第3弾は、前回からご紹介しております食養生における体質や体調の変化に合わせた食事の取り方の後編になります。
今回は「瘀血」「陰虚」「痰湿」の3つのタイプについてご紹介したいとおもいます。
血液そのものと、血液を運ぶ栄養素や酸素などを含めた「血」がドロドロして巡りが悪くなっている状態です。
しみやそばかすが多く、慢性的な頭痛・肩こり・関節炎なども多く見られ、月経痛、筋腫、内膜症、肝硬変、経血にレバー状の塊もみられます。顔色が悪く、目の下にクマができやすかったり、唇や歯茎の色がどす黒い場合も多いです。
血をサラサラにして巡りを良くする食材を積極的に取りましょう。
玉ねぎやらっきょう、青魚などがおすすめです。
動物性脂肪、暴飲暴食、冷たい飲み物、アイスクリームなどは血行不良の原因です。
サバ、アジ、サンマ、カニ、玉ねぎ、ねぎ、なす、にんにく、にら、ショウガ、らっきょう、黒きくらげ、黒豆、さくらんぼ、桃など
血液以外の体液、つまり体を潤す「水」が足りない状態です。水はバランスを保つために体を潤し、熱を冷ますという重要な役割を担っています。
潤いが不足すると、肌が乾燥し、空せき、のどや口の乾きなどがみられるようになります。
また熱を冷ましにくくなるため、頬に赤みをおびやすく、微熱や寝汗が現れやすくなります。
酸味と甘味を合わせて取ると、体に潤いを生じさせます。酢豚や、米と梅干など、酸味と甘味の食べものを一緒に取りましょう。また、辛いものや熱いものも避けましょう。
鴨肉、アサリ、シジミ、ハマグリ、きゅうり、トマト、白菜、れんこん、ゆり根、豆乳、白ゴマ、白きくらげ、豆腐、梨、スイカなど
水は流れが滞ると、にごってきます。体の中でも水分代謝が悪いと、余分な水分が溜まります。この状態が「痰湿」です。
過度な飲酒、生ものや冷たいものの取り過ぎによってむくみが生じ、どんどん悪化していきます。このタイプは体が重だるく、関節炎、リウマチなどの症状が出やすくなります。
ほかに、頭が重い、吐き気やめまい、痰が出る場合もあります。
食物繊維に富んだ玄米、雑穀類、海藻、根菜などをよく噛んで食べましょう。食物繊維は体内を掃除するような働きがあり、痰湿体質の改善につながります。動物性脂肪やチョコレート、炭酸飲料、お酒は適度にしましょう。
サンマ、イワシ、アサリ、昆布、わかめ、緑豆もやし、ごぼう、大根、かぶ、小松菜、ちんげん菜、ピーマン、しいたけ、にんじん、春雨、ハトムギ、そば、こんにゃく、バナナなど
前回は「気虚」、「気滞」、「血虚」、そして今回は「瘀血」「陰虚」「痰湿」と6つの体質についてご紹介しました。
「気虚」は気、「血虚」は血、「陰虚」は水が不足しており、「気滞」は気、「瘀血」は血、「痰湿」は水が停滞しています。
不足しているものをしっかりと補い、体の巡りが良くなるように、それぞれの体質に合った食材を取り入れ、食事の取り方に気を付けるようにしましょう。