無形文化遺産!? 和食の魅力!!

無形文化遺産!? 和食の魅力!!

海外とは大きく食文化が異なる和食。今では外国の方々も和食に魅了されています。
無形文化遺産となった和食の素晴らしさを今一度おさらいしてみましょう!

和食 無形文化遺産

和食とは

日本でなじみのある食材を使った料理だけでなく、日本の国土や風土の中で発展してきた料理のことも指し、
その枠組みの中には、伝統的な食材や調理法、味付け、盛り付けなどを利用した料理です。

和食の構成

和食は「食材・料理・栄養・もてなし」の4つの要素で構成されています。
「食材」は、主に米・野菜・きのこ・海藻・魚・貝・肉類などで構成されています。
「料理」は、ご飯・汁・おかず3種(主菜・副菜・副々菜)で構成された一汁三菜の様式と、だしや発酵調味料(味噌・醤油・酢・酒・みりん)によるうま味が特徴です。
一汁三菜は、一人分ずつ盛り付けることで食べる量が分かり、食べ過ぎを防ぐことができます。

また、だしや発酵調味料などうま味を豊富に含んだものを上手に使うことによって、動物性脂肪の少ない食生活になり、日本人の長寿や肥満防止に役立っています。
理想的なエネルギー産生栄養素バランスとは、たんぱく質約15%・脂質約25%・炭水化物約60%とされ、1日野菜350gを目標としてビタミンやミネラル、食物繊維をバランス良く取るとよいとされています。

和食の「栄養」は、理想的な栄養素バランスに近いといわれています。
和食は、肉を中心とした欧米型の食事に比べ、油脂類が少なめであり、摂取エネルギー量も抑えられます。
多彩な副菜からビタミンやミネラル、食物繊維などを取ることができます。

「もてなし」は、和食の精神とされています。
もてなす側ともてなされる側が、食事のマナーや食の場に施された趣向を理解して、互いに思いやることがもてなしとされています。
もてなす側は、お客様に対するサービスだけではなく、料理や室内・食器、振舞いに心のこもった気遣いをします。
もてなされる側は、料理を味わい、床の間の設(しつら)え・食器などを鑑賞し、「いただきます」「ごちそうさまでした」を言うことによって、もてなす側の心が満たされます。

和食の構成

和食の歴史

和食になくてはならない存在である「米」を中心とした食文化は、弥生時代がはじまりであるといわれています。
米は、非常に生産効率が高い上に、食味が豊かで栄養価に優れ、かつ保存にも適した優秀な食べ物であるため、米を中心とする食文化が、和食の歴史に最も大きな影響を与えました。

平安時代には、蒸した高盛りの強飯(こわいい)に、煮る・焼く・蒸すなどの簡単な調理をした魚を調味料に付けて食べる「供応(きょうおう)料理」が、鎌倉時代には禅宗の影響から、動物性食品を排除した「精進料理」が発展し、室町時代には上層階層の料理文化として「本膳料理」が登場します。
本膳には「飯・汁・菜・香の物」が盛られ、飯を主食とした伝統的な食事の形式が定着することになります。
この形式は、江戸時代後期以降にも、婚礼などの儀礼食として各地域に浸透しました。
お酒も本膳に伴って発展していきました。

安土桃山時代には、茶の湯に伴う「懐石料理」が発展します。
この形式は、一汁三菜を基本に、旬の食材にこだわり、食事空間にも気を配るなどの精神性を盛り込み、現代に引き継がれています。

江戸時代になると都市部では、そば・すし・てんぷらなどの食べ物屋、高級料理店なども広がりをみせ、宴席に供される「会席料理」が成立します。
この形式は、一汁三菜に加え、お通し、揚げ物、蒸し物、和え物、酢の物などの肴があります。また、和菓子の基本もほぼこの時代にできたといわれています。

日本ならではの四季の料理

四季の風土に恵まれた日本では、食事に自然の美しさや四季の移ろいを表現します。
特に、年中行事では季節ごとの旬の食材を食べることを大切にしています。
旬の時期に頂く野菜や果物は、栄養価が高く、消化吸収を助けます。

また、季節の花や葉などで飾り付けたり、薬味で味に季節感を出したり、季節に合った和食器を利用したりして、季節感を楽しむことができます。

日本ならではの四季

 

世界の中でも優れた食文化として認められた和食を日本の誇りとして、ぜひ普段の生活やご家庭に活かされてみてはいかがでしょうか!

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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