鍋の王道野菜“白菜”~栄養素や健康効果を解説!~

鍋の王道野菜“白菜”~栄養素や健康効果を解説!~

寒くなると食べたくなる鍋料理。今回は、ほっこりと心も体も温めてくれる鍋の王道野菜“白菜”について詳しく解説します。
何気なく食べている白菜に秘められた、冬こそ食べたいそのワケとは?白菜に含まれる栄養素と健康効果を知って、寒い冬を乗り越えましょう♪

白菜ってどんな野菜?

白菜は中国北部を原産とするアブラナ科の一種で、かぶやキャベツなどと同じ仲間です。日本では茨城県や長野県などで多く生産されています。
鍋の王道食材としてイメージされる方も多いかと思いますが、実は葉っぱの内側と外側、芯の部分でも味わいが異なるため、切り方を変えたり、調理法を変えたりすることで、様々な料理に活用することができます。

白菜の旬は?

白菜の旬の時期は11~2月頃です。この時期の白菜は、寒さで凍らないように葉の内側に蓄えたでんぷんをブドウ糖に変化させます。そのため、寒い時期ほど甘みが増します。また、糖分が多いと水分を保持しやすくなるため、瑞々しい食感が保たれます。
白菜は、煮ると柔らかくなり、他の具材とも味がよく馴染むため、鍋料理やスープ、煮物など、体を温める冬の料理に最適な食材です。

白菜_鍋

白菜に含まれる栄養素と健康効果

白菜の約95%は水分ですが、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素もたっぷりと含まれています。

風邪や美肌に欠かせない「ビタミンC」

抗酸化力によって、ストレスから体を守ったり、病気に対する抵抗力を高めたりします。さらに、メラニンの生成を抑え、お肌のハリや弾力に重要なコラーゲンの生成を助けてくれます。

貧血予防や動脈硬化の予防に「葉酸」

葉酸はビタミンB12とともに赤血球を作る働きをしているため、貧血予防に効果的です。
また、葉酸は血管の詰まりや動脈硬化の原因となるホモシステインの濃度を低下させるのにも役立ちます。ホモシステインとは、必須アミノ酸が代謝される過程でできる物質で、血中に増えすぎるとコレステロールと結びつき、動脈硬化を招きます。

むくみや血圧高めな方におすすめ!「カリウム」

体内のナトリウムや余分な水分の排泄を促し、むくみの解消や高血圧の予防が期待できます。白菜は野菜の中で特別にカリウムが多い食材ではありませんが、鍋料理やスープなどの場合、一度に食べる量が多くなるため、しっかりと摂取することができます。カリウムは水に溶けだしやすいため、汁ごと飲むのがおすすめです。その際は、塩分を控えめにしましょう。

便秘の解消に効果的!「食物繊維」

白菜には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれています。
不溶性食物繊維は、腸内で水分を吸い込んで膨らみ、腸を刺激して排便を促したり、有害物質を排泄したりする働きがあります。
水溶性食物繊維は、善玉菌のエサとなったり、糖やコレステロールの吸収を緩やかにしたりする働きがあります。そのため、食後の血糖値の急上昇を防ぎ、肥満の予防にも効果的です。

食物繊維

健康管理士ワンポイントアドバイス:白菜には栄養がない?!

色の薄い淡色野菜であることや水分量の多さから、白菜には栄養がないと言われることがありますが、それは誤りです。先ほどご紹介したように、体にとっても嬉しい栄養素がしっかりと含まれています。また、内側部分にはうま味成分のグルタミン酸が多く含まれています。漬物やキムチとして発酵させるとグルタミン酸量が増えて、よりうま味も感じやすくなります。

白菜キムチ

白菜の栄養素を逃さない調理法

白菜には、加熱で壊れやすい栄養素や水に溶けだしやすい栄養素も含まれています。栄養素を余すことなく摂り入れるために、調理のポイントをご紹介します。

生のまま

ビタミンCや葉酸、カリウムは水に溶け出しやすく、特にビタミンCや葉酸は熱に弱い性質があります。そのため、生のままサラダや浅漬けなどにして食べることで、栄養素の損失を防ぐことができます。サラダの場合には、繊維が柔らかく甘みが強い内側の葉の部分を使用するのがおすすめです。

汁ごと食べる

鍋料理やスープなど汁ごと食べることで、ゆで汁に流れ出たカリウムやミネラルをしっかりと摂ることができます。ただし、ビタミンCなどは熱に弱いため、火が通りやすいように小さく切り、サッと短時間で加熱することも重要なポイントです。さらに、加熱するとかさも減るため、たくさん食べることができます。

電子レンジを使う

電子レンジを使って蒸すと短時間で加熱でき、調理に手間がかかりません。また、蒸した時に出てきた水分も捨てずに食べると、ビタミンやミネラルを逃さず摂取できます。

電子レンジで調理

美味しい白菜の選び方

美味しい白菜を選ぶには、次のような点に注目しましょう。

  • 葉っぱが隙間なくしっかりと詰まっているもの
  • ずっしりと重みがあるもの
  • 丸ごと買う場合は、根に近い部分がふっくらし、1枚1枚が肉厚で張りのあるもの
  • カットされている場合は、切り口がみずみずしいもの

