世界で食べられている美味しい料理や変わり種の料理などを探してご紹介!
第5弾は、スペインです。
スペイン王国は、ヨーロッパの西側フランスとポルトガルに国境を接する国です。ヨーロッパの国々の中でも歴史ある街並みや食が人気の国で、紀元前から続く長い歴史の中で幾度も支配者が変わり、国土を大きく変えてきました。
中世から近代では、強大な国家としてさまざまな国と戦い、世界中に植民地も広く分布していました。
そのため、フィリピンやメキシコなどの国では、現在の食文化にスペイン料理の影響が色濃く残っています。
ここ数年で日本国内でも人気の出てきたスペイン風バル(BAR)では、お酒や少量ずつのおつまみや軽食を指すタパスを楽しむことができます。
本場スペインで、このバルという場所は、コーヒーやランチを楽しんだり、帰宅前のちょっと一杯のお酒を楽しむ場所として、スペインの人々に愛されています。
スペインでは、昼食と夕飯をとる時刻が日本とは違い少々遅く、昼食は14時頃から、夕食は21時頃からいただく家庭が多いそうです。
また、午前と午後にメリエンダと呼ばれる間食をとる習慣があるため、スペインの人は一日5食食べると言われることもあります。
地中海気候になる東部の都市バルセロナは、一年を通して温暖な気候ですが、首都マドリードは6月~8月にかけてとても暑くなります。そのため、昼間の暑さを避けて、シエスタといわれる昼の休憩を長くとる習慣があります。
お昼ご飯は家に帰ってしっかりと食べて休憩をとってから、暑さの和らぐ頃に仕事を再開するという、風土にあった働き方のようです。
ところが、ここ十数年の間にその習慣も廃れつつあるようで、昔ながらの小さな商店などを除いて、世界の基準に合わせた労働時間にする企業が増えているそう。
お昼時に短い睡眠をとることは、午後のパフォーマンスをあげるという研究結果も近年になりいわれるようになってきましたので、このシエスタという習慣は、人間の本質にあった過ごし方なのかもしれません。
言わずと知れた、スペイン料理の代表格であるパエリア。
パンを主食とするスペインですが、東部バレンシア地方は米どころとしても知られており、そのバレンシアからスペイン各地に広がった料理です。
バレンシアの言葉で、浅いフライパンの意味をもつパエリアですが、その名の通り、浅く平たい専用の鍋を使って作るのが、本場の作り方です。
日本でパエリアというと、たっぷりの魚介類が入ったものを想像するかもしれませんが、元はウサギや鶏の肉を使ったものが本来の味なのだそう。
インゲン豆やエスカルゴ、アーティチョークなどをいれてぐつぐつと煮詰めていくと、サフランの黄色も鮮やかな、おいしいおこげのついたパエリアが出来上がります。
スペインでパエリアはお父さんの味と言われるほど、各家庭では男性が作ることが多いそう。休日の昼間に、薪を組んで火をおこし、大きなパエリア鍋でつくるのが定番のようです。
青空の下で家族や友人と囲むパエリアは、とても美味しく感じそうですね。
「スペイン風オムレツ」というと知っている方も多い料理ではないでしょうか。
スライスしたジャガイモをたっぷりのオリーブオイルで煮て、そこにタマネギを加え、溶いた卵を流し込んで両面を焼いた料理です。
フライパンの形に合わせて丸く焼かれたその見た目は、パンケーキのようにも見えます。
味付けはシンプルに塩のみの場合が多く、好みによって、ベーコンやホウレン草などを加えることもあるそうです。
ジャガイモが多く入っているため、お腹にドシンとした重量を感じます。
適量に取り分けたものを、パンに挟んでサンドイッチにしたり、乗せて食べたりすることもあるそう。
各地のバルや家庭の定番料理なので、旅行に行った際には、滞在中にさまざまな味を楽しむことができそうです。
バルでは定番のおつまみであるピンチョス。
日本人からすると、キャッチ―で可愛らしい響きの名前ですが、さまざまな食材を串に刺した手軽に食べられるおつまみのことを言います。「ピンチョ」という言葉が、「串」を意味するそうです。
バスク地方が発祥といわれているこの料理ですが、串に刺すものに決まりはなく、パンやチーズを土台に好みのものを刺して作ります。
ワインやビールなどのお酒のつまみとして食べることから、生ハムやオリーブ、フルーツなどが多く使われているようです。
気軽につまめる料理なので、パーティーなどで使うととても便利。
多彩な食材を使うことで、テーブルを美しく彩ることができます。
最初から一口サイズになっているので、ナイフやフォークも必要がなく、手軽に食べられるということが、一番の利点のように感じます。
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余談ですが、皆さんも一度は「バレンシアオレンジ」という名前を聞いたことがあるのでは?
長年、スペインは世界でも有数のオレンジの産地なのだと思っていましたが、実は「バレンシアオレンジ」の原産国はアメリカなのだそう。
スペインのバレンシア地方では、街のあちこちでオレンジの木を見かけることができるそうですが、食用ではなく鑑賞用とのこと。
食べることもできるそうですが、マーマレードなどに加工をしないと、そのままでは苦くて食べられないのだそうです。
ヨーロッパは遠いイメージがあり、気軽に行ける場所ではありませんが、いつか訪れてみたいと思います。
以上、スペイン料理のほんの一部をご紹介しました。