今さら聞けない! 調味料の基本 ~酢編~

今さら聞けない! 調味料の基本 ~酢編~

「酢は体に良い」と言われますが、どのような理由があるのでしょうか?
酢は毎日手軽に使える調味料だからこそ、そのパワーを知り、どんどん活用していきましょう!

酢

酢の原料と種類

酢は、穀物や果物などの糖質からつくった酒に酢酸菌を加えて発酵させたものです。疲労回復、食欲増進、防腐殺菌など効能もたくさんあります。健康のために果実と一緒に飲むこともおすすめです。

穀物酢

小麦やコーンなどの穀物を使った酢で、すっきりとした酸味が特徴です。加熱料理に適するほか、アク抜きなどの下ごしらえや、まな板などの洗浄にも使えます。

米酢

主に米を原料にした酢で、米だけを原料にしたものを純米酢と呼びます。甘味のあるまろやかな酸味が特徴です。酢の物や酢飯、魚を締めるなど、火を通さない和食と相性が良いです。

黒酢

小麦や玄米などを使用し、発酵および熟成します。コクのある酸味が特徴的で、希釈して健康ドリンクにしたり、中華料理の調味料にぴったりです。

ワインビネガー

ワインを酢酸発酵させて作った酢です。ワインのような香りがあり、赤と白の2種類あります。糖度が低く、酸味が強いのが特徴的です。

バルサミコ酢

ブドウの濃縮液とワインビネガーを樽で熟成させた酢で、芳醇な香りと濃厚な味わいが特徴です。加熱して甘味を引き出して肉料理のソースにしたり、そのままサラダやデザートにかけてもおすすめです。

 

原料によって味や香りに違いがあり、穀物酢はさっぱり、米酢はまろやか、黒酢はコクがあるなどの特徴があります。
酢の原料と種類

 

酢の成分

酢の主成分は、酢酸です。酢酸の濃度が高いほど、酸味が強くなります。
その他の成分には、クエン酸やグルコン酸、コハク酸などの有機酸やアミノ酸が含まれています。

酢の主な働き

内臓脂肪の減少

酢の主成分である酢酸が内臓脂肪を減らすと言われています。
酢酸が体内に入ると、AMPKという酵素を活性化させます。AMPKは、糖質が中性脂肪に変わる代謝回路を抑制し、脂肪の分解を促進します。

血圧上昇抑制

酢酸が体内で代謝されるとアデノシンという物質ができ、血管を拡張させることで、血圧の上昇を抑制すると考えられています。

腸内環境を整える

酢酸には、腸内の悪玉菌の増殖を抑えるなど、腸内環境を整える効果があります。
便通もよくなるので、便秘対策にも有効です。

疲労回復

体内に乳酸が溜まることで疲労を感じますが、酢に含まれる酢酸やクエン酸にはこの乳酸の分解を促進させたり、乳酸の生成を抑制させると言われています。
また、疲労の原因の一つに、体内のグリコーゲンの減少が挙げられます。
グリコーゲンとは、ご飯やパンなどに含まれるブドウ糖の集合体です。ブドウ糖を酢と一緒に摂取すると、グリコーゲンの補充が効率よくされやすいと言われています。
以上挙げた働きの他にも、血糖値の上昇抑制や、カルシウムの吸収促進などにも役立っています。

酢の主な調理特性

臭みをとる

酢には消臭効果があるので、魚や肉などの下ごしらえで酢に漬けることで生臭さをとることができます。

熱変性を促進する

タンパク質は熱により凝固します(熱変性)が、酢はこの熱変性を促進させます。ゆで卵を作る際に、お湯にお酢を加えると卵の凝固が早くなります。

赤色の発色をよくする

酢はアントシアニン系の食材の発色をよくするので、みょうがなどは酢漬けにするときれいな色に仕上がります。

褐変防止

酢はポリフェノール系の色素褐変を防止するので、ごぼうやれんこんなどを切る場合は酢水に漬けるとよいでしょう。

酢のレシピ

食物繊維やオリゴ糖など腸内環境の改善に役立つ栄養素が含まれる「たまねぎ」と合わせた「酢たまねぎ」を紹介します!
サラダのドレッシングや薬味などとしてお試し下さい♪

酢たまねぎ

材料
材料 分量
たまねぎ 2個(200g/個)
米酢 450ml
はちみつ お好み
酢たまねぎ
作り方
  1. たまねぎを薄切りにし、容器に入れる。空気に触れさせ、30分程度置く。
  2. ①に米酢を注ぎ、はちみつを加えてよく混ぜる。蓋をして冷蔵庫で保存する。

1日大さじ1~2杯の酢を目安に取り入れて、代謝のいい体を手に入れましょう!

 

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著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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