最近では新型コロナウィルス感染予防のために発酵食品への注目度が高まってきています。日本は「発酵大国」とも呼ばれるほど、特有の発酵文化を築いてきました。
そんな数ある発酵食品の中でも、昔から愛される“甘酒”の魅力についてご紹介します。
美容や未病予防のみならずスポーツ業界でもその魅力に注目が集まり、取り入れる選手や企業が増えています。
甘酒とは古墳時代から存在したと言われる、日本の伝統的な甘味飲料です。甘酒とひとえに言っても実は原材料や製法によって味わいなども異なります。酒粕甘酒はその名の通り、お酒造りの際にでる搾りかすである「酒粕」を原料に水を加え、砂糖などで甘みをつけたものです。
酒粕から作られるため少量ですがアルコール分を含みます。お正月やお祝いごとの際に神社で振舞われているのはこちらが主流です。
一方で、米麴甘酒は麹とお米を発酵させて作られます。市販のものでは砂糖を添加したものもありますが、砂糖を入れなくても自然の甘みがあります。また、アルコール分も含まず、さらにはノンシュガーで作ることができるため小さなお子様や妊娠中の方、お酒の弱い方でも安心して飲むことができます。
今回は小さなお子様や妊娠中の方でもおすすめの米麴甘酒の栄養価についてご紹介します。
エネルギー源である炭水化物を、麹の働きでブドウ糖にまで分解しているため体内に吸収しやすいこと、そして代謝を促すビタミンB群、筋肉疲労に効果的な必須アミノ酸などをバランスよく、豊富に含んでいます。
これが病院で受ける点滴の成分とほぼ同じことから「飲む点滴」といわれる所以にもなっています。
甘酒には食物繊維とオリゴ糖が豊富に含まれているため善玉菌のエサとなり、体内に溜まった老廃物の排出を促し、腸内環境を整えます。さらに自律神経のバランスも整えるため脳やこころの健康にも繋がります。
また、麹菌が作り出す酵素は30種類以上にもなるため、栄養素の分解を助けることで消化吸収をしやすくなり体への負担を抑えることができます。
疲労の回復には、糖質、タンパク質、ビタミンB群などをバランスよく摂取する必要があります。その栄養素がバランスよく含まれていることや吸収しやすいことから、疲れの軽減に繋がります。
また、必須アミノ酸がすべて含まれることからサプリ感覚で取り入れることにも適しています。
ビタミンB群を豊富に含み血流や代謝を促します。血管の健康や皮膚の状態を整え、血流もよくなることで目元のくまやくすみ、肌荒れの改善に効果的です。また、髪を作るたんぱく質の生成にも関係しており、頭皮の血流が改善されることで健康的な髪へも繋がります。
さらに、活性酸素の発生を抑制してくれる働きもありアンチエイジングや生活習慣病予防にも効果が期待できます。
飲む目的にもよりますが、空腹の〝朝″飲むのがおすすめです。朝は、「排泄の時間」とも呼ばれますが、消化しやすいかたちの甘酒を飲むことで腸の活動を刺激し、排泄を促す準備が整います。
また、甘酒と朝食の摂取により体内リズムが整いやすくなるほか、日中の活動に向けて糖質やエネルギーをしっかりと補給することができます。
抹茶には茶カテキン(ポリフェノール)やテアニン(アミノ酸)なども含むため、アンチエイジング効果や風邪の予防、リラックス効果も期待できます。
材料名 | 分量 |
米麹甘酒 | 200ml |
豆乳 | 200ml |
抹茶粉末 | 小さじ2 |
お湯 | 大さじ1~2 |
※甘さが足りなければ、はちみつなど
そんな栄養価も高い甘酒は、寒い冬の日に飲むイメージが強いかと思いますが江戸時代には夏の飲み物だったようです。
質素な食事に加え、夏の暑さを防ぎ、夏バテや夏風邪予防にエナジードリンクとして重宝されていたというお話もあります。
朝の起きぬけや冷え、疲れを感じたら「飲む点滴」甘酒を飲んでみてはいかがでしょうか。