前回は、お食事中に出てくるちょっとしたマナー違反や、起こりうるトラブルの対処法を取り上げてみました。
今回はお食事中のアルコールのマナーの中で、特にハードルが高そうなワインのことを取り上げてみましょう。
高級レストランでお食事するときのマナーで、苦手だなと感じるもので、ワインを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
ソムリエとか、テイスティングとか、フルボディとかなんだか小難しい用語が多いし、ワインリストでフランス語や英語、時にはカタカナを見ただけで、緊張してきちゃう人もいそうですよね。
ワインをオーダーするときに困らないような知識を先に身につけておけば安心です。
ワインのマナーと言えば、大きく分けて、「オーダーの仕方」と、「飲み方」、という2点になりますが、今回はオーダーの前にワインのことを少し勉強しておきましょう。
ワインの分類は、醸造法や原材料の違い、品種による違い、味の表現の違いなどからの分類があります。
最初は原材料や醸造法の違いからアプローチします。
「スティルワイン」、「スパークリングワイン」、「フォーティファイドワイン」、「フレーバードワイン」の4つに分類されます。
スティルワインは発泡性のないワインのことで、非発泡性ワインとも呼ばれています。
市場に最も多く出回っているワインで、更に赤ワイン、白ワイン、ロゼワインなど製法や色によって分類されています。
アルコール度数が9度~15度くらいが一般的です。
炭酸ガスによって発泡するワインのことで、発泡性ワインと呼ばれています。
簡単に言うとスパークリングワインは、赤ワインや白ワインに糖や酵母などを加えて、2次発酵をさせるという製法になります。この時に発生した二酸化炭素(炭酸ガス)によって発泡がおきるというわけです。
国により呼び名が異なりますが、代表的なものにフランス・シャンパーニュ地方のシャンパン(*)が挙げられます。
この他、シャンパーニュ地方以外のフランスでは、ヴァン・ムスー、クレマンなど、イタリアではスプマンテ、スペインではエスプモーソ、カヴァ、ドイツではゼクトなどと呼ばれています。
*日本では「シャンパン」の名で浸透していますが、正式には「シャンパーニュ」と言うので覚えておきましょう。
ワイン自体の保存性を高めるために、ブランデーなどの40度以上のアルコール添加をして造られたワインのことを言います。
スペインのシェリー、イタリアのマルサラ、ポルトガルのポートワインやマディラなどが有名です。
スティルワインにハーブや果実、スパイス、甘味料などを加えて作られたワインのことで、個性的な香りと味わいが特徴です。
スペインやポルトガルでよく飲まれているサングリアを飲んだことがある人も多いのではないでしょうか?
このほか、イタリアなどでよく飲まれるヴェルモットや、フランスのボルドー産アペリティフワインのリレなども有名です。
ブドウの品種によって、ワインの味や香り、色味が異なってきます。
赤ワインと白ワインに使われる代表的な品種を紹介しておきましょう。
赤ワインは、ブドウの果汁に果皮や種子を漬け込んで造られるのが特徴です。
ブドウの果皮にはアントシアニンという色素成分が含まれており、この成分が果汁に溶け込むことで、液体が赤くなります。皮と種にはタンニンが多く含まれており、このタンニンにより赤ワイン独特の渋味が生まれます。
白ワインは、フレッシュさとフルーティーさが特徴の、透明感があるのが特徴です。
基本的にブドウの果皮や種子を果汁に漬け込まず、果汁のみを搾ってアルコール発酵を行うため、赤ワインのような渋味や深みのないワインになります。
ワインは種類によって味の表現にも違いがあります。
赤ワインには、タンニンの強さ、濃厚さ、アルコール度数といった飲み応えを指標にした「ボディ」という表現があります。
重みが強く、コクがある赤ワインは「フルボディ」、中程度のものは「ミディアムボディ」、軽い口あたりでフレッシュな味わいは「ライトボディ」の3段階に分けられています。
正確な指標が存在しているわけではありませんので、実際に飲んでみて表現に慣れていく必要があるかもしれません。
白ワインとロゼワインは「辛口」「甘口」など、ワイン中の残糖分によって味わいが分類されています。
そのまま、甘く感じるワインには甘口、スッキリしたドライなワインには辛口、というように表現します。
いかがでしたでしょうか?
ワインと言っても、これだけの分類法と種類があるのですね。
コースの料理も前菜、魚料理、肉料理の順番になっており、あっさりしたものから味付けの濃いものになっています。そのため、ワインを飲む順番は、白ワインから赤ワイン、軽めのワインから重めのワインを選ぶのは、理にかなっているというわけです。
実際にオーダーするときのヒントになるのではないでしょうか?
次回は、いよいよワインのオーダー時と飲むときのマナーをまとめて紹介いたします。