最近、駅地下や街中に“玄米カフェ”や“寝かせ玄米のおにぎり屋さん”が増えてきています。玄米はボソボソとしていて白米と比較し、固い食感が苦手という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
ここで、ご紹介したいのが「寝かせ玄米」です。寝かせ玄米は玄米の栄養価をさらに引き上げ、もちもち食感で甘みやうま味のある玄米ご飯となっています。免疫力アップや腸内環境を整えるなど身体への嬉しい効果についてご紹介していきたいと思います。
玄米と寝かせ玄米はなにが違うのでしょうか?詳しく解説していきます!
寝かせ玄米とは、玄米に小豆と塩を加え炊き上げ、保温状態で3日間熟成させたものを言います。発酵玄米の一種で“酵素玄米”と呼ばれています。
玄米は“完全食”と言われるほどあらゆる栄養素をバランス良く含み、栄養価が高いです。しかし、「食べにくい」「あまり美味しくない」といったデメリットもあります。これらのデメリットを克服することが出来るのが、寝かせ玄米となっております。
熟成することで玄米特有のパサパサ感や臭みを克服し、食べやすくなります。また小豆を加え熟成させることで、栄養価を増強させるだけでなく、赤飯のような色に炊き上げてくれます。
なぜ寝かせ玄米は、3日間保温するのでしょうか?
炊飯後、3日間保温することで、酵素の働きが活性化し栄養価が増えます。酵素とは私たちの体内で起こる化学反応を助けるタンパク質のことを言います。その中でも食物酵素は、食べ物を摂取し体内に取り込むことで、体内の酵素の働きを助ける役割があります。食物から酵素を取り入れることで、消化・吸収を助けてくれる働きがあります
また、熟成することで、玄米の糖質が小豆のタンパク質と反応し「メイラード反応」という科学反応が起こり、メラノイジンという褐色成分が生成されます。
メラノイジンには、強い抗酸化作用と活性酸素除去作用などの効果があるため、老化防止や、コレステロール低下作用、アンチエイジング、生活習慣病の予防にも期待できるという報告があります。
玄米とは、もみ米からもみ殻だけを取り除いたお米です。白米に比べて、ビタミンB群やミネラル、食物繊維を豊富に含みます。特に糠層に食物繊維が豊富で、白米に比べ約6倍の食物繊維が含まれています。また、食品には珍しく水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれているのが特徴で、腸内環境の改善、便秘解消、血糖値上昇抑制作用などがあります。
さらに、ビタミンB群を豊富に含むため、3大栄養素などの消化や代謝を補助し、促してくれる働きがあります。
玄米を長期間食べ続けることでよりこれらの効果を得ることができると言われています。
寝かせ玄米は特にGABAが豊富となっています。GABAは哺乳類の脳や脊髄に多く存在し、ストレスの緩和や睡眠の質を改善してくれたり、血圧を下げる効果など健康維持に期待される効果があるという報告があります。
次に寝かせ玄米に含まれる小豆の栄養価として、タンパク質や食物繊維、ビタミンB群やカリウム、ミネラルが豊富に含まれています。また、小豆には赤ワインを超えるほどのポリフェノールが豊富であり、アンチエイジングに効果的です。
玄米や小豆には食物繊維が豊富に含まれているため便通を促進し、腸内環境を整える効果
があるので便秘に効果的です。腸がきれいになると免疫力が上がり、美肌にも繋がります。
寝かせ玄米と白米はエネルギーに差はありません。しかし、GI値(グライセミック・インデックス)が白米と比較し、低いため血糖値の急上昇を防ぐことが出来ます。GI値が高いものを食べると血糖値を下げようとするため大量のインスリンが分泌されます。インスリンは糖分を脂質に変え、ため込もうとする働きがあるので、血糖値の上がりにくい寝かせ玄米はダイエットにもぴったりです。
寝かせ玄米を作る際に重要な小豆にはポリフェノールが豊富に含まれています。ポリフェノールには抗酸化作用があり、シミやシワの原因である活性酸素を除去する作用があります。抗酸化作用は老化を防ぐうえで大事な作用となっております。
玄米にはカリウムが含まれているため、利尿を促してくれる作用があります。不要な水分や塩分などを体外へ排出してくれるため、むくみや高血圧にも効果的です。
小豆を入れると、メラノイジンが生成されるため熟成しても腐ることなく酵素玄米を作ることができます。また、小豆に含まれるカテキンやルチン、アントシアニン、イソフラボンは、抗酸化作用があり細胞の老化に良いと言われており、その他にもむくみや利尿症、解毒作用、免疫力アップにも小豆は効果的です。玄米と合わさることで相乗効果が生まれ、より栄養価のアップに繋がります。
酵素はミネラルとタンパク質が結合して出来上がっているので、小豆のタンパク質が塩のミネラルと結合し酵素となり、さらに加熱することで活性化されるので、寝かせ玄米において小豆は必要不可欠です。
72時間以上の保温時間が必要となりますが、玄米では味わえないようなもっちりとした食感と栄養価や免疫力アップができるので、週末の手仕事として一度挑戦されてみてはいかがでしょうか?
また、市販やお店でもこの美味しさを味わうことができるため、手軽に取り入れるキッカケとなればと思います。
材料名 | 分量 |
玄米または発芽玄米 | 2合 |
小豆 | 15~25g |
塩 | 1.5g |
~注意~
小豆は乾燥のものを使用しましょう。
多めに作って冷凍庫で小分けにして保存しておくこともおすすめです。
一日に一回よくかき混ぜましょう。硬くなります。
寝かせ玄米を作る時の注意点
・無農薬栽培の玄米を選択する方が安心です。玄米の胚芽や糠層には残留農薬が溜まりやすいと言われています。また、塩も可能な限り、天然塩のほうが良いです。
・作る際には炊飯器を何日も占領してしまうため、あらかじめご飯を冷凍保存しておくなど準備をしましょう。
寝かせ玄米は食物繊維が多いため、白米と比較し消化に時間がかかるため、よく噛んで食べることが大切です。また、良く噛んで食べることで満腹中枢が刺激され、肥満対策にも繋がります。
寝かせ玄米は“完全食”と言われるほど、栄養価が高く身体にも良い影響を与えるご飯となっています。しかし、栄養価が高いと言われていてもご飯だけでは食事が偏ってしまいます。ご飯だけではなく、様々な食材から栄養素を取り入れることが、健康維持のためには大切です。
寝かせ玄米(酵素玄米)とは、小豆や塩と一緒に炊き上げ3日間熟成させることで、玄米特有の食べにくさを克服し、赤飯のような仕上がりの玄米です。また、時間をかけて熟成させることで甘みやうま味が増すだけではなく、酵素が活性化し、様々な身体に良い効果をもたらします。
そして寝かせ玄米には、GABAが含まれており、睡眠の質の改善やストレス軽減に効果的なため、ストレスが多く忙しい現代社会にもぴったりなご飯となっています。
もし、寝かせ玄米を作るタイミングがない場合、百貨店や専門店にパックの寝かせ玄米も販売されています。
是非、栄養価が高く身体に良い影響をもたらす寝かせ玄米召し上がってみて下さい!
寝かせ玄米は食物繊維が多いため、白米と比較し消化に時間がかかるため、よく噛んで食べることが大切です。また、良く噛んで食べることで満腹中枢が刺激され、肥満対策にも繋がります。