前回はコーヒーについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
今回は紅茶の魅力をご紹介したいと思います!
紅茶の樹は、ウーロン茶と同じツバキ科の常緑樹でもともとチベット、ミャンマーにかけての山岳地帯に自生していたとされます。
お茶は中国で高貴な人々に薬として飲まれており、飲み物として一般化したのは6世紀以降のことです。
ヨーロッパにお茶がもたらされたのは17世紀で、中国のウーロン茶系のお茶がヨーロッパ人の人気を呼び、製造業者が買い手の嗜好に合わせてその発酵を進めているうちに、強く発酵した紅茶が誕生したと言われています。
イギリスで最初にお茶が売られた1657年当時はまだ『万病に効く秘薬』でしたが、1662年にチャールズ2世のもとに嫁いできた王女キャサリンが中国の茶と砂糖を大量に持参し、宮廷に喫茶の習慣を広めました。当時、お茶も砂糖も大変貴重なものでしたが、この贅沢な習慣は次第にイギリスの貴族社会に広まりました。
初めてお茶を商品として飲ませたのは、イギリス貴族や文化人達の社交場であったコーヒーハウスです。
このコーヒーハウスが次第に大衆化して一般人にも親しまれるようになります。
そこから、紅茶は各家庭でも楽しまれるようになり、食料品店でも取り扱われるようになります。
こうして紅茶はイギリスで大量に消費されるようになりました。
この頃、イギリスは財政を潤すために紅茶の関税を高くし、植民地のアメリカに紅茶を押し付けたため、紅茶の税金の高さに憤慨したアメリカの人々はイギリスからの紅茶を乗せた船から紅茶を次々に海へ投げ落とす、ボストン茶会事件を起こしました。
そうした事件が引き金となり、アメリカ独立戦争が起こります。
紅茶が日本にやってきたのは明治20年の事です。当時輸入された紅茶は、たったの100㎏であり、ヨーロッパ文化への憧れとして中国からではなく、イギリスから輸入されました。
この紅茶は、日本の茶の湯の伝統にも匹敵する舶来の文化として上流社会でもてはやされました。
紅茶にはポリフェノールの一種であるフラボノイドが含まれています。
このフラボノイドは有害な活性酸素が体内で作られるのを抑制してくれる働きがあります。
活性酸素は、異物から体を守る重要な働きをするものですが、紫外線やストレスなどで増えすぎると細胞を老化させます。
これを防ぐのに役立つのが抗酸化物質であるフラボノイドです。他にも抗酸化物質にはビタミンCやビタミンEがあります。
抗酸化物質は『若返りの物質』とも言われていますが、血管組織を強くしたり、メラニン色素生成を抑制したりと、美容にも効果が期待されています。
また、このフラボノイドはビタミンC、Eやセレンなどの他の抗酸化物質と一緒に摂取することで効果アップが期待されています。
毎朝パンを食べる方も多いと思いますが、いつもの朝食にフルーツと紅茶を添えてみては如何でしょうか。
紅茶フラボノイドには抗菌・殺菌作用もあります。
O-157や、ボツヌリス菌などといった一般的な食中毒細菌に効果があることが知られています。
また、インフルエンザウイルスの増殖や活性化を抑制する作用もあり、紅茶を飲むだけではなく紅茶でのうがいも効果的です。
ただし、ミルクを加えると効果が減少するのでストレートで飲むのが良いでしょう。
紅茶に含まれるアミノ酸の一種であるテアニンには疲労回復や睡眠の質を高める効果があり、身体の緊張や興奮を和らげてくれます。
また、紅茶の場合はテアニンがカフェインの作用を抑制し、更に紅茶の香りや色に関わる成分であるタンニンと結合して体内に取り込まれ、コーヒーに比べると緩やかに作用します。
そのため、覚醒作用よりも鎮静作用のほうが強く働くようになります。
紅茶を飲んだ時にほっと、穏やかな気持ちになるのはこの鎮静効果や紅茶の香りによるアロマテラピーの効果によるものです。
紅茶には美容や健康に嬉しい効果が沢山あります。
朝食や午後のひと時、夜のリラックスタイムに紅茶を気軽に取り入れてみてはいかがでしょうか。