フィトケミカルのチカラ~イオウ化合物~③

フィトケミカルのチカラ~イオウ化合物~③

にんにくやたまねぎなどにもフィトケミカルが含まれているのを知っていますか?
にんにくやねぎの臭い、この香り成分こそフィトケミカルのイオウ化合物です。

にんにく

イオウ化合物とは

イオウ化合物とは、イオウを含む化合物の総称です。
にんにくやネギ、ニラなどのユリ科や大根やわさびなどのアブラナ科の植物性食品に多く含まれていて、強い抗酸化作用や殺菌作用、がん予防、スタミナ回復などの作用があるといわれています。
期待されている効果と多く含む食品を見ていきましょう。

  • アリイン⇒にんにく
    血流促進・食欲増進などの効果が期待できます。
  • アリシン(硫化アリル)⇒にんにく・ニラ・らっきょう・玉ねぎ
    アリインが空気に触れることでアリシンになります。
    血流促進・コレステロールの代謝を促進するなどの効果が期待できます。
  • アホエン⇒加熱したにんにく
    血流促進・抗がん作用などの効果が期待できます。
    アリシンが50~100度程度の油調理でアホエンになります。100度以上はアホエンが壊れてしまいます。
  • イソチオシアネート⇒キャベツ・大根・ブロッコリー・ワサビ
    殺菌作用・抗がん作用などの効果が期待できます。

にんにくの不思議

調理する前まではにんにくはあまり匂いません。
にんにくの香り成分であるアリインは、アリシンという成分に変わることで香りを発生する仕組みがあります。
にんにくをつぶしたり、切ったりして空気(酸素)に触れると、アリイナーゼという酵素が活性化し、アリインをアリシンに変化させます。
アリシンは、糖質代謝に欠かせないビタミンB₁(チアミン)と結合してアリチアミンという持続性の高いビタミンB₁化合物になります。そのため、スタミナ回復に効果を発揮します。

調理

ワサビや大根の抗菌作用

ワサビによる抗菌活性は古くから知られていますが、これはイオウ化合物のイソチオシアネートによるものです。
ワサビの独特のツンとした香りや大根のピリリとした刺激のもととなる成分です。コンビニなどの弁当の中に入れる抗菌シートなどにも活用されています。

お弁当

おいしくても注意して食べよう!!

イオウ化合物の成分の中には、刺激が強いものがあります。
取りすぎると胃腸の粘膜を傷つけることがあります。特に、生で食べるときは注意が必要です。
加熱して食べると刺激が和らぐのでおすすめです。

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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