今回は、私たちの住む日本にとって、まず食事には必ず欠かせない、醤油と味噌についてご紹介します!
醤油と味噌は麹菌を使っており、日本の発酵食品の文化を発展させてきた、とても大切な発酵食品です。
まず、味噌の種類は多種多様です。赤味噌・白味噌・合わせ味噌と、色で分類できそうですが、実は同じ赤みそでも、原材料が違っている場合があります。そのためJASの規格では、原材料の違いが分類の基本とされています。
味噌の旨味は大豆たんぱくが分解してできるアミノ酸(主にグルタミン酸)に影響され、熟成の進んだものほど旨味が強くなります。しかし旨味はグルタミン酸だけではなく、塩味・酸味・甘味が調和し、良い香りと適度の粘度が加わって形成されます。
また、熟成が進んで大豆の分解度が高くなると、舌に感じる刺激をやわらげ、伸びとコクのある味になるのです。
味噌には消臭効果があります。この効果をもたらす働きの1つは、におい吸着です。
たとえば魚の味噌漬けなどの場合、魚の生臭いにおいを抱き込んで、味噌自らの臭いの中に同化させてしまうのです。これは、味噌の中に豊富に含まれる大豆タンパクの働きによるもので、味噌を使う料理には、材料自体が強い臭いを持ったものが少なくありません。身に独特の臭みがある川魚に、味噌あえなどの料理法が多いのもこの例の一つです。
また、冬になると宴会の席を賑わせる牡蠣の土手鍋も、やはり、味噌の消臭効果をうまく活かした料理です。
消臭効果の働きのもう1つは、味噌自体の香りです。もちろん、その味噌の香りが苦手という人もいるでしょうが、日本人の場合、たいていの人は味噌の臭いを不快とは思いません。むしろ食欲をそそる味として脳に刻み込まれています。
この味噌の香りというのは、実は意外に強烈であり、他の食材の臭いを押しのけてしまいます。その結果、人は味噌の美味しい香りを感じつつ食事を楽しむというわけです。
醤油には適度な塩分やアルコール、有機酸などが含まれています。塩にはもともと殺菌力があるうえ、アルコールや有機酸も働くため、醤油は食材の殺菌にも役立つ調味料として仕上がっています。白いご飯のお供として根強い人気の佃煮や醤油漬けなど、殺菌作用をうまく活かして作られた食品などもあります。
一方の味が強く、他方の味がごくわずかな場合、主体の味がより強く感じられる、この対比効果とよばれるものを利用して、甘い煮豆の仕上げに少量の醤油を加えると、甘味が一層ひきたちます。
漬かりすぎた漬物や塩鮭など、塩辛いものに醤油をたらすと、塩辛さが抑えられることがあります。これは醤油の中に含まれる有機酸類に、塩味を和らげる力があるためです。
日本に醤油が発達した理由は食生活にあります。海に囲まれ魚を豊富に取ることができ、日本は昔から魚を重要なタンパク源としてきました。とはいえ、魚には特有の生臭さがあり、刺身で食べるとそれが顕著です。たとえ日本人であっても「生ものの生臭さが苦手」という人は意外に少なくありません。醤油は魚の生臭さを消す働きをします。
醤油の中のグルタミン酸と、かつお節の中のイノシン酸が働き合うと、深いうま味がつくりだされます。このように、混ぜ合わせることにより、両方の味がともに非常に強められることを、味の相乗効果と呼びます。そばつゆや天つゆなどが、このよい例です。
味噌と醤油があるおかげで、私たち日本人の食事を美味しくそして安全にすることができるんですね♪
次回も引き続きお楽しみに!