日本人が使う基本調味料といえば、「さ(砂糖)・し(塩)・す(酢)・せ(醤油)・そ(味噌)」。
和食ではこの順番で味付けをするといいと言われています。
各調味料の種類や調理特性を知ると、調理がグンと楽しくなります!
今回は、砂糖編をお届けします。
砂糖は、サトウキビやテンサイなどを洗浄・濃縮し、不純物を排除して精製することで作られます。
下記のようなさまざまな種類があります。
私たちは砂糖を使うとき、カロリーや甘みを控えることに注意を払いがちですが、砂糖には優れた調理特性があり、調理上でさまざまな役割を果たしています。
砂糖と水は化学的構造が似ている(水酸基がある)ため、砂糖は水に溶けやすい性質があります。
例えば、和食を作る際、調味料を砂糖から入れるとよいと言われるのは、食品中の水分に砂糖が溶けやすいためです。
また、ココアを作るとき、ココアパウダーに砂糖を合わせてから、牛乳あるいは湯を合わせるとだまになりにくくなります。
砂糖は非常に保水性が高い食品です。
例えば、すし飯が時間が経っても柔らかい理由は、飯に合わせるすし酢の中に砂糖が含まれているためです。
通常米と水を合わせ炊飯すると、米のデンプンは「α-デンプン」となり軟化し消化のよい状態になりますが、時間の経過とともに硬くなります(デンプンの老化)。
すし飯のように飯と合わせる調味料に砂糖を加えることでデンプンの老化を抑えることができます。
食品の水分には食品中の成分と結合している水(結合水)と結合していない水(自由水)があり、自由水が少なければ少ないほど保存性が高いと言えます。
砂糖は水と結合しやすいため、食品に砂糖を加えると砂糖が食品中の自由水を奪い、食品の保存性を高めます。
砂糖の添加量が多いほど、食品の保存性は増します。例えば、ジャムの保存性の高さは、砂糖によるものです。
砂糖には抗酸化性があります。
例えば、クッキーなどはバターを沢山使うので時間が経つと油臭くなります(酸化)が、砂糖を使うことで油の酸化を防ぐことができます。
砂糖は加熱すると形を変えて変化をしていきます。
砂糖の加熱温度が100℃になると、砂糖は溶けてシロップ状になりますが、110~120℃付近になると再結晶化します。
さらに140℃まで加熱すると、再び溶けて焦げ色がついていき、170~180℃付近になるとカラメルになります。
砂糖の取りすぎには注意しながら、その調理特性を理解し、楽しく調理をしましょう!
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