世界で食べられている美味しい料理や変わり種の料理などを探してご紹介!
第6弾は、UAE(アラブ首長国連邦)です。
UAE(アラブ首長国連邦)は、アブダビを首都とした中東の国の一つです。
その名の通り、7つの首長国からなる連邦国家で、40年ほど前にイギリスの保護領から独立した、アラブ人によるイスラム教国です。
石油や天然ガスが豊富で、王族が各地域を治め、一夫多妻制をとっている豊かな国、というイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
実際に、アブダビやドバイなどの大都市では、いわゆる出稼ぎ労働者と呼ばれる、仕事を求めて移り住んできた外国人の数も多くいるようです。
駐在員などとして働く外国人と、そういった労働者を含む外国人の割合は、元々現地に住んでいた「エラミティ」と呼ばれる現地人の数を圧倒的に上回っているそう。
ドバイにある世界一高いビル「ブルジュ・ハリファ」や、その外観が美しい人工島「パームジュメイラ」など、見どころもたくさんあり、日本とはまったく文化の異なる楽しい経験ができそうです。
今、世界で飲まれているコーヒーの起源とも考えられているほど、中東のコーヒー文化は古くからあり、エラミティの人たちがお客さんをもてなす際に欠かせないのがこの飲み物。
沸騰したお湯を一旦火からおろし、コーヒーの粉を直接お湯の中に投入します。
粉全体に水分が行きわたったところで、再度火を入れて煮だします。
その際に、カルダモンやお好みでクミンやサフランなどのスパイスで香りづけをするのが、一般的な作り方のよう。
煮だす時間は、好みによってさまざまなようですが、日本でよく飲まれるコーヒーとは違って、とても浅煎りの豆を使うので、じっくりと10分~20分ほど煮出すことが多いそうです。
浅煎りの豆を使用していることで、出来上がった液体の色は、お茶のように薄い色合いになり、一見するとコーヒーとは思えないような仕上がりになります。
出来上がったコーヒーは、「ダッラ」と呼ばれる専用ポットに入れ、「フィンジャーン(フィンジャン)」という取っ手のない小さなカップに注いでいただきます。
客人としてコーヒーをいただく時には、最低でも3杯は飲まないと失礼にあたるという、ちょっとしたマナーがあるようです。
カップが空になったら注ぎ足されるので、まるでわんこそばのような状態になってしまいますが、もう飲めないよ、という時には、持っているカップを左右に二~三回ふると、お代わりはなくなるそう。
飲み残しも失礼にあたるそうなので、気を付けたいところです。
このコーヒーには、お砂糖を入れて飲む習慣がないそうなので、中東では日常に食べられているデーツ(乾燥させたなつめやしの実)の甘さと一緒にいただくのが、一般的のようです。
イスラム教徒の国であるUAEでは、イスラムの慣習で「ラマダン」という断食をしなければいけない時期があることを知っている人も多いのではないでしょうか。
その年や宗派によって、始まる日と終わる日が異なるようですが、ラマダンは一カ月ほどの長い期間行われます。
しかし、飲食をまったくしてはいけないのは太陽が出ている間だけのこと。
日が暮れて、定められた時間がやってくると、飲食が解禁される時間が始まります。
「イフタール」と呼ばれる、日が暮れてようやくその日最初となる食事には、胃に優しい食べ物が自然と好まれるようです。
そんな時にぴったりなのが、お粥のような料理であるハリース。
肉と麦をゆっくりと粥状になるまで炊いたものです。
豚肉の摂取を禁忌とするイスラム教ですので、使用するお肉はとりか羊の肉が多いそう。
小麦または大麦をしっかりと水に浸したあと、みじん切りのタマネギと肉を一緒に鍋に入れ、好みの水加減で煮込み、塩コショウで味付けをします。
各家庭で異なりますが、クミンやコリアンダーなどのスパイスを加えて風味を出し、最後に溶かしバターやギ―をひとまわしかけて食べることもあるそうです。
ひよこ豆をペースト状にした料理。
UAEに限らず中東地域一帯で食べられ、発展してきた料理のようです。
茹でたひよこ豆に塩やにんにく、練りごま、オリーブオイル、クミンなどのスパイスやレモン果汁を加えてなめらかになるまですり潰します。
そのまま食べるのはもちろん、「ホブズ(フブス)」と呼ばれる薄く丸く焼いたパンに挟んだり乗せたりして食べられることも多いそう。
砂漠が多く、栽培できる植物も限られていた昔には、良質なタンパク質を豊富に含むひよこ豆は、大事なタンパク源であったようです。
とてもクリーミーな食感・味で、子供から年配の方まで食べやすく長年親しまれている料理です。
以上、アラブ首長国連邦料理のほんの一部をご紹介しました。
接する機会が少ない中東の文化ですが、調べてみると美しい建物や調度品、おいしそうな料理などがたくさんあることに気付きました。
宗教の戒律が厳しい地域でもありますので、訪れる際には最低限の下調べをして、極力失礼のないように気を付けたいですね。