きのこ類に多く含まれるフィトケミカルを知っていますか?きのこ類には、免疫力を高める作用のあるといわれているβ-グルカンが含まれています。
ブドウ糖から構成される多糖類の総称をグルカンと言います。グルカンは、大きく分けてα-グルカンとβ‐グルカンの2種類に分類されています。
α-グルカンはブドウ糖がいくつも結びついた構造をしており、その結合がα結合になります。人間はα-グルカンを消化する酵素をもっているため、最終的にはブドウ糖となり体内でエネルギー源として働きます。でんぷんに含まれるアミロースやデキストリン、筋肉に含まれるグリコーゲンなどもグルカンの1種ですが、これらはα-グルカンに属します。
一方、β‐グルカンはその結合がβ結合であり、人間の体内には消化酵素がないために分解、吸収されないことが特徴です。つまり、β‐グルカンは食物繊維の一種なのです。
β‐グルカンには期待されている働きが2つあります。
β‐グルカンには、抗腫瘍効果があると考えられています。
サルノコシカケ科、シメジ科、ハラタケ科のキノコに多く含まれるβ-D-グルカンという成分は、がん細胞増殖の抑制に働くといわれています。特に、サルノコシカケ科の霊芝やハラタケ科のアガリクス(ひめまつたけ)に多く含まれており注目されています。科学的に合成された医薬品と異なり、副作用が少ないため、健康食品などでもよく見かける成分です。
β-グルカンは、免疫システムで重要な働きをする白血球を活性化し、免疫力をアップさせる効果があるといわれています。また、アレルギーの予防や改善作用もあります。
β-グルカンはきのこ類をはじめとし、パン酵母、オーツ麦、大麦、海藻類などにも含まれています。
パン酵母に含まれているβ‐グルカンは、粒子が不揃いで腸管に吸収されにくいきのこ類のβ‐グルカンに比べて、免疫活性力が強いといわれています。しかし、焼きあがったパンからは、β‐グルカンを摂取することはできません。そのため、パン酵母のβ‐グルカンは、サプリメントなどの成分として利用されています。
海藻では、コンブやわかめに多く含まれるラミナランという成分もβ‐グルカンの一種です。
手軽に取りやすいものとしては、きのこ類です。ほとんどのきのこ類に含まれていますが、含有量は異なります。食卓に上がりやすいきのこ類の中では、しいたけや、まいたけ、ひらたけに多く含まれています。
オーツ麦にも含まれているため、コーンフレークをオートミールに変えてみるのもいいかもしれませんね。
サプリメントなどを利用するのも手軽に取れますが、食物繊維の一種なので一度にたくさん取りすぎると下痢や腹痛になることがあるので注意しましょう。