毎年、春や秋になるとくしゃみ、鼻水、目のかゆみといった症状に悩まされる花粉症。薬を飲んで症状を緩和しながら、花粉の飛散時期が終わるまで耐えるという方も多いのではないでしょうか。
そんな辛い症状を引き起こす花粉症ですが、実は、腸内環境と深い関係があるということが分かっています。そして、日頃から腸活をして腸内環境を整えておくと、次の時期に症状が楽になる可能性があるともいわれています。
今回は、花粉症のメカニズムについて解説しながら、管理栄養士直伝の腸活レシピをご紹介します!
花粉症は、体に入った異物(花粉)を排除しようとして体が起こす免疫反応によって起こります。
通常、異物を体の外に排除しようとする免疫の働きは、ウイルスや細菌、カビなどさまざまな病原体から体を守ってくれる大切な機能です。しかし、その反応が過剰になり、本来は敵でないものまで攻撃してしまうようになると、鼻水やくしゃみなどの辛い症状を引き起こし、私たちにとってマイナスに働いてしまいます。
次のようなメカニズムによって、花粉症の症状が引き起こされています。
あの辛い症状は、入ってきた敵(花粉)を体外に排除するための防衛反応だったんですね。
同じ環境にいても、花粉症を発症する人としない人がいますが、それはなぜでしょうか?それは、花粉に対して抗体を作りやすいか、作りにくいかの違いによるものです。花粉症の発症には遺伝的な要素や体質、生活習慣が関わっているといわれ、人それぞれ花粉に対する体の許容量が異なります。
花粉症には、免疫反応の異常が大きく関わっていることが分かりましたが、その免疫のカギとなるものが腸内環境です。
私たちの体は、常に免疫細胞が全身をくまなくパトロールしていて、至るところから侵入する異物や病原菌の排除に励んでいます。そのなかでも、腸は食事によってさまざまな細菌、病原菌が侵入しやすいため、全身の約70%にあたる免疫細胞が集中して働いている場所です。そのため、腸内環境が悪いと免疫細胞にも悪影響を与えてしまい、免疫の働きに異常が起こるといわれています。
腸内には免疫細胞の約70%が集中していることが分かりました。次に、理想的な腸内環境や整える方法について解説します。
腸内環境をつくる腸内細菌は3種類に分けられ、私たちによって良い働きをしてくれる善玉菌、悪い働きをする悪玉菌、善玉菌と悪玉菌の優勢な方の味方をする日和見菌がいます。
理想の割合は、善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7です。日和見菌が善玉菌の味方についてくれるように、常に善玉菌が多い環境にすることが大切です。
善玉菌を増やすために重要なのが「プロバイオティクス」「プレバイオティクス」「シンバイオティクス」の3つです。
それぞれ、どんなものか見てみましょう♪
プロバイオティクス | 生きたまま腸に届き、体によい働きをする微生物やそれらを含む食品
例)ヨーグルト、乳酸菌飲料、チーズ、キムチ、味噌など |
プレバイオティクス | 善玉菌のエサとなることで、腸内環境を整える働きをする食品
例)玄米、大豆、ごぼう、きのこ、わかめ、バナナなど |
シンバイオティクス | プロバイオ・プレバイオの両方が入っている食品
例)きのこやわかめの味噌汁、バナナ入りヨーグルトなど |
腸活では、これらの食品を上手に活用することで、腸内環境を整えていきましょう!
今回は、プロバイオティクスとプレバイオティクスの両方を1度に取ることができるレシピをご紹介します!
レシピで使用しているヨーグルトは「プロバイオティクス」、きな粉は、食物繊維が豊富な大豆から作られているため「プレバイオティクス」です。
材料 | 分量(2人分) |
ヨーグルト | 300cc |
きな粉 | 大さじ2 |
砂糖 | 大さじ1 |
水 | 100㎖ |
粉寒天 | 2g |
ゆで小豆 | 大さじ1~2 |
黒蜜 | |
・黒砂糖 | 大さじ2 |
・水 | 大さじ1 |
<下準備>
ヨーグルトを良くかき混ぜて、常温に戻しておく。
※冷えたものを使うと寒天が固まってしまうため注意!
<手順>
ヨーグルトは、自分のお腹に合ったものを見つけることが大切です。方法としては、同じヨーグルトを毎日200g程度、1週間食べ続けて便の状態や体調の変化をチェックします。いろいろな種類を試して、自分に合ったヨーグルトを見つけてみましょう。
また、乳酸菌やビフィズ菌の多くは胃酸に弱く、空腹時に食べると胃酸に負けてしまうことがあるため、食事中か食後に取るのがおススメです。日頃から腸内環境を整えて、花粉症対策をしていきましょう!
・花粉症は免疫機能の異常によって引き起こされる
・免疫機能の約70%は腸に集中。腸活で腸内環境を整えることが大切
・プロバイオティクスやプレバイオティクスを含む食品を上手に組み合わせるのが腸活のポイント