登山の栄養学

登山の栄養学

登山でリフレッシュ!
今回は山ガール&山ボーイのために、楽しく元気に登山ができるための食事と水分補給についてご紹介します♪

山に登る

消費するエネルギーは日常生活の2倍!?

厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2013」によると、登山で消費するエネルギーは次のように求めます。

6.5メッツ  ×1.05キロカロリー ×体重(kg) ×時間(h)

※6.5メッツ:登山の運動強度
※1.05キロカロリー:安静時座位消費エネルギー

例)体重55kgの女性が6時間の登山をした場合
6.5×1.05×55×6=約2,250kcal

成人女性の基礎代謝が約1,100kcalなので、簡易計算で普段の2倍以上のエネルギーが必要ということがわかります。
登山は運動時間が長いため、エネルギーの損失は膨大なのです。1度の食事量を倍にするのではなく、足りない分は登山中こまめに補給します。

エネルギー源となる栄養素

「炭水化物」+「脂質」 この2つを混ぜて酸素で燃やして筋肉を動かします。

  • 炭水化物
    登山の運動強度で数時間分の貯蓄しかない。単独でエネルギー源になる。
  • 脂肪   :
    登山の運動強度で1週間分ほどの貯蓄がある。炭水化物がないとエネルギーにならない。

つまり、炭水化物をとらないと筋肉は機能せず、脂肪も燃えないのです。登山ではいかに炭水化物を摂取するかが大切になります。

登山の食事

登山当日:しっかり朝食をとろう!

朝食に適しているのは、米、パン、うどん、そば、芋などの多糖類です。
多糖類は食べてから消化吸収されるまで時間がかかるので、しっかりと体のエネルギー源になります。昼食も多糖類が適しています。

グラフ

登山中:こまめに行動食をとろう!

行動食とは通常の食事では足りないカロリーを補完するために食べる食事です。空腹かどうかにかかわらず、こまめに摂取することが大切です。
血糖値をすぐ上げるチョコレートや飴、煎餅などが代表的です。最近では、片手で食べられる「スポーツ羊羹」も人気です。
平均的に1時間当たり(休憩除く)100~200キロカロリーを補給しましょう!

登山おやつ

登山中:こまめに水分と電解質(カリウムやナトリウム等)をとろう!

脱水症状で起きること:疲労、筋肉の痙攣、頭痛、吐き気、熱射病や日射病

登山では大量に汗をかき、水分や電解質が失われます。乾く前に水やスポーツドリンクをこまめに飲みましょう。
渇きを感じたときは、既に運動能力は落ちています。

また、一気に飲むと胃腸の負担になり、疲労感が高まります。
自然塩や梅干などを持ち歩くのもおすすめです。

ドリンク

その他の栄養素

分岐鎖(ぶんきさ)アミノ酸(BCAA)

筋肉痛の防止や回復に役立ちます。サプリメントの利用も効果的です。

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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