だんだんと過ごしやすく、スポーツなどしやすい気候となってきましたね。
突然ですが、みなさまは「スポーツ貧血」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。貧血は経験したことがあるかもしれませんが、実は、体を動かす時にも注意が必要です。今回は、スポーツを楽しむための「スポーツ貧血」の種類や対策、おすすめレシピをご紹介いたします♪
貧血は、様々な原因によって起こります。特に、ランナーや激しい運動をされるアスリートに起きやすい貧血が体内の「鉄欠乏」によるものです。運動中の筋肉は大量の酸素を必要とするため、ヘモグロビンが減少すると酸素運搬能力が低下し、運動中の息切れや動悸、疲れやすさ、パフォーマンスの低下にもつながってしまいます。
また、激しい運動によって、汗をかくため汗と一緒に鉄の流出量が増加するだけでなく、酸素を運ぶヘモグロビンを作るために鉄の消費がさらに加速します。その他、運動後に尿中に排泄される量も増加し、鉄の損失量が多くなります。さらに、激しいトレーニングによって食欲不振や消化不良によるエネルギーの収支バランスの崩れによっても生じやすくなります。
スポーツ貧血の約9割が鉄欠乏性貧血だといわれています。原因には、鉄の摂取不足、鉄吸収の低下、消化管出血・血尿、発汗、月経などによる鉄喪失があげられます。体の成長にともない鉄の需要の増える成長期の子供に多くみられます。
また、年齢に関わらず激しい動きをする運動の場合には、大量の発汗が生じるため、汗と一緒に鉄が失われてしまいます。例えば、1時間に約2ℓの汗をかいた場合に、鉄も約1㎎失われてしまうともいわれています。(体内の鉄の量:3~4g)
マラソンやサッカーなど長時間走り続けると、足の裏、特にかかとに衝撃がかかり続けて、赤血球が壊されてしまうため、放出されたヘモグロビンが肝臓で処理されて失われてしまいます。赤血球の寿命は通常120日程度ですが、新しく作られる赤血球の数よりも破壊が進んでしまうことで生じます。
通常、貧血予防というと鉄補給を1番にイメージされるかもしれません。ところが、最も大切なのは「十分なエネルギー摂取すること」です。
活動エネルギーの主体は糖質ですが、減量を目的とした極端な糖質制限をしてしまうと、運動はおろか生命維持のためのエネルギーさえも不足してしまう可能性があります。そして、エネルギーが枯渇すると、体は体内のタンパク質を分解してエネルギーを作り出すようになります。その結果、筋肉がやせてしまったり、ヘモグロビン合成のためのタンパク質も不足し、体内に鉄が十分にあってもヘモグロビンが作られなくなってしまいます。
貧血予防には、食事からしっかりと鉄を摂取することが重要です。食事から摂取する鉄には、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があります。ヘム鉄は、肉や魚、大豆製品などに多く含まれ、非ヘム鉄は、野菜や貝類などに多く含まれます。
また、鉄を体内で運搬したり貯蔵するためには「タンパク質」も欠かせません。タンパク質は、赤血球の中のヘモグロビンの材料となる栄養素です。
非ヘム鉄は、ヘム鉄に比べると吸収されにくいため、「ビタミンC」が豊富な緑黄色野菜やレモンなどと組み合わせることでヘム鉄へと変化させ吸収率を高めることができます。鉄は吸収される量が決まっているため、一度にたくさん食べるのではなく、毎日コツコツと摂るように意識しましょう。
また、赤血球やヘモグロビンを作るためには、造血ビタミンとも呼ばれるビタミンB6、ビタミン12、葉酸が必要となるためしっかりと摂りましょう。
貧血予防に欠かせない鉄分を含むあさりを使った、フライパンで出来るパエリアをご紹介します♪
(お好みで)
米は研がずに炒めることで本格的なパエリアに仕上がります。