いよいよ夏本番の暑さになってきました!夏になると、キンキンに冷えたビールが飲みたくなる方も多いと思います。しかし、つい飲みすぎて具合が悪くなると、飲んだことを後悔してしまうことも…。夏の時期は二日酔いだけでなく、脱水にも注意が必要です!今回は、アルコールによる脱水と二日酔いを防ぐレシピをご紹介致します!
アルコールには利尿作用があります。通常、尿の量は脳の下垂体から分泌される抗利尿ホルモンによって調整されています。しかし、アルコールは抗利尿ホルモンの働きを抑える作用があります。そのため、お酒を飲むと尿の量が増えてる他、アルコールを分解する過程で水が使われるため、脱水を引き起こします。(アルコールの分解のしくみ参照)
アルコールは吸収されると肝臓で分解されます。まず、アルコールは酵素によってアセトアルデヒドというものに変わります。このアセトアルデヒドは有害物質であるため、頭痛や動悸など体調不良を引き起こします。この物質が分解されず、翌日に残ったままになると二日酔いになります。次に解毒段階に入り、アセトアルデヒドを別の酵素によって無害な酢酸に変えることができれば尿や汗、呼気として体外へ排出することができます。この酵素の活性は個人差があり、解毒が追い付かないほどの多量のアルコールを摂取した時や酵素を助ける水などが不足すると、解毒がスムーズにできず二日酔いになります。
お酒の飲みすぎは、さまざまな臓器に負担がかかります。特に肝臓はアルコールを分解する働きをするため、最も影響を受ける臓器といわれています。そのため、過度な飲酒を続けているとアルコール性肝炎などを引き起こしやすくなります。また、アルコールの消化、吸収に関わる食道、胃、小腸などの消化管や消化酵素を分泌する膵液にも負担がかかるため、逆流性食道炎、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、膵炎などの原因となるといわれています。
大量飲酒の頻度が高い方やアルコール依存症の方は脳が萎縮しやすいといわれています。特に認知症の中でも前頭側頭型認知症との関連が強いと考えられています。前頭側頭型認知症は、人格や行動が大きく変化することが特徴的で、平均発症年齢が55歳と若く、他の認知症と比べ働き盛りの世代に発症しやすいといわれています。
お酒自体のカロリーもありますが、おつまみで揚げ物などの高カロリーのものを一緒に食べるため、糖尿病や脂質異常症、高尿酸血症などの生活習慣病につながる場合があります。お酒が進むとつい食べ過ぎてしまうという方も多いのではないでしょうか。実は、アルコールは食欲をコントロールしている満腹中枢を麻痺させるといわれています。そのため、食欲が落ちにくくなりつい食べ過ぎてしまいます。
お酒を飲みすぎるとニキビなどの肌トラブルも起こりやすいといわれています。ニキビの原因は皮脂の分泌の増加です。糖質が多いお酒や脂質が多いおつまみを摂取することで、皮脂の分泌が増えます。また、アルコールによって血管が拡張され、皮脂を分泌する皮脂腺が刺激されることにより分泌量が増えて、ニキビができやすくなります。
アルコールによる脱水と二日酔いを防ぐためには、節度のある飲酒をすることが一番大切です!日本人において節度ある適度な飲酒量はアルコール量で20g/日程度です。アルコール量20gとは、大体「ビール中ビン1本」「日本酒1合」「チューハイ(7%)350mL缶1本」「ウィスキーダブル1杯」などに相当します。
お酒の量より多くの水を飲むことで、脱水や二日酔いを防ぐことができます。例えば、ビール1リットルを飲むと1.1リットルの水分が失われるといわれるため、お酒を飲んだ時はそれ以上のお水を飲むことを意識しましょう。
アルコールがアセトアルデヒドに変わるときに、ビタミンB1などの栄養素が必要となります(アルコールの分解のしくみ参照)。ビタミンB1は炭水化物をエネルギーに変えるために必要な栄養素で、不足するとエネルギー不足になり疲労につながるといわれています。ビタミンB1が豊富な豚肉、玄米、枝豆などを食べて不足しないようにしましょう。
サラダ油(豚バラ肉を炒める用) 少々
< スープ >
ビタミンB1が豊富な豚肉と水分が豊富な夏野菜がたっぷり入っているため、脱水と二日酔い予防にぴったりなレシピです。
スープでさっぱりと食べやすいため、お酒を飲んだ翌朝の朝食にもおすすめです!
健康のためにも、お酒を楽しむためにも、こちらのレシピをぜひ作ってみてください!
特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
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監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫
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