脱水というと、暑くてたくさん汗をかく夏に起こるものというイメージが強いと思いますが、実は1年中注意が必要です。特に、アスリートや運動習慣のある方の場合は、寒い時期でも汗をかくことも多いため、季節に関係なく予防することが大切です!
今回は、どんな時期でも飲みやすい脱水予防レシピをご紹介します!
脱水とは体液が失われて、身体にとって欠かせない水分と電解質が不足している状態です。
原因は下記のようなものがあります。
脱水には高張性脱水、等張性脱水、低張性脱水の3つの種類があります
電解質より、水分を失って体液が濃くなっている状態
例)汗をたくさんかく など
水分も電解質も同じくらい失っている状態
例)下痢、嘔吐 など
水分より、電解質を失って体液が薄くなっている状態
例)電解質を含んでいない水分をとった時 など
運動中に注意が必要なのは低張性脱水です!
汗をかくと水分だけでなく、ナトリウムなどの電解質も失います。その状態で水だけを飲むと体液が薄まるため、低張性脱水が起こる危険があります。水分をとっているのに脱水が起こるのは、水だけを飲むと体液の濃度がこれ以上薄くなるのを防ごうとして、のどの渇きを感じにくくなるためです。そして、濃度を元に戻そうとして、より水分を尿として排出します。そのため、水をとっただけでは、身体にとって十分な水分補給とはいえないのです。
成人の場合、体重の約60%は水です。そのため、脱水が起こると全身に症状が現れます。脱水の症状は失われた水分の割合によって異なりますが、特に、体液が多く存在する脳、消化器官、筋肉などに異変が生じるといわれています。下の図では、水分損失率に対する代表的な症状についてみてましょう。
水分損失率 | 代表的な症状 |
1% | 大量の汗、のどの渇き |
2% | 強いのどの渇き、めまい、吐き気 |
3% | 汗がでなくなる |
4% | 全身脱力感 精神不安定 |
8% | 手足のふるえ、ふらつき、体温上昇 |
10~12% | 失神、循環不全、血液減少、腎機能不全 |
15~17% | 嚥下不能、目の前が暗くなる、聴力低下、 |
20%以上 | 死亡 |
体液は汗や尿だけでなく、皮膚から蒸発して体外へ出ていきます。冬にかけて空気が乾燥するため、水分の蒸発が進みやすくなり、夏と比較して冬の方が皮膚よりの水分蒸発量が増える傾向にあります。そのため、夏ほど汗をかいていなくても体液が失われていきます。特に体育館などで行うスポーツでは、暖房器具を使用しながらの活動することもあるため、屋外で行うスポーツより空気が乾燥しやすくなります。
皮膚からの水分蒸発は汗のように実感することがなく、急激に水分が減るわけではないため、体液が失われているという自覚をしにくいです。また、冬は夏のように気温が高くないためのどの渇きも感じにくくなることから、水分を摂取する頻度が下がりやすくなります。
適切な水分摂取量は、体重減少が体重の約2%におさまることが目安とされています。なぜなら、体内の水分の2%を失うと、のどの渇きを感じるだけでなく、運動能力が低下し始めるからです。アスリートにとって、運動能力の低下は避けたいものです。そのため、トレーニングを始める前と後に体重を測り変化を見ることで、トレーニング中の水分量が適切であったかどうかの目安を知ることができます。
寒い時期の水分補給のポイントをご紹介します!
先述した通り、冬は夏よりのどの渇きを感じにくいです。また、競技に集中するとのどの渇きに気が付かないこともあるため、水分補給をしているか声を掛け合うことも大切です。
先述した通り、水だけの補給ではナトリウムなどの電解質が不足し、低張性脱水に陥る危険があります。競技中には電解質を含んだスポーツドリンクを飲みましょう!
水分摂取は体温調節の役割もあるため、夏場は冷たい飲み物を飲むことがおすすめです。しかし、寒い時期の場合は胃腸が冷えて消化吸収が悪くなる場合があります。そのため、運動をする前後は常温の飲み物が良いといわれています。
ただし、競技中などのたくさん汗をかくときは、熱中症予防のためにも冷たい飲み物にしましょう!
汗をたくさんかく競技中はスポーツドリンクが一番ですが、今回は競技前後、特に競技後におすすめの甘酒ココアをご紹介します!甘酒は「飲む点滴」といわれているほど、糖質、アミノ酸、ビタミンなどが豊富に含まれています。特にビタミンB1は疲労回復にかかわるビタミンなので、活動量が多いアスリートは積極的にとりたい栄養素です。さらに、ココアに含まれている「テオブロミン」には、幸せホルモンといわれている「セロトニン」の分泌を促すといわれています。そのため、試合で緊張状態が続くアスリートにとってぴったりです!
★甘酒についてのオススメコラム ⇒ 飲む点滴 ~米麴甘酒の世界~
小さく切ったバナナを入れると補食になります!
また、牛乳を入れるとカルシウム補給になるのでアレンジも楽しみながらつくってみてください!