:日本食品標準成分表 2020年版)
オーツ麦を使ったおすすめレシピ公開中!
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いかがだったでしょうか?今回は、世界中でよく食べられている穀物についてご紹介しました。
日本では、お米を主食と呼びますが、ヨーロッパやアメリカなどではそういった、主食という概念がないと言われています。
肉や魚をメインディッシュと呼び、それらと一緒に食べるパンやごはん、ポテトなどを主食と呼ぶことはないそうです。
米や麦類を使った食べ物が多い日本ですが、日本独自で発展したトウモロコシを使った食べ物が、意外とないように感じます。
これからどんどん新たな食べ方や食品が開発されて広まるのかもしれませんね。
最近では米、麦、トウモロコシ以外の穀物も腸内環境を整える食物繊維の豊富さや栄養価から健康的な体づくりや美容を意識する方の間では見直され始めています。
色々な種類を組み合わせて取り入れてみてはいかがでしょうか?