足がつるのはなぜ?原因と予防する食べ物を解説

足がつるのはなぜ?原因と予防する食べ物を解説

みなさんは、運動中や日常生活で突然足がつってしまったことはありませんか。

今回は、なぜ足はつるのか、足がつりやすい人の特徴、予防につながる栄養素について解説していきます。さらに、足がつりにくくなる予防レシピもご紹介します♪

 

足のつり

足がつるとは?

足がつるとは、主にふくらはぎの筋肉が異常に収縮し、痙攣を起こして元に戻らなくなった状態のことで、痛みを伴います。

こむら返りとも呼ばれ、ふくらはぎ以外にも、足の裏や指、太ももなど体のどこでも発生します。筋肉疲労や栄養不足、脱水、寒暖差、加齢などが原因となって起こると考えられています。

 

なぜ足がつる?

まだ完全には解明されていませんが、次のようなメカニズムによって起こると考えられています。

筋肉の伸縮センサーの誤作動

筋肉や腱には、伸びすぎや縮みすぎによる損傷を防ぐために、筋肉の伸縮を感知する2つのセンサーがあります。

1つめが筋肉の中にある筋紡錘(きんぼうすい)で、伸びすぎを感知すると脊髄に情報を送り、縮むように指示を出します。2つめは、筋肉と腱の境目にある腱紡錘(けんぼうすい)で、伸び縮みの両方の異変を感知すると脊髄に情報を送ります。

この2つのセンサーが何らかの理由で誤作動を起こすと、脊髄から適切な指示が行かず、筋肉が暴走してしまうため、症状が起こると考えられています。

筋肉の伸縮センサー

ミネラルバランスの乱れ

筋肉の動きには、さまざまなミネラルが関係しています。特に重要なのが、筋肉の収縮や神経の伝達をスムーズにする働きがあるカリウムとカルシウム、この2つのバランスを調整するマグネシウムです。

マグネシウムは、筋肉を緩める働きがあり、不足すると筋肉の緊張状態が続きやすくなります。この3つのミネラルは、就寝中や運動中、夏場など汗を多くかく場面では尿や汗とともに失われやすく、バランスが乱れることで、症状が起こると考えられています。

こむらがえり

 

足がつる人の特徴と不足しがちな栄養素とは?

誰にでも起こる症状ですが、共通して不足しがちなのがミネラルと水分です。ここでは、特に足がつりやすい人の特徴や原因を具体的に解説していきます。

中高年・高齢者

20代をピークに年齢とともに筋肉量が減り、筋力や柔軟性も衰えやすくなります。若い頃に比べると運動量が減り、筋肉のポンプ機能も低下して血流が滞りやすくなります。その結果、疲労物質の排出が遅れることで、寝ている間に足がつりやすくなってしまいます。さらに、加齢によって、喉の渇きを感じにくくなり、脱水傾向にあることも要因の一つと考えられます。

妊婦

妊娠中は、胎盤を通して栄養素の一部が胎児へと送られます。この中にはミネラルも含まれており、その量によっては母体がミネラル不足になってしまうことがあります。加えて、胎児が大きく成長するにつれ、足の筋肉への負担が大きくなり、症状が起こりやすくなります。

運動不足

体を動かさないと筋肉量が減少し、血流が悪くなります。特に、運動不足によって衰えやすいのが足の筋肉です。筋肉が衰えると、ちょっとした衝撃が引き金となり、足がつりやすくなってしまいます。

冷え性

体が冷えると血流が悪くなり、足の筋肉に必要なビタミン、ミネラルなどの栄養素や酸素が届きにくくなります。さらに、筋肉の柔軟性も落ちやすくなります。特に、就寝時に足先が冷えると、筋肉の伸縮を感知するセンサーも機能しにくくなります。

 

足つりを予防する栄養素と食べ物

予防のためには、ミネラルが不足しないようにバランスの取れた食事を心掛けることが大切です。特に、筋肉の動きに関係のあるカリウム、カルシウム、マグネシウムや疲労回復に効果的なクエン酸を意識して摂るようにしましょう。

カリウム トマト、葉物野菜、芋類、果物など
カルシウム 小松菜、大根の葉、切干大根、小魚、乳製品、大豆製品など
マグネシウム 海藻類、ナッツ類、豆類など
クエン酸 レモンなどの柑橘類、梅干し、酢など

 

足がつるのを防ぐ方法

①マッサージをしましょう

運動をしている方はもちろんですが、運動していない場合も、就寝前にふくらはぎを中心に足のマッサージをしましょう。アキレス腱のあたりから膝の裏に向けて、手を滑らせるように優しく揉みましょう。入浴後の体全体の血流が良くなっているタイミングで行うと、より効果的です。

