前号ではアルコールの適量について学びましたが、今号では日本酒のマナーについて学んでいきましょう!これからの忘年会やお正月がちょっぴり楽しくなるような豆知識をお届けします!
お酒は大きく分けて醸造酒・蒸留酒・混成酒の3種類があります。
醸造酒とは、原料を酵母によって発酵させたお酒です。蒸留酒は、原料を発酵させて、さらに蒸留させたお酒です。混成酒は、醸造酒や蒸留酒に香料や糖を加えたものです。
日本酒は醸造酒にあたり、米のデンプン質を麹に含まれる酵素の働きによって糖化し、さらに酵母によって発酵させてつくられています。
日本酒は精米歩合と原料で分類される「特定名称酒」とそのほかの「普通酒」に分類されます。「特定名称酒」は8種類に区分されていますが、これらは日本酒をランク付けするものではなく、製法や原料の区分わけです。
これらは白米の重量に対する、麹米の重量の割合が15%以上のもので、さらに醸造アルコールを添加する場合、その重量は原料白米重量の10%以下に限られています。
精米歩合 ※ | 米・米麹 | 米・米麹+醸造アルコール |
---|---|---|
50%以下 | 純米大吟醸酒 | 大吟醸酒 |
60%以下 | 純米吟醸酒 | 吟醸酒 |
60%以下 または特別な醸造方法 (要説明表示) |
特別純米酒 | 特別本醸造酒 |
70%以下 | - | 本醸造酒 |
精米歩合に特別な規定なし | 純米酒 | - |
※精米歩合…
「精米歩合60%以下」は、玄米の表層部を40%以上削り取った状態を意味する。 「特定名称酒」以外の日本酒を「普通酒」といいますが、精米歩合70%以上の米や、特定名称酒に使われているもの以外の原料を用いたり、添加する醸造アルコールが10%以上のものなどがあります。
日本酒を楽しむために、知っておきたい大人のマナーを学びましょう。
相手のお酒が酒器の1/3以下になってから、相手にお酒を勧めるようにします。相手が飲んでいる最中や、まだ半分以上お酒が入っているような場合は勧めないのがマナーです。
また、注ぐ際は徳利を右手で持ち、左手を底に添えて右手の甲を上にして両手で注ぐのが基本です。例えば、自分の右隣にいる人に注ぐ場合、右手首を返して右手の甲を下にして注ぐのは「逆さ注ぎ」といって無作法になるので注意しましょう。
お酒を勧められたら、酒杯に残っているお酒を一口飲んでから酒杯を差し出します。このとき、残ったお酒を飲み干す必要はありません。
注いでもらう際は、片手で酒杯を軽く持ち、もう片方の手の指先を酒杯の底に添えるようにします。注いでもらったら、お礼を言ってその場で一口飲むのがマナーです。また、相手の酒杯があいていたら、お返しのお酌もしましょう。
徳利の中に少し残ったお酒を集めて、1本の徳利にまとめるのはマナー違反です。日本酒の味や香りに影響します。
相手の酒杯に注ぐときは、必ず声をかけてからにしましょう。
徳利を振って中身が残っているかどうかを確認する行為はマナー違反です。熱燗など温めたものの場合、お酒が冷める原因にもなります。
徳利の中をのぞいてお酒が残っているか確認するのもマナー違反です。
なみなみとお酒を注ぐと、飲みにくくなったり、服を汚してしまう場合もあるので、適度な量を注ぐようにするのが相手への配慮です。
アルコールに弱い人や、好きではない人に飲ませるのはアルコールハラスメントです。皆が楽しい時間を過ごせるよう心掛けましょう。