※白菜に黒い斑点がみられることがありますが、生育段階でストレスを受けたときに出るポリフェノールの一種で、問題なく食べることができます。

白菜の保存方法

丸ごと

芯を取らずに、丸ごとキッチンペーパーで包んでから新聞紙で全体を包みましょう。直射日光の当たらない涼しい場所か冷蔵庫の野菜室に立てて保存します。冬場は、玄関やベランダなどの涼しい場所で保存しても大丈夫です。

白菜_丸ごと

カット白菜

芯があると葉が成長を続け鮮度が落ちてしまうので、芯から使いはじめましょう。新鮮な芯の部分にはグルタミン酸が多く含まれているため、先に食べるのがおすすめです。残った葉の部分は乾燥しやすいため、ラップでぴったりと包み冷蔵庫で保存しましょう。

白菜_1/4カット

白菜を切った場合

生のものは、ざく切りにし冷凍用保存袋に入れ、冷凍しましょう。茹でる場合は、固めに茹でて水気を絞り、小分けにしてラップで包み、冷凍保存袋に入れて、冷凍保存しましょう。保存期間の目安は1か月程度で、匂いなどに変化がある時は使用を中止しましょう。

白菜_切った場合

白菜の栄養素を効率よく摂れる目的別レシピ

栄養素を逃さない調理法を活かしたレシピを2つご紹介します。
1つめは風邪を引きやすい方や乾燥肌の方におすすめのレシピ、2つめはむくみやお腹の調子が気になる方におすすめのレシピです。

シャキシャキ白菜と鶏ささみのカオマンガイ風

鶏ささみを白菜の上に乗せることで、白菜の水分で鶏肉がふっくらと仕上がります。さらに、電子レンジを使用して、短時間で加熱するため、白菜のシャキシャキ食感と栄養素の損失を最小限に抑え、甘みも楽しむことができます。仕上げに、生姜を効かせたカオマンガイ風のタレをかけることで、白菜と鶏ささみが無限に食べられる1品です。

材料(2~3人分)
鶏ささみ 3本(150g)
白菜 1/8個
万能ねぎ 1/2束(50g)
生姜 1/2片
塩麹 小さじ2
ニンニクペースト 小さじ1/4
大さじ1
醤油 大さじ1
大さじ2
ごま油 小さじ2
白いりごま 大さじ2
作り方
  1. 鶏ささみをそぎ切りにし、保存袋に入れ、塩麴、ニンニクペースト、酒を加えて揉みこむ。(5分置く)
  2. 白菜を斜め千切りにする。万能ねぎを小口切りにする。生姜をみじん切りにする。
  3. ボウルに万能ねぎ、生姜、醤油、酢、ごま油、白いりごまを入れて混ぜる。
  4. 耐熱容器に白菜を敷き、鶏ささみを広げてのせ、蓋またはラップを軽くして、レンジ(600W)で3~4分加熱する。
  5. 鶏ささみに火が通ったのを確認し、③をかけて完成。

シャキシャキ白菜と鶏ささみのカオマンガイ風

 

白菜の旨味と甘みを味わう!厚揚げの挽き肉あんかけ

白菜の旨味や甘み、そして栄養素を余すところなく味わうため、片栗粉でとろみをつけています。厚揚げをカリっと焼くことで、食べ応えがありながらも、あんかけによって食べやすくなっています。お好みできのこの種類を変えると、味わいも変わるので、ぜひお試しください。

材料(2~3人分)
厚揚げ 1枚(140g)
白菜 1/4個
椎茸 3枚
人参 1/2本
鶏ひき肉(豚ひき肉) 150g
生姜 1/2片
200㏄
ごま油 小さじ1
★和風顆粒だし 1/2カップ
★塩麴 大さじ3
★粗挽きこしょう 少々
◎片栗粉 小さじ2
◎水 大さじ1
作り方

【事前準備】
厚揚げに熱湯をかけて油通しをしておく。

  1. 厚揚げを横半分の2㎝幅に切る。
  2. 白菜は一口大にざく切り、椎茸は薄くスライス、人参は短冊に切る。
  3. フライパンを中火で熱し、厚揚げを並べて、両面に焼き色が付くまで焼き、深さのあるお皿に取り出す。
  4. ③のフライパンを中火で熱し、ごま油を引く。鶏肉とすりおろした生姜を加え、軽く炒める。
  5. ④に②を加え軽く炒め、水と★の調味料を加えて、野菜がしんなりするまで加熱する。
  6. ⑤によく混ぜた◎を加え、中火でとろみがつくまでヘラで混ぜる。
  7. 厚揚げに⑥のあんかけをかけて完成。

白菜の旨味と甘みを味わう!厚揚げの挽き肉あんかけ

 

冬に食べたい!おでんについて知りたい方はこちら!

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著者アイコン著者紹介

特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
全国各地で様々な対象者の方向けの講演会を行ったり、執筆活動を行うなど精力的に活躍する当協会の健康管理士、管理栄養士が担当しております。
それぞれ得意の分野を活かし、今知りたい「食や健康」をお届け!
毎月の食Doのテーマや、食Do執筆の裏側を公開する「裏食Do!」(アメブロ)Instagramなどもぜひお楽しみに!!
監修:日本成人病予防協会 会長 医学博士 片野 善夫          

       
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