学童期(6~11歳)は、幼児期に続き、全身の骨格の成長がみられ、歯も乳歯から永久歯へと生え変わる時期です。消化・吸収力や代謝が高まり、活発に運動することも増え、エネルギー代謝は亢進し食欲旺盛になります。また、食生活の基礎ができ、食習慣が確立される時期です。この時期の目標としては、正しい生活習慣を身に付けていくことを大切にしましょう。
起床時は、体温は低く、エネルギー源になる血中のブドウ糖が少なくなり、脳も体もエネルギー不足の状態になります。
朝食を取ることで必要なエネルギーが補給され、体温が上がり、脳が活性化することで勉強にも集中することができ、体も活発に動くようになります。
また、朝食を取ると体温の上昇が日中にピークになり、夕方から夜にかけて下がっていきます。体温が下がると眠くなるため、夜は自然に眠りにつくことができます。しかし、朝食を取らないと体温の上昇時刻が遅くなり、夜になっても脳や体が活発に動き続けて眠くなりません。1日3回の規則正しい食事の繰り返しが生活リズムをつくることにつながります。
学童期は、幼児期と同様に身体的成長が目覚しい時期です。活動量も増加するため、成人の必要量に近い栄養素を必要とするようになりますが、栄養素のバランスが偏り不足することに注意が必要です。特に、学童期は、丈夫な骨と体をつくる時期です。
10代の後半に骨量が最大になるため、骨量を増やすためには、学童期のうちから十分にカルシウムを取る必要があります。また、鉄は筋肉に酸素を取り込む働きをしています。鉄を取ることに加えて運動をして筋肉量を増やすと、筋肉への酸素の運搬がスムーズになり、持久力がアップします。
子どもたちの好きなメニュ-は、ハンバ-グ、スパゲッティ、鶏の空揚、グラタン、カレ-ライスなどの軟らかく、あまり噛まないで食べられるものが多くみられます。噛むことが苦手で野菜の繊維が噛み切れずに残している子ども少なくないようです。
成長期の子どもにとってよく噛んで食べることは、味覚の形成や食べ物の消化吸収を助けるほか、脳の活性化、食べ過ぎによる肥満の防止、また咀嚼回数が増えることで唾液の分泌が高まり、虫歯の予防にもつながります。
子どもの健康をめぐる問題の1つに肥満があり、それに伴い、2型糖尿病などの生活習慣病になるケースが懸念されています。
学童期以降の肥満は、成人の肥満につながる可能性が高いため、注意が必要になる。厚生労働省は、6~15歳のメタボリックシンドローム診断基準も検討しており、肥満の小・中学生の5~20%にメタボリックシンドロームの可能性があると見解しています。その背景には、不規則な食生活や間食の取り過ぎによる摂取エネルギー量の増加、運動不足による消費エネルギー量の減少があります。