季節の変わり目や天気が不安定な時に体の不調を感じることはありませんか?それには、自律神経の乱れが関係しているかもしれません!
自律神経とは、交感神経と副交感神経の2つに分かれ、交感神経は体を動かすときに働き、副交感神経は体を元の穏やかな状態に戻そうとするときに働く神経です。これらは1つの器官に対して相反する働きを持ち、必要に応じてどちらかの働きを強め、うまくバランスを保っています。しかし、生活習慣の乱れやストレス状態が続いているとき、季節の変わり目で寒暖差が激しい、気圧の変化が大きいなどの条件が発生すると自律神経のバランスが崩れ、めまい、立ちくらみ、手足の冷え、頭痛などの不調が現れることがあります。
今回は、さまざまな場面で遭遇する自律神経の乱れを整えてくれるお手軽薬膳レシピを紹介します。
八宝粥(はっぽうがゆ)とは、中国や台湾で食べられる甘いお粥です。始まりは旧暦12月8日に、その年の豊作を願うためのお供え物として作られていましたが、現在はお供え物としてだけでなく、ヘルシーでありながらも栄養が摂れる料理として注目を浴びています。八宝粥は8種類の穀物・豆類などを使用し、ゆっくりと煮込んで作られますが、使われる材料は地域や商品により異なります。
6~7月は季節の変わり目の時期であり気候の変化などによって、心身のバランスが乱れやすくなる季節です。この時期の不調に負けないためにも、「トリプトファン」を摂取して、気分や感情をコントロールし心の安定を保つ脳内ホルモン「セロトニン」を増やしましょう。
乳製品や大豆製品、ナッツ類などの様々な食品中に含まれるアミノ酸です。必須アミノ酸の一種であり、体内で合成することができないことから食事からの摂取が欠かせない物質です。トリプトファンは精神を安定させ、鎮痛作用を持つセロトニンの原料となります。
幸せホルモンと呼ばれる物質でノルアドレナリン(神経を興奮)やドーパミン(快感を増幅)と並び、感情や精神面、睡眠など人間の大切な機能に深く関係する物質の1つです。脳は緊張やストレスを感じるとセロトニンを分泌し、ノルアドレナリンやドーパミンの働きを制御し、自律神経のバランスを整えようとします。つまりトリプトファンを適度に食事から摂取することでセロトニンが合成され、自律神経を整えてくれるということです!また、セロトニンは太陽の光を浴びることでも合成されるため、太陽の光を浴びて体内時計を整えることも自律神経を整えるために有効です。
白キクラゲは「世界3大美女の楊貴妃が美容のために好んで食べていた!」ともいわれているアンチエイジング食品として有名な食材です。なかなか普段は使うことのない食材ではないでしょうか。
白きくらげは、食物繊維やビタミンD、カルシウムといった栄養素を多く含んでおり、特にビタミンDの含有量は食品の中でもトップクラスといわれています。実はビタミンDは、心や神経のバランスを整えるセロトニンを調節したり脳の中で神経細胞の保護をする働きがあるともいわれています。
白きくらげを食べて不足しがちなビタミンDを補いましょう!
今回ご紹介するレシピの薬膳とは、中医学に基づく食事の考え方で季節や食べる人の体調に合わせて食材や生薬(漢方薬の原料)を組み合わせた料理のことをいいます。
中医学では、自律神経を司る“肝”の働きが乱れると自律神経が乱れ不調が起こると考えます。実際の症状としては、精神活動、気血の運行、消化活動の調節に影響を及ぼします。強いストレスで食欲に異常がでたり、便秘や下痢になったりするのはそのためであるといわれています。中医学と西洋医学では考え方は異なりますが自律神経の乱れにより食欲や消化器系に支障が出るなど共通する部分も多くあるということです。
いかがでしたでしょうか。自律神経を整えて季節の変わり目も元気に乗り切りましょう!
皆さんもぜひ作ってみてください!