石焼き芋の魅力

石焼き芋の魅力

石焼き芋のおいしい季節ですね。「石~焼き~芋~」と、売りにくる焼き芋屋さんの石焼き芋、みなさんは食べたことはありますか?

サツマイモの収穫は8月上旬から始まり、旬は9~11月頃ですが、貯蔵してからある程度の水分が蒸発した1~3月頃がおいしいといわれます。
石焼き芋のホクホクしてコクのある甘さと香ばしさの秘密は、加熱方法にあります。
サツマイモなどのデンプンはゆっくり加熱すると糖がより多く生成されます。芋のデンプンを麦芽糖に変える酵素「β(ベータ)-アミラーゼ」が働く温度は65~85℃で、その温度帯でじっくりと時間をかけて加熱することで、強い甘味を生み出します。
石焼き芋が甘いのは、石から発せられる遠赤外線がサツマイモをゆっくり加熱するためなのです。

石焼きいも屋台

ところで、サツマイモはおいしいだけではなく、他にもたくさん魅力があります。

豊富なビタミンC

サツマイモには、ビタミンCが豊富に含まれています。100g中の含有量は柑橘類に匹敵し、加熱前は29㎎、焼き芋でも23mg含まれています。
サツマイモのビタミンCは、周りをでんぷんに包まれているため、加熱による損失が少ないのが特徴です。
ビタミンCは、免疫力を高め、風邪の予防に効果的です。
また、細胞の結合を強化するコラーゲン生成を助ける機能があり、美肌効果、シミやソバカスの予防、老化防止にも効果が期待できます。

やきいも

食物繊維の宝庫

サツマイモの食物繊維は、「水溶性と不溶性」の両方を豊富に含みます。
不溶性食物繊維は腸の中で長時間とどまるため、満腹感を得ることができ、食べ過ぎを防ぎます。
さらに、腸を刺激して便秘を解消する作用があります。
また、水溶性食物繊維には、コレステロールの吸収を抑える作用があり、大腸がん、高血圧などの予防に効果的です。

その他

サツマイモには、生体膜を守り、ガン細胞の増殖を抑えるといわれる「β(ベータ)-カロテン」、糖質の代謝を助けるビタミンB1、老化現象の元になるといわれる過酸化脂質が体内にできるのを抑制する働きがあるビタミンEなども、バランス良く含まれています。
他にも、体内の余分なナトリウム(塩分)を排出し、血圧低下やむくみの解消に効果があるカリウムも豊富です。
皮に多く含まれている、ポリフェノールの一種で抗酸化作用があるアントシアニンは、人間の網膜にあるロドプシンという色素に刺激を与えて、活発化させてくれる効果があるため、眼精疲労に効果があります。
サツマイモの切り口に出る白い液体は、サツマイモだけに含まれるヤラピンという糖脂質で、便をやわらかくして、食物繊維との相乗効果で便秘予防に活躍してくれます。
ヤラピンや、抗酸化物質であるクロロゲン酸は、皮の近くに入っているので、皮ごとの調理がおすすめです。

サツマイモの主な栄養成分値

食材100gあたり

サツマイモ 焼き芋
エネルギー 134kcal 163kcal
たんぱく質 1.2g 1.4g
脂質 0.2g 0.2g
炭水化物 31.5g 39.0g
カリウム 480㎎ 540㎎
ビタミンE 1.5㎎ 1.3㎎
ビタミンC 29㎎ 23㎎
食物繊維 2.2g 3.5g

甘いので高カロリーだと思われがちなサツマイモですが、実はジャガイモよりも低カロリーです。
焼き芋100gはごはん100gと同じくらいのカロリーになります。
少量でも満腹感が得られることを考えると、サツマイモはダイエットに適しているといえそうです。

じゃがいも サツマイモ ごはん

栄養価に優れたサツマイモ!低カロリーでダイエットにもおすすめです!!

著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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