世界で食べられている美味しい料理や変わり種の料理などを探してご紹介!
第4弾は、フィリピンです。
フィリピン共和国は、7,109(2020年9月現在)もの島を持ち、およそ一億人以上の人口からなる国です。
元々マレー系の民族が暮らしていましたが、スペインの植民地となった歴史もあるため、スペイン系の国民も暮らしているそうです。
300年続いたスペインの統治ののち、アメリカによる統治が始まったため、現在主に話されている言葉は、昔から話されている現地の言葉の他、英語が話されています。
第二次世界大戦の時代では、日本軍がアメリカ軍との戦いのためにフィリピンへやってきた歴史もあり、日本とは少なからず関係の深い国です。
今日では、青く美しい海が人気のセブ島やボラカイ島など、フィリピンを訪れる日本人がたくさんいます。
公用語が英語ということもあり、短期留学先として学生だけではなく社会人からも人気となっているそう。
セブ島などは、元々南国リゾートとして観光客も多い土地柄ですから、英語の勉強だけではなく、遊ぶことができるというところも人気の理由なのかもしれません。
フィリピンの気候は全体として年間平均26~27℃くらいですが、首都マニラがあるルソン島北部の山岳地帯では10℃を下回ることも。
“熱帯の国”という面だけではないのも、フィリピンの魅力ではないでしょうか。
文化や食事は、長きにわたったスペイン統治時代の影響が色濃く残っているようで、スペイン語で軽食や間食、オヤツを意味する「メリエンダ」という風習も残っています。
とり肉や豚肉・ラム肉などの肉類をお酢で煮込んだ料理。
「アドボ」はスペイン語でマリネを意味し、元々の語源は、「マリネする」「漬ける」という意味の「アドバル」という単語からきたと言われています。
お酢を使って食材を漬け込み煮込んだ肉料理のことを、フィリピンではアドボと呼ぶようになったそうです。
お酢が持つ防腐・防菌効果により、保存性が良いお料理として、フィリピン全土で食べられているようです。
お酢の主な成分である「酢酸」は、お酢の酸味の元になっており、この成分が食欲を増進させ、腸の動きを活発にします。便秘解消にとても効果があります。
また、この酢酸は体の中でクエン酸に変わり、疲れをとる効果だけではなくビタミンCの吸収を良くしてくれる効果もありますので、アンチエイジングにも力を発揮します。
使う具材も各家庭やお店それぞれのレシピがあるようで、とり肉だけ、豚肉だけで作る場合や、とりと豚をミックスするなど、これと言った決まりはないそう。
細かく刻んだタマネギやニンニクを一緒に入れることが多いようで、ゆで卵を一緒に煮込むこともあるそうです。
お米が主食のフィリピンでは、ご飯の上に乗せていただくのも定番の食べ方とのこと。
お酢の力でほろほろに柔らかくなったお肉がおいしい一品です。
小さく切った豚肉を、粗みじん切りにしたタマネギやチリと一緒に、たっぷりの油で炒めた焼き肉のようなお料理。フィリピン北部、ルソン島にある州が発祥の料理と言われています。
チリの鮮やかな赤や緑、たっぷりのお肉、そして最後の仕上げに上に乗せたプルプルの生卵が食欲をそそります。
味付けは、主に塩、胡椒、しょう油、マヨネーズなどですが、こちらもまたアドボのように、各家庭やお店によって味付けのレパートリーがあるそう。
豚肉ではなく、とり肉で作る人もいるそうです。
また、豚バラと一緒にレバーを細かく刻んで入れることもあるようで、豚肉に含まれるビタミンB1の他にも、レバーに多く含まれるビタミンB2、鉄分や亜鉛などのミネラルも効率よく体に補給することができます。
一年のほとんどが暑い環境の国だからこそ、暑さに負けない体づくりが大事ですので、体をつくるたんぱく質やビタミンB1が多く含まれる豚肉料理が好んで食べられるようになったのかもしれませんね。
酸味の強いマメ科のフルーツである「タマリンド」を使用することから、少しくせのある酸っぱいスープとなるシニガン。
豚や牛などのお肉に、エビ、タマネギ、ほうれん草、オクラ、ダイコン、チリ、タロイモ、トマトなどのたくさんの具材を入れて煮込んだ、栄養バランス満点なスープです。
タマリンドはアジアやアフリカなどの熱帯地方でよく見られるフルーツで、クエン酸、果糖、ビタミン類、カリウム、鉄分が含まれており、薬としても昔から各地域で使われていた植物です。
果肉の部分だけではなく、葉や種、樹の皮や花の部分も余すとこなく使われているのだそう。
タイ料理でも、よく使われる調味料の一つです。
南国フルーツによくある、体を冷やす作用や、体の中の余分な水分を排出する効能がありますので、摂り過ぎには要注意です。
ジャムとして加工したものや、乾燥させたものなど、日本でも大手通販サイトでの取り扱いがあるようですので、試してみるのもよいかもしれません。
ビビンカは、米粉を使ったパンケーキのようなお菓子です。
米粉と卵やバター、ココナッツミルク、ベーキングパウダーなどを混ぜ、バナナの葉を容器にして、丸く少し平らにのばして焼いたり、マフィンのようなカップに入れて焼いたりします。
ココナッツを細かくしたものや、塩漬け卵を細かく砕いたものを上に乗せるのが定番の作り方ですが、それらの代わりにチーズをかけることもあるそう。
国民の大部分がクリスチャンであるフィリピンでは、クリスマスの時期になると、早朝に始まるミサが終了したあと、このビビンカやもち米を使ったお菓子がふるまわれる風習があるくらい、庶民に愛される身近なおやつです。
上に乗せる卵は、日本ではあまり見られないアヒルの卵を長期保存できるよう、ゆでて塩漬けにしたものです。
どこの町でも売られているおやつのようですので、さまざまなお店の商品を食べ比べしてみるのも楽しそうですね。
以上、フィリピン料理のほんの一部をご紹介しました。
日本と同じ米食文化のフィリピン。
南国ならではのお料理が多数ですが、日本人好みのお料理も多くありそうです。
食事が傷みやすい熱帯だからこその調理・加工方法もあり、また、スペイン統治時代に伝わった調理方法もあり、さまざまな料理へと発展してきたことがうかがえます。
新型コロナウイルスがどうにか治まった頃に、一度フィリピンを訪れてみたいですね。