 

②軽い運動を行いましょう

運動不足などによって筋力が低下していると、ふくらはぎの筋肉のポンプ機能も衰えて、血流が悪くなって足がつりやすくなります。特に、デスクワークで長時間座っている方や立ちっぱなしの方は、下肢に血液が滞りやすくなります。軽い運動を行うことで、血流をよくして疲労回復を早めましょう。

足の筋肉量を維持するためには、スクワットやかかと上げなどがおすすめです。無理のない範囲で、10~15回を1セットとして、1日数回に分けて行ってみましょう。

 

③水分補給の仕方を見直しましょう

筋肉の動きに関係の深いカリウムやマグネシウム、カルシウムなどのミネラルを摂ることも大切ですが、水分不足も足がつりやすくなる原因の一つです。利尿作用のあるコーヒーや紅茶などは控え、喉が渇く前にこまめな水分補給を心がけましょう。

なお、スポーツ飲料は手軽に水分とミネラルが取れますが、摂りすぎてしまうと糖質の過剰摂取になるため、上手に活用しましょう。

 

足がつるのを予防するレシピ

冷製ガスパチョ

管理栄養士からのアドバイス

トマトは、カリウムや水分が豊富です。さらに、疲労回復に効果的なリコピンも含んでいます。今回はトマト缶を使用していますが、食塩不使用のトマトジュースを使用しても大丈夫です。酢と塩麹加えることで、疲労回復を助けてくれます。

材料
材料名 目安量(3~4人分)
トマト缶(食塩無添加) 250g
赤パプリカ 1/2個
玉ねぎ 1/4個
ズッキーニ 1/2個
食パン(白い部分) 1枚分
オリーブ油 大さじ4
大さじ1
塩麹 小さじ1
にんにくチューブ 小さじ1
粗挽き胡椒 少々
25㏄

冷製ガスパチョ

作り方
  1. ズッキーニのヘタを落とし、ミキサーにかけやすい大きさに切る。
  2. ミキサーにトマト缶半量、①、玉ねぎを加えミキサーにかける。
  3. 残りのトマト缶と水、パンを加え滑らかになるまでミキサーにかける。
  4. オリーブ油、酢、塩麴、ニンニクチューブ、粗挽き胡椒を加え、ミキサーに軽くかけ、冷蔵庫で冷やして完成。

 

小松菜のシトラスサラダ

管理栄養士からのアドバイス

小松菜は、カリウムやカルシウムが豊富に含まれています。また、グレープフルーツには疲労回復に効果的なクエン酸やビタミンCを含まれており、サッパリと爽やかに仕上げてくれます。

お好みの柑橘類にアレンジも可能です。アーモンドは食感だけでなくマグネシウムが摂れ、さらに、カッテージチーズでカルシウムやタンパク質を摂ることもできます。

材料
材料名 目安量(3~4人分)
小松菜 1/2袋(100g)
グレープフルーツ 1/2個
アーモンド 3粒
カッテージチーズ 50g
★オリーブ油 大さじ1
★酢 大さじ1/2
★塩麹 小さじ1
★粗挽き胡椒 少々

小松菜のシトラスサラダ

作り方
  1. 小松菜を3㎝程度の長さに切り、耐熱容器に入れラップをして、レンジ600W、1分半熱する。
  2. グレープフルーツをむき身にして、一口大に割いておく。出てきた果汁も残しておく。
  3. アーモンドを粗めに刻む。
  4. ボウルに★の調味料と果汁を加えてよく混ぜる。
  5. ③に①と②を加え全体をよく馴染ませ、最後にカッテージチーズと③を散らして完成

 

ひじきと油揚げの炒め煮

材料
材料名 目安量(2人分)
乾燥ひじき 2切
大豆水煮 20g
油揚げ 1/2枚
にんじん 少々
小さじ2
100cc(1/2カップ)
顆粒だし 小さじ1/2
砂糖 小さじ2
みりん 小さじ2
小さじ2
しょうゆ 大さじ1.5

ひじきと油揚げの炒め煮

作り方
  1. ひじきは水で戻してさっと洗い、長ければざく切りする。
  2. 油揚げは好みに応じて油抜きし、細切りにする。
  3. にんじんを千切りにする。
  4. 鍋に油を入れて加熱し、1と2を入れて全体に油をなじませる。
  5. 残りの調味料をすべて加え、煮汁が少なくなるまで煮ればできあがり♪

 

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著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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