いよいよチョコレートの祭典、バレンタインデーも近づいてきましたが、みなさん、お目当てのチョコレートは手に入りましたか?チョコレートと一口に言っても、さまざまな形状や食感のものがあり、楽しみが広がります。
そんなチョコレートが、何からどうやってつくられるのか、みなさん知っていますか?今回は、チョコレートの原料となる「カカオ」について説明します。また、3つの材料だけでレンジを使って簡単につくれるトリュフチョコレートのレシピもご紹介するので、ぜひつくってみてください!
カカオは、アオイ科に属し、高さは7~8m、幹の太さは大きいもので30~40cmにもなる、大きな樹木です。カカオは1本の木で年間5000~1万5000個もの花を咲かせますが、そのうち実になるのは多くても300個といわれるほど、実になりにくい植物です。さらに、収穫できるまでは種をまいてから3~4年もかかるといわれています。その実の中にあるカカオ豆がチョコレートの原料となるのです。
カカオは、カカオベルトと呼ばれる栽培に適した、高温多湿な気候が分布する場所でしか育たないといわれています。その気候に該当するのが、ベネズエラやエクアドル、メキシコなどの中南米地域、ガーナやコートジボワールなどの西アフリカ地域、インドネシアなどの東南アジア地域です。
世界のカカオの年間生産量は、500万トンを超えています。そのうちの80%弱を占めているのがアフリカです。ちなみに、日本の輸出量は約5万トンで、全体の1%ほどと、とても少ないです。
カカオは主に、クリオロ種・フォラステロ種・トリニタリオ種の3種類に大きく分けられ、チョコレートの原料として生産されています。
このうちのクリオロ種は、カカオ全体の0.5%ほどの栽培量しかない、とても貴重な品種です。なぜなら病気になりやすく栽培が難しいためです。反対に、栽培量が最も多い品種は、フォラステロ種で、生産量の80~90%を占めています。トリニタリオ種は、その中間の10~15%の生産量で、栽培しやすく質も良い品種です。
カカオはフルーツに分類されています。カカオ豆を包んでいる白い果肉(カカオパルプ)を使ったジュースは、甘酸っぱくフルーティーな味がします。
種をまいてから約4年たつと、カカオポットと呼ばれる実を収穫できるようになります。そのカカオポットの中にたくさん入っている白い果肉(カカオパルプ)に包まれた豆が、カカオ豆です。
取り出したカカオ豆は、果肉ごとに木箱に入れたり、バナナの葉をかぶせたりして数日間発酵させ、さらに輸送できるように十分に乾燥をさせます。そのため、チョコレートは発酵食品といえます。(発酵食品についてはコチラ)
この発酵には、カカオの果肉であるカカオパルプが欠かせません。カカオパルプには、水分や糖質が豊富に含まれているため、発酵に必要な微生物にもってこいの環境をつくることができるのです。また、発酵させることによって、チョコレート特有の香りや味の元となる糖質やアミノ酸がつくられます。
ちなみに、収穫後のカカオ豆は紫色をしていますが、発酵によって茶色に変わります。
こうしてカカオ豆を手に入れても、そのままでは美味しいチョコレートにはなりません。ここからさらに手間が加わります。
乾燥したカカオ豆をローストし、風味を引き出します。ローストする方法は2つで、豆そのものを直接ローストする方法と、荒く砕いて皮などの余分なものを取り除いてからローストする方法です。豆の産地や状態を見て、丁寧に調整していきます。
そして、ローストしたカカオ豆を細かくすりつぶし、カカオマスというペースト状にします。(カカオマスについて詳しくはコチラ)
このカカオマスにミルクや砂糖、ココアバターなどを練るように混ぜ、型に入れて冷やし固めると、ようやくチョコレートができあがります。
粒子が細かければ細かいほど口当たりがなめらかになるため、練る作業がとても大事になるのです。
甘みの強いチョコレートは、食べすぎると鼻血が出る…と言われるなど、あまり体に良くないイメージがあるかと思います。
ですが近年、さまざまな研究が進み、カカオに含まれるカカオポリフェノールやテオブロミン、食物繊維など、体に有用な成分があることがわかっています。
では、チョコレートを食べるとどういった健康効果が得られるのでしょうか。
カカオの代表的な成分で、苦みと渋みはこの栄養素によるもの。高カカオのチョコレートが苦く感じられるのはそのためです。
体内の酸化を抑えてくれるため、肌の老化や動脈硬化の予防効果が期待できます。
こちらも苦み成分なので、カカオポリフェノールと同様に、高カカオのチョコレートほど含有量が多くなり、苦みが増していきます。
血管を拡張する作用があるため血流が良くなり、冷え性の改善やリラックス効果をもたらします。
不溶性食物繊維の一種で、腸内環境を整え、便通の改善に効果があります。
食物繊維についてはコチラ
腸内環境についてはコチラ
この他、カカオにはカフェインも多く含まれています。
砂糖もミルクも少ない高カカオチョコレートが体に良いからといって食べ過ぎると、カフェインによる不眠や頭痛が起きる可能性もあります。食べ過ぎには注意しましょう。
スーパーでよく売られている板状のチョコレートに始まり、ちょっと高級感のある生チョコやトリュフ、ガナッシュなど、さまざまなチョコレートが売られています。
名称はよく耳にするけれど、イマイチ違いがよくわからない!という方も多いのでは。
チョコレートに生クリームを加えて乳化させ、なめらかな食感に仕上げたクリーム状のチョコレートのことをいいます。
これを冷やして固め、ココアパウダーなどをまぶしたものが生チョコレートと呼ばれ、球形に成形し、冷やし固めたものにさまざまなコーティングを施したものが、トリュフと呼ばれます。
ケーキなどにも使われるため、ガナッシュはチョコレート菓子をつくるのにおいて、欠かせない材料ともなっています。
通常のチョコレートよりも水分量が多いのが生チョコレートですが、日本国内で「生チョコレート」と名乗るには、日本独自に定める規約をクリアしなくてはいけません。
製品に含まれるチョコレートが占める割合や、水分量などが細かく指定されています。これからチョコレートを作って販売したい!という方は、要注意ですね。
今回は、とても手軽につくることができるトリュフチョコレートのレシピをご紹介します!湯せんではなく電子レンジを使ってチョコレートを溶かすため、簡単につくれます!
さらに、材料も3つだけなので、初めてお菓子をつくる方にもおすすめです♪
<ガナッシュ>
材料 | 分量(15個分) |
チョコレート(ミルクやブラックなどお好みでOK) | 200g(板チョコ4枚) |
生クリーム | 100ml |
<トッピング>
ココアパウダー(無糖) | 適量 |
トッピングはココアパウダーだけでなく、アーモンドプードルや抹茶パウダー、フリーズドライパウダーなどをかけると、カラフルで見た目もかわいくなるのでおすすめです!
また、ブランデーを加えると大人の味に大変身します!
今回は、カカオとチョコレートについてご紹介しました。
甘くて美味しいだけでなく体にいい成分も入っているとしたら、とても嬉しいですよね。
とはいえ、糖分も脂肪分も多く含まれている食べ物です。食べ過ぎないよう、量を決めて食べましょう!